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人生で最も価値観を揺さぶられた一冊

朝井リョウさんの『正欲』。
人生で最も価値観を揺さぶられた一冊です。

「読む前の自分には戻れない強烈な読書体験……これは特別な本です。」

と、帯文に書いてある通りの衝撃作でした。

あらすじは以下の通りです。

あってはならない感情なんて、この世にない。
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。

息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。

しかしその繋がりは、"多様性を尊重する時代"にとって、
ひどく不都合なものだった――。

「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、
そりゃ気持ちいいよな」

これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?

作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。

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あまりネタバレになることは書きたくないのですが、
あらすじにもあるように、『多様性』の話です。

私自身、クローン病という難病を抱えており、所謂「マイノリティ」側の人間だと思っていました。しかし、そんなものは自分が見えている範囲、知っている人達の中で判別しているだけの話です。

想像したこともない感情を持っている人がいることなんて考えたこともありませんでした。まさに「想像力の外側を行く」作品です。

一般的に『多様性』いうと、ジェンダーや国籍、障がいのある人、LGBTQなどのマイノリティを想像する人が多いと思います。
しかし、そのようなカテゴリから漏れてしまうも一定数いるはずです。

カテゴライズされることで社会問題として表面化される一方、
そのせいで「生きづらさ」を抱えている人もいると思います。

そして、何より大多数の人は、こうしたマイノリティを「受け入れる」と思っているのではないでしょうか。

なぜ、自分がマジョリティ側に立っている前提なのでしょうか。

この本を読んで、今の世の中で叫ばれている『多様性』について考えるきっかけになりました。
このあたりの私の考えは、また別の記事で書いてみようと思います。

皆さんも、是非この衝撃を味わって、価値観を揺さぶられてみてください。

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