椅子に座った人への手の当て方（２）

前回に引き続き、受け手が椅子に座っている時の具体的な手の当て方について書きます。
前回は、施術者が正面から手を当てる方法でしたが、今回は施術者が受け手の後に位置して行う手当てのやり方についてです。

受け手の後に位置した場合は、頭から腰までがその範囲となります。
受け手が椅子に座っているので、さすがに足には手が届きませんからね。
それから、椅子の形状が背もたれ付きかどうかによっても違いがあります。
それも含めて説明します。

頭に手を当てる

受け手の頭にレイキをする場合は、施術者は基本的に受け手の背後に立って行います。
立つことによって、受け手の頭が施術者の肩よりも低い位置におくことがポイントです。

このようにすると、どんな手の当て方をしても、肘を曲げた状態で楽に頭に手を当てることができます。
これは、前に紹介したクリーン・アップ・パイプのやり方とも関連してきます。
クリーン・アップ・パイプは、せいぜい2分間しか手を当てませんから、そのポジションはどうでもよかったのです。
しかし、実際にレイキの施術をする場合は、長時間におよぶ場合が多いので、ポジショニングが重要になってきます。

ポジショニングのポイントは、なるべく受け手に近づいて、自分の肘（脇）を体側にくっつけることです。
こうすることで、長時間のレイキでも、自分の腕の重さを負担に感じずに済みます。
ですからまず、相手から十分に高くて、近い位置をキープすることが重要なのです。

その上で手の当て方ですが、クリーン・アップ・パイプのように、頭頂部に対してレイキをすることはあまりありません。
なぜなら、頭頂部が痛いという症状を示す人が少ないからです。
偏頭痛の場合は、だいたい側頭部に痛みを感じます。通常の頭痛でも、感じるのは後頭部でしょう。
受け手の背後に立ってレイキをするのは、だいたい側頭部の痛みに対処する場合がほとんんどです。

受け手の背後から、受け手の側頭部を挟むようにしてレイキをします。
高さは、受け手の要望によって耳の上、耳の位置、耳の下くらいに手を当てます。
脇を締めて肘を体側につけるようにすれば、手を浮かせた状態でレイキをすることも可能です。
そうすれば、受け手の耳を塞ぐことがないので、受け手も違和感を感じずに済みます。

肩に手を当てる

受け手の背後に立って手を当てる場合、もっとも多いのは肩に手を当てる事例です。
日本人は肩こりの人が多いし、肩に手を当てるのは、背後に立った場合にもっとも容易です。
背後で椅子に座って施術をしても、肩に手を当てるのは長時間でも大丈夫です。
こういったことから、肩に手を当てることは、特に指導するほどのこともありません。

ただ強いて言えば、肩に置く手に体重を預けてしまう人がたまにいる、ということです。
ここでも基本的に、手をふんわりと優しく置き、力を入れないことが重要です。

背中に手を当てる

背中の上部、肩甲骨周りまでであれば、受け手の後に座って手を当てることが可能です。
ただし、受け手の座高が低い場合など、施術者の手首の角度がきつくなって手を当てにくくなる場合があります。
その場合は、2つの対処方法があります。

1つは、施術者の位置を低くするために、高さが低い椅子に座るか、床に直接座り込む方法です。
お風呂で使うような低い椅子は、レイキの施術ではとても役立ちます。
立膝をして、高さを調節する方法もありますね。

もう1つは、立つことで逆に施術者の位置を高くし、手を下に向けて当てる方法です。
この方法は、肩甲骨くらい背中の高い位置だと難しいですが、それより下の腰に近い位置であれば可能です。
もちろん、施術者が踏み台などに乗って高くした上で、手を下に向けて当てることもできますけどね。
腎臓に対してレイキをしたい時、高さによってはこの方法がやりやすいと思います。

腰に対して手を当てる

これは、座っている人に対して背後からレイキをするには、かなり難しい体勢になります。
また、背もたれ付きの椅子に受け手が座っていると、不可能と言えるでしょう。
もし受け手が背もたれ付きの椅子に座っているなら、90度横を向いて、背もたれを外してもらいましょう。
丸椅子など、背もたれがない椅子であれば、そのままで大丈夫です。

腰の場合、施術者が立って手を当てるのはほとんど不可能です。
せいぜい椅子に座って、指先を下に向けるようにして手を当てるくらいでしょう。

私は、高さ10～15cmくらいの低い椅子に座るか、床に直接座り込んで、手を当てるようにしています。
また、受け手の前にテーブルなどを置いて、そこに突っ伏してもらうと手を当てやすくなります。
ただ、次の述べる受け手の横に位置して手を当てる方が楽なので、基本的には真後ろから手を当てることはありません。