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2022年11月の振り返り。日記を毎日書いた

11月は前半東京、後半は兵庫県あたりをうろちょろ。そして日記のようなものを毎日書いた。1週目だけやたらいいねがついたのはなんでなんだろう。

以下、感想文。やはりワーケーション中は本があまり読めない。

もののけ姫

先月熊野古道の山でもののけ姫を思い出し、久々にTSUTAYAで借りた。

なんとなく英語字幕をつけてみたら、もののけ姫はアシタカとサンのラブストーリーであることが顕著。子どもの頃は素直に友情として見ていた。でいだらぼっちの英語はNightwalker。

えぼしさまは村人想いで、自分なりの正義がある人。むかつくけど悪人ではないし、なんなら今の人間がやってることは愛のないえぼしさまともいえるわけでよほどタチが悪い。

調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 /斉須政雄

料理人の斉須さんがフランスで修行を始めてから日本でお店を開くまでを綴った本。

最終章がとてもよかった。専門職として生きるための金言がたくさん。「生き方は才能が発芽するためのバリア」は本当にその通りだと思う。才能に合った生き方を選べるかどうかが明暗を分ける。

印象的だったのは「自然体で生き抜く強さと、生きていく上での感謝」。最近こんな感じのことが少しわかってきたような気がしている。

深解釈オールナイトニッポン ~10人の放送作家から読み解くラジオの今

好きなことややりたいことに向かって、不器用でもダサくてもカッコ悪くても、バタバタくらいついていけば夢の場所に行ける。そんな放送作家さんたちのお話。

寺坂直毅さんのパートにあった「中を見て嫌いになるのは、ハッキリ言って好きが薄い」の説得力。「好きなことを仕事にして、嫌いになっちゃったらどうしよう」のベストアンサーだと思う。嫌いも包み込んでこそ愛。

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 /カズオイシグロ

音楽と男女の不仲、才能がテーマになった短編集。

それぞれおもしろかったけど、各話に出てくるほとんどの登場人物のことが嫌いだった。みんな自分勝手。才能を追求することと自分勝手は切っても切り離せないのかもしれない。

コメディとして楽しく読めばいいものを、ハラハラする場面でしっかりドキドキしてしまう。自分の根の真面目さと小心を感じる。

かか/宇佐見りん

10月に行ったばかりの熊野が舞台の話らしいと妹が教えてくれたので手に取る。

なんでこんな話が書けるんだろうか。古い雰囲気の文体でSNSに依存する現代の女の子が描かれていて、うーちゃんの切実さに苦しくなる。

「異国というのはそもそも長く滞在すると消えてしまう架空の場所です。〜記憶と想像のあわいにしかないような場所」とか、「すべてのばちあたりな行為はいっとう深い心身の裏返しです。〜そのばちあたりな反抗は、何か理解を超えた力があるという前提に立ってこそ存在しうるんです」「ばちあたりな行動はかみさまを信じたうえでちらちらと顔色をうかあがうあかぼうの行為なんでした」とか、いちいち表現がすごい。

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