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牧野 一志
2024年1月9日 14:05
ダイヤモンドダストがキラキラと流れ連なる微かな響きはオレンジ色に灯るロッジのつららがそっとハグしあう音
2023年12月20日 12:14
あの日の峠では多くのトラックがペケレベツ岳を横切るときにトナカイ橇のようにそっと飛ぶらしい クリスマスの夜は歓喜の歌に満ちた清水の町から峠を超える照灯が稜線に連なり見える
2023年12月13日 13:34
ねこやなぎが芽ぶき瀬にたゆとう小石のかすかにふれるめざめの囁き 夏にゆたかな藻をはみ早瀬に躍る 秋に新たな命をそっと託し抗う力もなく静かに流れに落ちる高く見えるすじ雲は紛れもなく遠い記憶に広がるゆうらっぷの空
2023年12月12日 12:24
広がり続く山すそを風が吹き渡り霧が駆け下る 冷涼な大気に牛は点々として紛れ斜面の草を食む
2023年12月12日 12:22
刷毛引きされた畑が波打つ丘の連なり 斜面は大きなうねり牧草ロールが漂い浮かぶ陽が落ち丘陵の空高く星々が瞬き拡がる
2023年12月12日 12:21
漁り火が揺れうねりを照らす 巻き上げられた烏賊は飛沫を上げ甲板で身を捩る その流線体に浮かぶ星々の集散投象は激しく変化し太古の記憶を次々と
2023年6月23日 09:50
朱色の円卓に冷えた桃の産毛が濡れている 旗袍の給仕は陽炎が渦巻く大陸の巫女 蜃気楼に揺れる落日が小窓を透しその横顔に朱を放つ
2023年6月22日 10:38
高く蹴り出し漕ぐブランコ風が耳元でなにごとか囁く 迫る青空にバラが香り立ち身を乗り出せばノームの庭の初夏が
2023年6月21日 14:28
どんどこ太鼓が響き風を呼ぶ囃子の音が賑やかに裸電球がでこぼこ揺れる カルメ焼きや綿飴の出店の境内を親子がそぞろ歩き木立がざわめく 犬は頻りに吠え猫は無関心に石堂の陰を忍び足 父は少し酔い母は微笑み声をかけるが何事か思い出せず潮騒だけが遠くで
2023年6月20日 14:05
機影が閃き一直線に天空を遙か 青空に溶解する金色の極点星座は陰に休みこだまする鳥の声
2023年6月20日 13:43
大岩をくぐると背後は苔の壁 狭隘な砂地を踏みしめ風の道を巡るわずかに壁を這い伝う水滴はまだ止まない驟雨 明るみを奥に回廊は続く
2023年6月20日 13:30
夜に木々は湖底で眠る 朝霧が吹き払われ樹林は青空の底でさざ波の音を聞いている
2023年6月18日 14:02
ワインの赤い滴りが石畳の坂を静かに流れ陽炎に微かに香り漂う旧市街の昼下がり
2023年1月6日 10:05
夜空に玉随の雪雲が軋み切り火を放す 閃光は四方に散り青く凍えて原野に舞い降りる