日本お米ばなし vol.40 食文化編「七草がゆは食べた方が良い?」
Natural Farmingは、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」のいるお店です。
お米が大好きな私たちがお届けする【 日本お米ばなし】ぜひご覧ください。
一年で最初の節句は1月7日。この日は「人日(じんじつ)の節句」または「七草の節句」と呼ばれ、「七草がゆ」を食べる慣わしがあります。
七草がゆを食べない地域や家庭もあるようですが、日本の行事食として、1月7日に七草がゆを食べる理由をご紹介したいと思います。
七草がゆを食べる風習
七草がゆは、1月7日「人日の節句」の朝に七草の入ったおかゆを食べることで無病息災を願う行事食です。
中国の無病息災・立身出世を願って7種の野菜を入れた汁物を食べていた風習が日本に伝わり、平安時代には7種の穀物でおかゆを食べるようになったそうです。後に古くからある「若草摘み」の風習と結びつき、鎌倉時代には七草がゆを食べていたようです。
現代では正月にご馳走を食べて疲れた胃腸を休める意味も含まれています。また、「野菜が不足しがちな冬の時期に栄養素を補うために食べる」という意味も込められていると言われています。
春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの7種類です。これらの野草は、それぞれ特有の栄養価や効能を持っています。
「春の七草」の栄養価と効能
春の七草それぞれには、特有の栄養価と効能があります。
セリ:免疫力を高め、風邪やインフルエンザを予防するビタミンA、疲労回復に効くビタミンB群、疲労回復を手助けするビタミンCが含まれています。また、鉄分も多く含まれているため、冷え性・貧血の症状を和らげます。
ナズナ:セリと同様にビタミンA、B群、C、カリウム、鉄が含まれています。さらに、カルシウムや亜鉛なども含まれています。
ゴギョウ:咳やのどの痛みを和らげる作用があると言われています。詳しい栄養価については不明。
ハコベラ:タンパク質が比較的多く含まれ、ミネラルをはじめとした栄養に富んでいます。また、利尿作用のあるサポニン、止血作用のあるクマリンが含まれています。
ホトケノザ:高血圧の予防・胃腸の働きを整えます。
スズナ:胃腸の消化を助けるアミラーゼ、免疫力を高めるビタミンC、むくみを解消するカリウムが含まれています。
スズシロ:スズナ同様、胃腸の調子を整えるアミラーゼ、ビタミンCが豊富で、肌を若々しく保つ効果もあります。また、食物繊維も豊富で便秘の解消に効果があります。
これらの七草を摂取することで、健胃効果、食欲増進、利尿作用、二日酔い解消、解熱、去痰、咳止め、気管支炎予防、扁桃腺炎予防、肝臓回復効果、などが期待できます。
「お粥(おかゆ)」に期待できる効果
お粥には以下のような効果が期待できます。
1.消化が良い:お粥は胃腸に負担をかけずに、水分と栄養分を体に届けてくれます。普通に炊いたごはんを食べるのと比べて吸収が早く、消化が良いため、内臓に負担をかけることなくエネルギーを摂取できます。
2.体を温める:お粥は体を温める効果があります。人間の体は体温を上げることによって免疫力を高めることができます。お粥は体を温める効果があるので、風邪を治すためのサポートもしてくれます。
3.栄養の吸収が良い:お粥は柔らかく煮るため、通常のごはんよりも消化吸収が良くなります。硬さの調整を行うことができるのも、お粥の良さです。
ただし、お粥の消化が良いからといって、そのままかきこんで食べるのは、胃腸に負担をかけてしまいます。風邪などで胃腸が弱っているときはなおさらなので、ゆっくり嚙んで食べるようにしましょう。
七草とお粥の組み合わせ
お粥は、基本的に炭水化物しか栄養素が含まれていません。お粥だけを食べるのでは、栄養のバランスが偏ってしまいます。
具を追加したり、副菜を充実させることで栄養を補う必要がありますが、春の七草には様々な栄養が含まれているので、白粥よりもバランスの良い食事となります。
おわりに
人日の日に日本の伝統食「七草がゆ」をいただくことは、様々なメリットがあるようですね。特に今年は、元日から大きな災害や事故もあり、例年にも増して「これから始まる一年間を健やかに過ごせるように」という願いを込めて七草がゆをいただきたいと思います。
七草がゆにおすすめ!
当店でお取り扱いしている品種のなかで、おすすめなのは、「にこまる」です。
粒感がはっきりしているお米なので、おかゆにしても粒がしっかり残ります。七草がゆなどの行事食として、健康な時に食べるおかゆなら、どろどろに煮込むというよりは、粒感を残して食感を楽しむことができます。
農薬・化学肥料・家畜由来の堆肥を使用していないナチュラルなお米なら、有機米に詳しい稀有な米屋のECショップ「Natural Farming」でお取り寄せできます。
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