あと三十分です

　あと三十分ですべてが終わる。僕はあと三十分の間に自分のすべき事を考えた。人間って言うのは脳天気なもので普段からいざと言う時のことなど全く考えていないものだ。だから僕も終わりの時が来た時のことなど何も考えていなかった。あなたは明日時代劇の悪役みたいに打首獄門になりますって言われた時さえ冗談だと思っていた。僕がそんなことになるはずがない。なんて笑っていたぐらいだ。だけど僕は明日すべてが終わりだということが確実だとわかり今むちゃくちゃ同様している。童謡と言う字さえわからないぐらい動用している。ああ！明日の僕はどうなってしまうのか。どうなったらどうなったのか。そんな事を考えたらご飯だって食べられなくなる。いつもはケーキをペロリと１０個食べる僕でさえ今日はたったの３個しか食べられなかった。終わりだ。僕は終わりだ。尾張だ。織田信長だ。豊臣秀吉だ。徳川家康だ。秀忠だ。家光だ。家綱だ。綱吉だ。家宣だ。家継だ。吉宗だ。家重だ。家治だ。家斉だ。家慶だ。家定だ。家茂だ。慶喜だ。そして大政奉還だ。ひきこもりの僕は明日家から叩き出されます。