見出し画像

月経はイベントという考え方

昨今
「女性の生理について男性にも理解を」
というスローガン(?)のもと

生理の痛み、状態、メンタルについて性教育、
SNS等での発信が増えてきました。

男性に擬似体験をしてもらうことも
最近ではあるらしいです。
けっこう生々しくて引いてしまうほどですが。。

女性にとって生理はつらく、
とてもじめじめした気分で過ごすもの。
激痛や吐き気を伴う人もいます。

どれだけつらいか、痛いか、
どんな気持ちで過ごすのか、
男性には理解し得ない「感覚」を
少しでも理解してほしいと言ったところでしょうか。

そもそもなぜ日本では
最近になってそのような動きが始まったのか。

あまりに俄か過ぎて「え、今頃??」な感じで
個人的な違和感が未だ拭えませんが、

何も知らないまま誰にも言えないまま
「たかが生理」「甘え」「また?」と
一蹴、または見過ごされがちな
社会に対する主張なのかもしれません。

少子高齢化(むしろ超高齢社会)において
少しでも出産や育児に理解的な社会づくりを
目指すにあたり

しいては女性の一生に関わる「性」を
男性のみならず、多世代の女性とも共有したい
といった思惑がそこにはあるのかもしれません。

色んな世代の人がいますから
シニア以上が人口の半分を占める我が国では

「私たちの時代はそんなこと言えなかった」
「耐えるのが当たり前だと思っていた」
「食べていくのに必死で休んでいられなかった」
と言った声もあることでしょう。

「時代が変わったね」

裏を返せば
「私達の時代は寝込むとか許されなかった」

実際、日本は世界から見ると
とても不思議な国民性なのだそう。

最新の情報にすこぶる疎かったり、
世界の常識が浸透するまで時間がかかったり、

その中の一つに
生理に対する理解の遅れがあることも
考えられるかもしれません。

これは私の体験ですが
7年前、
栄養専門学校時代に仲良くなった
留学生の女の子と度々生理について
意見交換をしてきました。

彼女の出身国では生理が来ると、
家族が「くれぐれも体を大事にしなさい」と
父親までも娘を気遣い、
鉄分たっぷりの滋養スープ、

生理が終わった後は
「無事に終わったかい?」と
さらに栄養をつけるよう促してくれたんだとか。

もちろん必要なら休暇も取って良いし
同居家族が生理の場合もしかり
お母さん、姉妹が生理になった時も同様です。
家族で体を労わりあう習慣があったそう。

「日本はそうじゃないよ」
「生理で栄養をつけなさいとか言われたことない」
「お腹が痛ければ薬を飲んで痛みを抑える、
生理ぐらいで仕事や学校を休むなんてできない」
と言うと
「なぜ!?!?」とびっくりされました。

「大事にしなきゃいけない日だよ!」
「イベントだよ!」
と彼女は感情たっぷりに私にそう言い、

「男子には言わなくていいけど(いや、当たり前)
私にはちゃんと言いな、フォローするよ!」と
励ましてくれた彼女にどれだけ心強さを
感じたことか。。

日本って
自分が思っている以上に
保守的で根本の部分に蓋をする慣習なのか…と
あらためてびっくりさせられました。

実は彼女だけでなく
20年以上前に近所に引っ越してきた
イギリス人家族にも同様のことを
言われたことを思い出しました。

日本では「恥ずかしいから隠す」。
海外では
「大小の排泄と同じくらい”当たり前の生理現象”」と
捉えているのですね。

当たり前のことだからこそ
体をいつもより労る、栄養をつける。
いつもより早い時間に休む。

生理を「邪魔で鬱陶しいもの」「仕事の妨げ」
とみなして薬で痛みを抑えるのではなく、
イベントのようにポジティブに捉えるべきなのだと

それが生命の健やかな誕生と循環に
繋がるのだと認識を変えさせられたのでした。

今でこそ男女平等はすっかり当たり前になり、
ジェンダーに対する理解も深まりつつあるとは言え
女性は男性より下に見られていた時代があった
ことを思うと、
神様が生物を男女(♂と♀)に分けた意味とは…?
と考えずにはいられないのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?