見出し画像

「1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」を読んでのログと徒然

 読書ログとして徒然。

 日々の仕事で役割上「考える(悩む?)」ことが多い。勤め人として組織で働く上で、その「考えて得た自分の意見」を顧客、上司、メンバーなどの関係者に何かしら具現化し、合意をもらったり、決議をとったり、モチベートしたりして、何らかの社内外のリソースを動かす許可をもらうわけでありまして。

 なんか最近上手くいかないなぁというか、知的生産のレベルが上がってないなぁと感じながら、いつものようにぼーっと図書館をほっつき歩いていたら、こちらの本がふと目に留まり邂逅したわけであります。

1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法 

 以前より、本書籍や著者の山口揚平さんは存じ上げていたのですがまだ未読でした。以前拝読したこの方の株の本はとてもわかりやすく投資の本質というか根っこの部分の理解のためにとてもありがたかったですし、slide shareで共有されている山口さんのスライドを見るにつけ、その内容の奥行きとか言語化力、図示化力に憧れてたりしてました。

 ということで、以下は本書を読んで、かねてより自分ではうまく言葉に出来ず暗黙知のままであったことが言語化されて、心の錨に刺さった部分や思わず膝を打ったりしたことの備忘録です。反芻し続けて、自分に定着させるために数カ月おきに見返せるように記したいと思って書き残そうと思います。

 いつもの通り、図書館を使い倒した自分用の読書ログです。私が、本来の主張を独自解釈してしまってる部分もあるかと思うので、これから下の内容はご参考までで、楽しんでいただけたら幸いです。

「考える」目的とは

 まだまだ未熟な私なので、本書で述べられてることの真髄を理解できる粋には達してはいませんが、本書を読んでの私にとっての核はココでした。「考える目的」の定義、つまり「考える」とは何のためにやる行為なのかというのを定義されてました。

画像1

※↑は私が本書を読んで自分用に作ったも。ご参考まで

 「考える」とはつまるところ、「1、代替案を出すため」「2、具体案を出すため」「3、全体像を捉えるため」「4、本質を見抜くため」の4つのためにやる行為という定義。なるほど、と。

 仕事をしていて、思考が堂々巡りになるというか「考えているのか、悩んでいるのか、よくわからない状態」に陥る時があります。考えることは、「この4つの目的のためにやっている」と認識できていると、思考の迷路に入った時にどこに向かって歩み出せばいいか改めて認識できそうと、気づけました。

 で、(私見では)4つの目的のなかでも「本質を見抜くため」に考えるのって、他の3つと比べて難しいなぁと思うわけで。

 なぜなら、「これが本質だ!」、と思う一方で「本当に本質かな?」と思考を行ったり来たり内省するわけですが、自分の「無知の知」を捉えてる限り自分への疑いが晴れないし、反対に、この内省の往復が少ないと、それはおそらく「本質」に辿り着いてないと思うから。

 ただ、著者の山口さん曰く「本質 = 普遍性 x 不変性 x 単純性」であると語られており、「本質を見抜くために考えた結果」にこれらの要素があるかを確かめることが、「本質に近づいているかをはかる物差し」であるとされてるのは納得感高かったわけです。

普遍性:応用がきくこと、転用できること
不変性:今日と明日で結果が変わらない、時がたっても変わらない
単純性:問題の根っこの力点。問題が2〜3あると感じる場合はまだ浅い

 とはいえ、少なくともこれまでの仕事で「本質に触れた感覚」って、お恥ずかしながらまだ無いなぁ。。。

「考える」時の技法(コツ)

 「考える」ことは上記の4つのためにやるのですが、その時の「技(テクニック)と「心構え(マインド)」が書かれてました。

スクリーンショット 2020-11-28 10.58.53

※↑は私が本書を読んで自分用に作ったもの。ご参考まで

 技としては、いわゆるフレームワークであったり、図示するときによく使う技法が紹介されていた。これは、さっきの「考える」を効率的、つまり、妥当性が高い解にスピーディに近づいたり、またはそれを正しく人に伝えたりする際のテクニックとして。

 ただ、上記のテクニックよりも増して、私にとってとても気づきになったのは「考える上での心構え」の方。「全てのは分かれてるようで、有機的に繋がっている」「常識、前提を疑ってみる」「らせん的に生成・発展している」。これらを前提としてを心に留めながら思考することが、本質に素早く迫る秘訣、と書かれていた。

 話は変わるが、以前「(人の)マネジメントをする」ということの壁にぶつかった際にこちらの書籍を読みまして。

(これは本当に名著だと思う。)

 田坂先生の「マネジメントをすること」の思想が書かれていて、当時、1on1とかの最新マネジメントテクニックというかハック的なノウハウ(技法、ハード面、方法論・・・)の収集をしがちになっていた中、マネジメントをする上での心構え(思想、意味、根っこ)が説かれていた本書は、この正解のない「人のマネジメント」という行為をする上での、自分にとって一つの依代となっている。とても良書。下記のようなtweetをした。

 山口さんが本書で述べられてることも、これと通ずるなぁと個人的に捉えていて、これも、山口さんが思考家、思考のプロとして行き着いた本質なのかもしれないなと思った次第。

 「全てのは分かれてるようで、有機的に繋がっている」は、仏教でいう諸行無常とか諸法無我のような考えで、にわか仏教好きの私としても腹落ちしやすい考え方だなぁと思ったり。「らせん的に生成・発展している」は↑の田坂先生も「事物の螺旋的発展の法則」と言っていて、通ずる部分があって、何かと腹落ちした。

 以上。本書では、もっといっぱい気づきになることが書かれているけど、こちらのやり方「自分の血肉にするために、最も大事と感じたこと」を厳選して整理した。

 で、以下は本書で備忘したいと思った一節とそれに対しての自分の意見の徒然。本当に徒然と書いてあるだけなので、目次から気になったところに飛ぶことをお勧めします。

p.70:見えている問題にはできるだけ手を触れてはいけない・・・

p.70;
見えている問題にはできるだけ手を触れてはいけないし、仮にその場しのぎが必要だったとしても、目の前に見える氷山の下にある大きな氷の塊を常に意識いなければならない

 先ほどの「本質に迫っているか」のためのわかりやすい教訓。目に見えている「不」をモグラたたき的に解消していくのではなく、目に見えてる課題のその奥にある原因(の更に奥の原因、の更に奥の原因・・・)は何か捉えにいくことをしないと、その問題は形を変えてまた表出する。

 何か不に出くわした際は、このSlideShareのp.47を頭に思い浮かべながら、事象をみてみると良いさそうだ。

p.90:便利な二項対立を使えるように

 ロジックツリーで事象をわける際に、便利な二項対立を使えるようにしておくと、便利。書き出すと一般的なものとして「原因・結果」「コンテキスト・コンテンツ」「広さ・深さ」。本書内ではもっといっぱい一覧で紹介されていてスクショした。

 こういう二項対立でよく使うものを自分の頭の引き出しに入れておくと、会社でブレストをしたり、プレゼンテーションをするときの思考の整理や、伝達効率が高まる。使っていって自然と出るようになりたいものです。

 あと、これを二つ組み合わせて、4マスで整理することも出来そう。こんな感じ。

p.101:私にとって面白さとは個体ではなく、個体と個体の間の有機的な関係にある

 物事を解決しようとするときは、一つひとつの要素を分解して個別理解することも大事だが、「あらゆる問題は有機的につながっていて、問題の本質はもっと根本的なところにある」と考えることが重要と書かれていた。先程の本質を見抜くときの捉え方。ワンネス。

 で、この流れの中で出てきた一節。自分もなんか同様の感覚を感じているものの、それをうまく言語化できてなかった中で、(私にとっては)的確に言葉にされていてとても腹落ちした。

p.126:価値=(専門性+正確性+親和性)/利己心

 価値とは何で決まるのかの山口氏の定義。

専門性:経験からくる知識や、スキルと捉える
正確性:いわゆるQCDの視点
親和性:イキるな、驕るな、謙虚に
利己心:ここでは小さいほどいい。つまり利他であるほどいい。
※上記は私が自分の理解のために言ってることで本書とは別

 利己心が大きい、つまり自分本意の気持ちが大きいほど価値は低まる、ということ。(これはまだ私が未熟なだけかもだが)とはいえ、完全に利己じゃない振る舞いってないんじゃないかって思いつつ読んでいたところ、山口さんはいっとき無償でお仕事をされてたと書かれていてなんともすごいなと。

 面白いのは、反対に利己心が小さければ小さいほど、価値は上がるということ。「利他」「誰かの役に立つ」ということ。ついこないだ、前職の上司と食事をともにした際、同様のことを言われてなんか繋がってるなとここでも感じた。

p.167:マルチコミュニティに属する

マルチコミュニティに属する。少なくとも次の3つのコミュニティに属することになるといわれている。
・志を共有するコミュニティ(慈善団体、政治団体、趣味団体)
・稼ぎどころのコミュニティ(会社・学校)
・心安らぐコミュニティ(家族、協会、地域)

 将来こうなると言われている。で、自分の考えでは円が重なりあうところを見つけられたらとても幸せなのかなと思ったり。でも3つとも重なるのはないか。

p.169:戦略的に人格を使い分けよ

 戦略的に人格を使い分けよ
 複数のコミュニティに属すると「自分とは一体何か?」について悩む人が増えるだろう。複数のコミュニティに属すると「自分とは一体何か?」について悩む人が増えるだろう。「本当の自分とは何だろう?」というエンドレスな自分探しの旅に出てしまって、アイデンティティ・クライシスに陥るかもしれない。「本当の自分とは何だろう?」というエンドレスな自分探しの旅に出てしまって、アイデンティティ・クライシスに陥るかもしれない。
 それを避けるために、「自分とは様々な人格のポートフォリオにすぎない」という文人的な発想に切り替えるのが重要。それを避けるために、「自分とは様々な人格のポートフォリオにすぎない」という文人的な発想に切り替えるのが重要。
 そもそも自分のアイデンティティは他社との関係性によって成り立つもの。相対的なもの。そもそも自分のアイデンティティは他社との関係性によって成り立つもの。相対的なもの。必要以上に頑固にならず、環境の変化を素直に受けとめ、戦略的に人格を使い分ける。
 必要以上に頑固にならず、環境の変化を素直に受けとめ、戦略的に人格を使い分ける。

 この言葉にはとても救われた。救われたし、これもまた自分でうまく言い表せなかったことが言語化されていて、解像度が高まったのでありがたい一節。

 とても言い得て妙なのは「様々な人格のポートフォリオにすぎない」という部分。面白い。こちらも下記の田坂先生の書籍でも同様のことが書かれていた。「多重人格になって、人格を戦略的に使い分ける」ことが自分の才能を開花させる、ということ。もう一度読み直してnoteに整理しよう。

 自身も、勤め人をしながら、飲食店の経営や、個人で(未熟ながら)データ分析や営業に関するコンサルティングをしている。それぞれ、人格がある。また、それらの人格を行き来することで、それぞれの仕事をするとき別の人格からみると他の人にはない視点で物事を考えられたりする、実感がある。いつもじゃないけど。

p.178:コミュニケーション力とは、言ってみれば「人との距離感のマネジメント」

コミュニケーション力とは、言ってみれば「人との距離感のマネジメント」。
相手を単にブロックするか、仲良くなるのかといったシロクロの選択ではなく、相手との関係のグラデーションをつけること。

 思わず膝を打った表現。自戒をこめて、20代前〜中盤の時はこのように捉えられてなかった。それが相手にも伝わって、うまくチームを牽引できなかったのが後悔。

p.187:職業訓練における最大の美徳は「素直さ」

職業訓練における最大の美徳は「素直さ」
これは生まれ持った特性ではなく訓練で身に着けられる
 ・物事を俯瞰で見る≒自分の人生で否定してきたものをあえて肯定してみる)
 ・ゼロイチではなくグラデーションで見る
 ≒自分の人生で否定してきたものをあえて肯定してみる、嫌いな人、苦手な領域、避けてきた勉強を肯定してみる

 わからないことはわからないと素直に言えること。もちろん馬鹿みたいになんでも「わかりません(ヘラヘラ)」はだめだが、逆の立場に立って見たときに「わかったふり」をしてる人ってわかる。で、そう感じると途端にその人が浅く見える。自分がこうなってはいけない。

 わからないことはわからないと言った上で、ちゃんと理解しようとする姿勢をみせ、年齢問わず教えを請う。で、教えてもらったことにはちゃんと感謝する。

 「わからないことをわかったふりをしてバレたときの恥ずかしさ」>「わらからないって言う恥ずかしさ」。

p.208:「仕事は遊び。ビジネスは価値と信用を創造するゲームにすぎない」と悟れたら、パラダイムシフト。

 シンプルにすごいかっこいい表現。これこれ。何かもうちょっとでこの感覚を掴めそうだと感じてはいる。

p.238:人間の不幸には2種類ある

人間の不幸には2種類あると言われている。
「自分に降りかかる不幸」と「他人に降りかかる幸福」

 後者はなるべく目に入れないようにしておこう。とはいえ、twitterとか見ちゃうなぁ。

 あと、後者については、他人から見て妬まれないように、自分はあまり表に出さないようにした方がいいなぁ。


 以上、後半は本当に自分のため徒然で恐縮です。お読みいただいた方はとてもありがとうございます。振り返ると、このnoteはとても利己的だなぁと思ったり(苦笑)。となると価値は低い(苦笑)

この記事が参加している募集

貴重なお時間で読んでいただいてありがとうございます。 感謝の気持ちで、いっPython💕