和製ピカソと呼ばれた男
その昔和製ピカソと呼ばれた画家がいた。この画家横山天心はその通りまるでピカソをなぞるような少年時代を送ってきた。赤子の頃から美術教師の父に徹底的にアカデミックな美術教育を受け中学を卒業する頃には完全に玄人はだしの絵を描くようになっていた。天心が美大に入るまでに手に入れた賞状は部屋には到底納まりきらないぐらいあった。彼の高校時代の美術教師は天心を日本で一番絵が上手いと発言した。しかしいくら絵が上手くても現代の美術でそれが役に立つかといえばそうではない。美術の世界におけるアカデ