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「ちゃんと使われるものを作る」を再挑戦するために。PdM→休職、復帰、転職を経験した25歳プロダクトデザイナーの今

こんにちは。プロダクトデザイナーの柿嶋です。2019年から新卒で入社し約4年在籍したAI系スタートアップのエクサウィザーズを離れ、カミナシというスタートアップにジョインしました!

入社して3ヶ月が経ち、「入社エントリー」っぽいものを書いてみます。
とはいえ前半は、カミナシのバリューの1つである「全開オープン」に背中を押してもらって、前職での経験や、体調を崩してしまった話なども赤裸々に織り混ぜて書いています。
後半では、カミナシに入ってみて実際どうか?今何をやってるのか、これからどんな挑戦をしていきたいか。などをシェアしていきます。

・スタートアップでのプロダクト開発 / デザインに興味・関心がある
・キャリアをどうしようか考えている(若手の方、デザイナーの方)
・「休む勇気」と「再挑戦」のとあるエピソードを覗いてみたい

👆みたいな方に少しでも何か気づきになることがあれば嬉しいです。
※カミナシのことだけ読みたい方は、目次の3.4からお読みください!


1. 自己紹介

柿嶋夏海🦦
1997年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部で、社会学、エスノグラフィやフィールドワークを研究手法としたコミュニケーションデザイン、インクルーシブデザインなどを学び、卒業。在学中はslush tokyoのCOOを務めた。

2019年、新卒で株式会社エクサウィザーズのデザインチームに参画(当時シリーズA)。介護記録AIアプリ「
ハナスト」のプロダクト開発において、UIUXデザイン、UXリサーチ業務を経験し、​2021年以降、同プロダクトのプロダクトマネージャーを担当。同年に上場を経験。
その後、デザインコンサルチームに異動し、大手自動車メーカーや電力会社の顧客課題解決に向け、AIを活用したサービスデザイン企画においてUXデザインを担当。

2023年5月からは、カミナシで、プロダクトデザイナーとしてプロダクトの新機能の企画・プロダクトデザインを担当。

猫2匹と暮らしてます。マイブームは鹿肉。ISFP

2. 自分を大事にしながら働きたい(キャリアについて考えた)

前職:デザイナー、PdMとして本気でプロダクトに向き合った

2019年、新卒でエクサウィザーズにジョインし、立ち上がったばかりの介護現場向けのAIプロダクト開発のチームに入りました。元メルカリ出身の圧倒的師匠であるPdMとUIデザイナーの先輩たちとの出会いに恵まれて、「ちゃんと使ってもらうプロダクトを作るということはどういうことか」を日々実践しながら学ばせてもらっていました。(とはいえ正解なんてないけど)

入社してすぐ、MVPを用いて「その課題が本当か?それはこの解決策で解決できそうか?」の検証を繰り返し、入社3ヶ月経ったころにはプロダクトを正式ローンチをするという、まさにザ・スタートアップのスピード感の中、とにかくアウトカム達成に必要そうなこと、できそうなことをなんでもやってみる状態で突っ走ってました。(UIUXデザイン、UXリサーチ、PdMと二人三脚で企画/Discovery、LPの情報設計、コンセプトムービー作成、CS目的での現場訪問、業務提携先とのコミュニケーションなど色々やりました)

そして、入社1年が経った頃、背中を見続けていた先輩PdMが卒業することになり、急遽近くで伴走していた自分がプロダクトマネージャーを担当することになりました。不安でしかなかったものの、絶対プロダクトを成功させる、介護業界の課題をまじでどうにかする。自分達にかかってる。って本気の本気で覚悟を決めたのを今でも覚えています。

そこからは、毎日分からないことの方が多い前提で学びながら走り続け、上場という貴重な経験をさせていただいたり、PSFの達成を実感し始めて、プロダクト開発の面白さ(難しさ)にどっぷりはまっていきました。

しかし、入社3年目を目前にして、先輩PdMの代わりを担う責任感、未熟な自分への過度な期待と焦燥感、上場前後のプレッシャー、音声認識(日本語)の精度という変数が絡むプロダクト開発の難しさ、コロナ禍リモートワークで壁打ち相手が限られていたこと、人間関係のストレスなどが積み重なり、徐々に体調がおかしくなって、気づいた時には仕事ができない心身になっていました。(適応障害、自律神経失調症、低音障害型官能難聴などの診断を受けました)

休職して、丁寧に自分に向き合った

診断された時は、何が起こったかよく分かってませんでした。タフな私が?休職しないといけない?むりむり、プロダクトこっからなのに!そんな無責任なことしたらもっと病む…ってかキャリアどうなるんだろう…をぐるぐる。

ただ、幸い周りには自分と同じような体調を崩して休職経験のある人がいて、本気で寄り添って「大丈夫だよ、ゆっくり休んでいいんだよ」「戻る場所はいくらでもあるし、戻んなくたっていいんだよ」の言葉をかけてくださりました。あとは、休職関連のnoteや本を読み漁り、「休む勇気」の後押しになる情報を集めまくりました。
(ドストレートではないですが、当時衝撃受けた本↓)

そのおかげで結果的に、4ヶ月休職し、療養しながらも、徐々に元気な時が増えてきたら、コーチングや、呼吸、ヨガ、座禅、写経などのマインドフルネス手法を取り入れながら(当時逗子鎌倉エリアに住んでいたので、自然とそういうものに触れやすかった)

・自分はどんなとき楽しくて、どんなときに嫌な気持ちになるのか
・そんな自分を大切にするってどういうことか
・どんな考え方が自分を守りそうか
・自分は、今、何をやりたいかなあ。。。

などについて、丁寧に向き合ってみることにしました。

余談)当時の北鎌倉の円覚寺での写経。願い事を書く欄に「今ここの呼吸」って書いてました。
寺での学びの受けよりですが、大人になった私たちは、だいたい「過去の反省か、未来への心配」で思考が埋め尽くされているそうです。その思考を止めて、「今ここにある呼吸だけに向き合うこと」をできるようにすること。それもスキルであり、体得するには一定の訓練が必要みたいです。(まだ練習中)

自分の健康。その礎は安心感。それが守れてこそ、良いチームやものづくりが生まれるかもしれない

丁寧に向き合って、自分を見つめ直して、粒度や切り口はバラバラですが、少しずつ分かってきた自分のこと、大切にしたい価値観みたいなことはこんな感じです。

#安心感があると良さを発揮しやすい
人の感情や雰囲気を敏感に読みすぎて、考えすぎて、空回りすることがある。お互いをよく知った状態で、間違ってても大丈夫と思い合える状況で自分の良さを発揮しやすい。

#人間は相互作用。自分のケアが相手のケア
相手の言動は自分の言動の鏡でもある。自分へのケアが相手のケアになる。
アジャイル宣言の1つの、Individuals and interactions over processes and tools(個人と相互作用をプロセスやツールよりも重視する)にもあるが、ものを作るのは結局人間のチームであり、そのチーム(を組成する1人1人)がいい状態の方が、いいものが生まれやすいと信じてる。だから、どんな時も自分が穏やかでいれるよう、ケアを怠りたくない。

#どんなに頑張ってもアンコントローラブルなことはある
人は変えられない。でも自分は変えられる。課題を解決したいと本気で思っても、小さな肩に地球規模の責任を背負わなくていい。体調悪い日の自分もいる。1つずつ受け入れて、変えられないことに執着しない。

いろんな考え方があると思うので、あくまで私が今信じてることという捉え方をしていただければ

そして、休職を経て、プロダクト開発から離れたチームに復帰しリハビリをしながら、少しずつ自信を取り戻して、次のキャリアを考えていく中で、
「ユーザーへの手触り感があるプロダクト開発はやっぱりめちゃ面白かった」「あの時やりきれなかった、ちゃんと使われるものを作ることにもう一回再挑戦したい」と思うようになりました。

そこで、環境を変えて、再チャレンジするために、次の挑戦の軸として以下を置きました。

◉What & How
・社会や業界の仕組み、構造自体を大きく変えていく挑戦(課題解決)、それを自社のプロダクトで実現しようとしている
・「消去法の選択・意思決定を減らす」という自分のものづくりの原点に共通するテーマがある

with Who
・それを本気で実現しようとしてる熱量を持っていて、安心感のあるチームを築きながら、コトに向かって健全にコミュニケーションできる人が集まっている

As a Designer? PdM?
・デザイナーになるのか?PdMになるのか?一旦職種でキャリアを決めきらず、どちらの可能性も狭めることなく「使われるものを作る」ために必要な武器を集めていける
・これまでの経験を活かしつつも、更にできなかったことに挑戦し続けられる

この軸を基に、職種は絞らずに様々な企業と対話させていただき、実際にいくつかプロダクトの課題を一緒に取り組むなどの転職活動を経て、
上記で書いた軸のバランスが良いのはもちろん、最後はとにかく安心感を感じたことと、まだまだ未熟な自分をとにかく信じて、「あなたは年齢的には若いけど、これまでの経験からして、カミナシに何かを学びに来る人ではなく、代表作を作りに来るひとだと思う。一緒にいいものを作ろう」と本気で言ってくださるメンバーの皆さんの熱量の高さに惹かれ、カミナシを選びました。

設定した軸と自分のwill、それを実現するのになぜカミナシじゃなきゃいけないのか、を当時整理していたfigjam

3. カミナシの心理的安全性の高さと、健全にコトに向き合うチーム

実際入ってみてどうか?
結論から言うと、カミナシの人、チーム、自分がやりたいことをやれてるかなどに対して、本当に入社前の期待とギャップがないです。(むしろ体感してプラスに感じる)

面接時にデザイナーやPMの皆さんから感じた、圧倒的安心感、心理的安全性の高さは、カミナシのどのメンバーと話しても感じられて、その基盤の上で職種問わずユーザーの課題に向き合って、コトに向かった健全な会話をしながら、日々仕事できているなと思います。
(言語化しづらいんですが、文語でも口語でも、みんな優しさやリスペクトを相手に伝えるのがうまい?し、些細なことに思えてもそういう表現の積み重ねってチームの雰囲気を維持するのに重要だと思うのです)

プロダクトに関しては、思ったより機能が多かったり複雑だったり、負債になっている部分があったりしますが、まだまだ不完全な状態でも、着実に使ってくださるユーザーがいて、事業として成長していることは、コア(&ミニマム)な価値を少しずつお届けできている証拠であり(もちろんまだまだですが)、むしろ改善すればもっといいものになるし、自分がデザイナーとして貢献できる箇所はたくさんありそう!と捉えています。

今やっていること
そして、入社してから3ヶ月間は、プロダクトデザイナーとしてデザインチームに所属しながら、ノンデスクワーカー向けに提供している既存プロダクト「カミナシ」のスクラムチームに入って、新機能の企画、そのための仮説検証、UIUXデザインや、リリース済みの機能のUX改善、デザインシステムの設計などをやっています。

プロダクトデザイナーとして、製品として提供するインターフェースの設計まで責任を持つという、前職でがっつりやってこなかった未踏領域に挑戦しながらも、自分が好きな領域である、PMの方と一緒に課題の探索フェーズから、その課題は本当か?どうしたらコスパよく課題を解決できるかを日々一緒に考えつつ、広義なデザイン業務に携われていて、

キャリアを長い目で見て、デザイナー/PMとして、など線を引かず、あらゆる可能性を狭めることなく「使われるものを作れる人になる」ために必要な武器を集めていけそう

そんな環境にいれていることに、とっても感謝しながら、日々少しずつ確実に成長し続けたいと思っています。

デザインチームの皆さんが歓迎会をしてくださりました🐥

4. カミナシでプロダクトデザイナーとして、挑戦していきたいこと

月に1回、デザインチームでオフサイトをやっているのですが、先日改めて今のデザインチームのAs-isとTo-beを可視化しました。

figjamはみんなでデコりがちです
「カミナシを知ってから、カミナシを使うまで」のストーリーにおいて、デザイナーがやるべきことをAs-isとTo-beでプロット

自分が書いた付箋の一部をピックアップすると、こんなことを書いていていました。

もちろんこれまでも、カミナシはバリューの1番に「現場ドリブン」を置いているほど、ユーザーと現場に向き合うことの重要性をとても理解してる組織であり、そのマインドセットを持っていることがデフォルトであるとは思います。

その前提の上で、今後更に、組織として仮説検証の精度を高めていき、できるだけ使われないものを正しく作りきらないために、そして作ったものが本当に課題解決になっているかの検証し、作りっぱなしにしないためにも、1手段としてDiscoveryとリリース後の両方のフェーズにおいて適切なUXリサーチを行えるチームになっていきたいし、その重要性を理解しながらも実践のハードルを下げて再現性を高めるていける仕組み作りをデザイナーとしてリードしていきたいと思っています。

5. さいごに

最後まで読んでくださりありがとうございました!
カミナシは今後、マルチプロダクト化を目指して、どんどんプロダクトと組織を拡大していくフェーズにいます。
一緒に働く仲間を募集しています!是非覗いてみてください🐐

そして、、私に休む勇気をくださり、急がずに再挑戦を見守ってくれた友人、一緒に住んでたソウルメイト、前職の同僚の皆様、家族、相談に乗ってくださった全ての皆さまに、この場を借りて心から感謝を伝えたいです。本当にありがとうございました!


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