寿命以外にはすべて効果がある

西洋医学では、病気の種類とか患者の状態に応じて、その治療法を変えるのが普通です。
症状を抑えるための対処療法も、病原であるウイルスや細菌を殺す治療法も、基本的には同じ考え方です。

東洋医学は、人間の自然治癒力を活性化することを主眼としていますが、状態に応じて薬を変えるという点では同じです。
これだけですべてOKという万能薬は存在しません。

そんな中でレイキは、ただ手を当てるだけという簡単な方法で、あらゆる病気や怪我に対応します。
なぜそんなことが可能なのか？　そのことをここで書いていこうと思います。

レイキは自然治癒力を助ける

前回の「病気は浄化ということ」でも書きましたが、レイキは自然治癒力を助けるものです。
自然治癒力というのは、身体を健康に保とうとする生命の働きのことです。
病気という状態から健康という状態になることを「治る」と表現しますが、本当は生命の働きの中で揺れているだけなのです。

このことは、レイキの世界ではずっと言われてきました。
臼井甕男氏が作られた臼井レイキ療法学会は今も存在し、その会報である「霊気療法のしおり」には、こう書かれています。

「臼井霊気療法は、精神療法の一種でして、病気にならないように、日頃から心身を強健に保ち、また、不幸にして病気になった場合でも、ほとんど医薬に頼らないで治療する方法であります。すなわち、霊気療法は、人間の潜在意識に作用して、それぞれの人の身体に持っている、病気治癒能力＝自己癒能、の自然の働きに、強い援助を与えて、病気の予防や、治病しようとするのです。」（p.1）

そもそも自然治癒力という万能薬的な力が人間に備わっていて、それを助けるのがレイキです。
ただ助けるだけですから、誰でもレイキをすることができます。
そのことについては、こう書かれています。

「霊気療法が、人間の霊気によって、自己癒能を高めることであるからには、老・若・男女を問わず誰にでもできることであり、その弊害は、全然ありません。誰も、一ぺんこの療法を得ますと、その効果の素晴らしいのに驚くのであります。」（p.1）

あらゆる病気にレイキは効果がある

レイキが自然治癒力を助けるものであれば、あらゆる病気に対して効果があると言えるでしょう。
そのことを、臼井氏はこう語っています。

「「最近、医科学は、いちじるしく進歩しているから、決して医療、薬などを無視したり、また排斥などすることは、不謹慎極まりない。」
　と固く固く戒められております。
　しかし、
「医薬で、どうしても治らない病は、進んで霊気で治しなさい。」
－と教訓をしておられます。そして、
「霊気で治らない病気はないから、常に浄い魂を持って治療に専念するよう励みなさい。」
との信念を語っておられます。」（p.45）

「霊気で治らない病気はない」と明言しておられます。
ただし、レイキは西洋医学を否定するものではない、ということも言っておられます。
レイキだけが正しいという立場には立たないのです。
それぞれにそれぞれの正しさがあり、それは競合するものではないのです。

しかし、そんな万能なレイキでも歯が立たないものがあります。
そのことを臼井氏は、こう言っています。

「ただし、
「ここに一つだけ、霊気でも、神仏の祈祷でも治らない病気がある。それは寿命の尽きたときである。すなわち、人の生命には、大人、子供の別なく限界がある。これは、自然の摂理であり、人間の寿命であるから、何とも致し方はない。しかし、その人の寿命と判ったときは、なおさら、最後の最後まで、万全を尽して親切に真剣に治療をしなさい。
　そうすれば、どんな苦病の人でも、実に安らかな往生のできることは確実であるから、努めて実行せよ。」
　と教訓をしておられます。」（p.46）

寿命が尽きた時は、レイキでもどうしようもないのですね。
ただし、たとえ寿命が尽きた場合でも、レイキをすることで「どんな苦病の人でも、実に安らかな往生のできることは確実である」と言われています。
このことは、終末医療に役立つものではないかと思っています。

病気は死の原因にはならない

ここまで読まれて、何かに気づかれたでしょうか？
レイキはすべての病気が治るのに効果があると言いながら、寿命が尽きたものはどうしようもないと言われています。
これはつまり、病気が死の原因ではない、ということを言われているのです。

私たちが、ガンなどの病気を恐れるのは、それが死につながると思うからです。
不治の病と言うように、治らないということは死ぬことだと考えています。
だから、病気を治したくて仕方がないのです。

しかし、どんな病気であってもそれが死に直結しないとしたらどうでしょう？
途端に病気に対する考え方が変わってきませんか？

レイキは、単純に病気や怪我を癒す民間療法ではありません。
私たちの生き方そのものに大きな影響を与えるものなのです。