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【僕たちロケット作ってます】航空宇宙出身メンバー対談!ゲームチェンジが僕らのミッション

こんにちは、インターステラテクノロジズ(以下IST)広報です!

航空宇宙業界で活躍された後、ISTに転職されたお二人の対談インタビューです!

宇宙・ロケットに興味を持ったきっかけ、ニュースペース(宇宙産業に参入するベンチャー企業)に身を移した理由とは。

(写真左から中山、山中)

中山聡(なかやま さとし)
2009年 芝浦工大大学院機械工学専攻卒業後、宇宙搭載機器開発メーカーに入社。2010年から宇宙事業部に転属し、2019年には航法センサのプロジェクトマネージャーを務める。2021年より現職。開発部General Managerとして、開発部の取り纏めを担当。

山中翔太(やまなかしょうた)
2014年 東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程修了後、株式会社IHIエアロスペースに入社。2020年より現職。MOMO・ZEROの総合システムの他、技術の取り纏めを担当。

ー どんな経緯で航空宇宙業界に進んだのですか?

山中:
小さい頃から宇宙が好きで、幼稚園生の頃には宇宙飛行士になりたいと言っていました。当時の宇宙飛行士は裸眼視力0.1以上という基準があり、僕は視力が良くなかったので他の関わり方を探すようになったんです。それから何年か経ち、中学2年生のときに種子島でH-IIAロケットの打ち上げを実際に見る機会がありました。そこには地元の人と協力しながら、街ぐるみでロケットを打ち上げようと頑張る大人達の姿があり、宇宙は大の大人が一丸となってチームプレーができるフィールドなんだと感動しました。私は田舎で育ったこともあり、宇宙が好きな人が周りにいなくてずっと孤独だったんです。そのような環境にいたこともあり、チームでロケットを打ち上げることに魅力を感じて、進路を決めました。

中山:
僕も小さい頃の夢は宇宙飛行士でした。小学校3年生のとき、両親にケネディ宇宙センターへ連れて行ってもらって、本物のスペースシャトルを見たことも。その頃は宇宙がやりたかったのですが、大学に入る頃にホンダの人型ロボット「ASIMO」が出てきて、当時はロボット開発が盛んだったので自分もその道を進みたくなったんです。大学の研究室がバーチャルリアリティ系だったこともあり、手術シュミレーターをやりたくて前職の会社に入社したのですが、いろいろとご縁もあり、宇宙事業の設計開発に異動となりました。全然違う分野で最初は慣れなかったけど、宇宙業界は他とは違うような面白いことをするだけで注目されることに気づき、これは成功できるなと感じましたね。

ー ISTに転職しようと思った理由を教えてください

「ニュースペースの可能性を確信」

山中:
高校2年生の頃、宇宙開発に関心を持つクリエイター集団から結成された「宇宙作家クラブ」のサイトをよく見ていました。そこでISTの前身である「なつのロケット団」が国のロケット開発について問題提起をしている記事を見て、他の方法もあるのかと思うようになったんです。技術的に開発が可能なことでも、国の予算が絡むと政治的なやりとりが少なからず発生します。

ロケットを作りたい人が作れない環境で、どんどん仲間が減っていくのを何度も見てきました。宇宙・ロケットが好きなだけでは開発に関われない状況が悲しくて、宇宙産業自体を大きくしたいと思うようになったんです。そのためにはもっと市場にプレイヤーが増えることが重要。その頃から民間資本でロケット開発をして市場を回すことを考えていました。

中山:
すごい高校生だね(笑)

山中:
大学に入った頃にはスペースXが活動を始めて、アメリカの民間企業が宇宙産業に進出していることにも衝撃を受けました。アメリカで実現したのなら日本でも進出可能なんじゃないかと思っていたところ、堀江(貴文)さんの著書「ホリエモンの宇宙論」を読んだんです。自分は子どもの頃からずっとオールドスペースのやり方を聞いてきた人なので、堀江さんが語る宇宙産業の問題提起、未来の戦略、可能性はあまりにも切り口が違って驚きましたが、ニュースペースの可能性を確信し、キャリア設計を立てることにしました。

将来の宇宙産業で活躍するプレーヤーを考えたとき、宇宙民間ベンチャーに就職する人はおそらく手を動かす人だから、自分は宇宙・ロケット開発の知識を詰め込むため、オールドスペースのやり方を学ぼうと考えました。前職のIHIはエンジンも機体も一緒に開発でき、全体を見れるところに惹かれて入社。その後、ニュースペースの力になりたいと思い、ISTに転職しました。

中山:
僕は前職でロケットの位置を計算する航法センサの開発に成功し、さて次は何をやろうと考えていたとき、学会でISTと出会いました。自分の作った航法センサに興味を持ってくれたことで付き合いが始まり、ニュースペースに興味が湧いてきました。

自分はコンポーネントメーカーにいたので搭載機器を作っていたのですが、ロケット打ち上げの際、メーカー側として「システム設計をもっとこうしたらいいのにな」と思うことが多々ありまして。
例えば、搭載機器が-10度から60度までの温度範囲で動くようにと開発指示があり、その条件下で機器を開発します。その機器を搭載したロケットをいざ打ち上げるとき、温度モニターで20度くらいの温度になる予定のものが、50度になっていたら打ち上げ中止になるんです。機器としては60度まで対応できる機器を要望に応えて開発したのに、打ち上がらなかったら意味がありません。

そう考えていたとき、自社でコンポーネントまで作る民間宇宙ベンチャー スペースXの存在を知りました。搭載機器を自社開発するのであれば、コンポーネントの開発も柔軟にできるようになります。例えば、搭載機器が±10度くらいの範囲でしか性能を発揮できないとしたら、ロケットの方で温度をコントロールするとか。そういうのを社内でできるんですよね。そんなとき、ISTがスペースXのように、自社で搭載機器も全て開発していることを知り興味を持ち始めました。

とはいっても、ISTに転職するかどうかはすごく迷いました。当時は前職でプロジェクトマネージャーをしていたので、新しい事業展開をしないといけないし、子供も二人いるし、ベンチャーは将来どうなるか分からないし。でもずっと思っていたのは、このままだと自分の子どもが大人になったとき、ロケットが当たり前に打ち上がらない日本になってしまうかもしれない。「お父さんは宇宙業界にいたのに何をしていたの?」と子ども達に言われてしまうかもしれない……。そんな危機感がありました。日本って今は当たり前のようにロケットが打ち上がっているので、当たり前のように衛星を開発することを考えるんです。ロケットがない国はそんなことできないし、そう考えたときやっぱりロケットをやるべきだと思いました。

最終的に背中を押したのは、ISTへの転職を悩みに悩みながら駅で待ち合わせしていたとき、ふと前を見たら少年が僕の方に向かって歩いてきたんです。その子が着ていたTシャツの胸元に書かれていた文字はNASA。そこで決心しましたね(笑)

ー ISTはどんな会社ですか?

「ISTは宇宙産業のゲームチェンジャーになる」

山中:
国内でスペースXのようになれるのはここだけだと思います。

中山:
そこが一番ですね。なろうと本気で思ってやっているのはここしかない。

山中:
今のISTはスペースXの開発フェーズで例えると、小型ロケット「ファルコン1」開発初期に似ています。

中山:
ISTのメンバーを見ていると個人視点ではなく、宇宙産業が盛り上がればいいと思っていて、スペースXみたいな企業が日本で出てきたら面白いと考えているメンバーは多いと思います。今働いているメンバーはISTが好きというよりは宇宙業界を変えたい。ちゃんと意味あることをしたいと思って入ってきてる気がします。

現在開発中の超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」は、新しい宇宙の技術を実証するプラットフォームとしてすごく重要です。

超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」


ZEROを一回打ち上げて「民間の技術で衛星用のロケットを作れる。もっとたくさんの民生部品を使えるんだ」と証明できたら、宇宙産業として絶対に盛り上がります。「ZERO」をきっかけに変えてやろうという思いが強いです。

山中:
ゲームチェンジャーになれるってことですね。

中山:
そうですね。ISTは宇宙業界のゲームチェンジ真っ最中。ロケットを安くしたり、国際競争力をつけるというチェンジングが我々のミッションです。ZEROを打ち上げればゲームチェンジできると思っています。まずそこに集中したいですね。

ISTのメンバー全員が今この瞬間、一回きりの人生のなかですごく意味のあることをやっている。JAXAの方には、チェンジャーでいなさいとよく言われます。JAXAさんもそういった意味ですごく期待してくれているし、その期待には答えなきゃいけないと思っています。

ー ISTは世界でどのように活躍できるでしょうか?


中山:
ISTは、世界のニュースペースの企業のなかでも上位に入れます。まずはそこに入っていかないと、その次がないですよね。月に出て行くとか、火星に行くことになればロケットを自国で持っていないと、月にいきなりすごい資源が見つかって、採取しにいきましょうとなったとき、すぐに行けないじゃないですか。

スペースXは安いロケットがあるのでどんどん進出しますよね。将来的には、すぐ打ち上げられる安いロケットを持っている国が有利です。宇宙空間に出ていくような、世の中がガラッと変わるような日が来た瞬間に、世界に通用する輸送手段を持っている必要がある。宇宙が産業として浸透したら、改良フェーズになり日本は活躍できます。だからそういった意味でも、今舞台に上がるプレイヤーが国内にいないといけないと思っています。そのためには国産ロケットの必要性を理解してもらわないといけません。

ー なぜ国産ロケットが必要なのですか?

「ロケットはネクストステージにつなぐためのインフラ」

中山:
例えば、他国のロケットを使っていたら、宇宙にすごい資源が見つかり、日本も資源採取のために宇宙に行こうとしても、資源獲得競争から「日本にロケットを売らない」と言われたときにどうすることもできないんですよね。宇宙までの安い輸送手段を国内で持っていれば、すぐに動くことができます。ロケットは外交手段なんです。ロケットがあるからこそ、今の子どもたちが大人になったとき、月、火星、恒星間というネクストステージにいける。ロケットはあくまでも次のステージに行くためのインフラなので。

僕たちがロケットを作るのは、未来につなぐためです。宇宙って無限でとにかくすごくて、もう訳がわからない世界。永遠に広がるとか、ブラックホールとか、映画で見るようなSFの世界って実はすぐそこにあるんです。2.30年後、テレビをつけたときに「太陽系外に人類が初めて出ました!」なんて放送があったら絶対楽しいじゃないですか。今日は土星に行ったとか。そういうのを見たいですね。でも自分が宇宙に行きたい訳ではないんです。その世界を作るために、今やらないといけないことがある。我々が今やっていることは、その未来につなげるための「繋ぎ」なんです。

エンジニア大募集中!会社説明会も開催!

ISTでは開発を進めるため、エンジニアを募集しています!

また、採用強化にあたり会社説明会&交流会を開催いたします!
今回インタビューした中山と山中も、東京会場に登壇予定です!
一緒にゲームチェンジャーになってくれる方、ぜひISTへ!

会社説明会はこちらからお申し込みください。

【東京会場】
■日時
2021年12月18日(土)13:30-17:00(13:00受付開始)
■場所
宇宙ビジネス拠点X-NIHONBASHI(東京都中央区日本橋室町1-5-3福島ビル7階)

【大阪会場】
■日時
2022年1月29日(土)13:30-17:00(13:00受付開始)
■場所
IMV株式会社大阪本社会議室(大阪府大阪市西淀川区竹島2-6-10)

【名古屋会場】
■日時
2022年2月6日(日)13:30-17:00(13:00受付開始)
■場所
名古屋国際センター第一会議室(愛知県名古屋市中村区那古野一丁目47番1号 名古屋国際センター)

【募集職種】

各職種の募集要項などの詳細はISTウェブサイトへ!


次回は【僕たちロケット作ってます】ロケット設計のプロ 構造Gr 対談インタビューをお届けします。インターステラテクノロジズをフォローして、更新をお待ちください♩

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