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東京モンは上沼恵美子を知らない
私は東京出身である。すなわち東京モンである。
母が京都出身で、いま、母の実家にいる。
私は電話占い師、スマホひとつで仕事が出来るので、
2ヶ月以上長期滞在している。
東京で、テレビで上沼恵美子さんの姿を見ることは
ほとんど無かった。
上沼恵美子さんのポリシーで、東京でのお仕事はほとんどお断りしているらしい。
さて、毎週、何度もこの関西で、上沼恵美子さんの洗礼を受けている。
『5時に夢中』の「ことわざアップデート」というコーナーで、
「郷に入れば郷に従え」のアップデートが、
「琵琶湖を越えれば上沼恵美子に従え」
であった。なんて、なんて、秀逸なのだろう。
東京出身である私は上沼恵美子さんの偉大さを知らなかった。
某M-1ファイナリストの賞レース後の暴言も、
女帝の偉大さを知らない私は、
「まあ、芸人さんも感情論で評価されたら嫌だろうな」と事の重大さを理解していなかったが、
松本人志氏の「彼らは上沼恵美子さんの功績も偉大さも知らない。それが芸人として致命的な勉強不足」というコメントも、
女帝に対する配慮だと思っていたが、
これはまさしく真実を語っただけであった。
女帝の世相の斬り方よ。
世を上品に皮肉る話芸よ。
気高き上から目線よ。
私はあなたの物の見方を知りたい。
愚痴をフリートークとして成立させる知性をもっと見たい。
関西の世を測る物差しは、女帝・上沼恵美子である。
彼女が明確に話の筋を引くから、世の中が解けてより世間をはかる目安がわかる。
彼女がいるから、忖度のない、世をフラットに見る目線を得ることが出来る。
ご意見番というのは、過去の栄光を根拠に番組に呼ばれて、個人的な苛立ちを暴言の如く吐き出す人のことではないのだ。
老若男女、皆がなんとなく感じていることを、
鋭く世に弾き出す人のことを、
ご意見番と言うべきではないだろうか。
女帝がいる限り、
関西ではテレビと視聴者とのちょうどいい距離感が保たれているように思う。
ギャグで毒を吐く姿は愛しい。
女帝がいる関西は、強い。テレビの平均視聴率も関東より関西の方が高い場合が多い。
東京の歯切れの悪い男性芸人の世相の斬り方は鈍い。
結局、事なかれ主義の番組の羅列に視聴者はモヤモヤしてしまう。
私は上沼恵美子よ、もっと女帝の振る舞いをしてください、私はひざまづきます。
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