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佐世保でなんとなく聖地巡礼
佐世保を舞台にした村上龍の小説「69」を読みながら、せっかくだから佐世保に行ってみようと思いたち昨日レンタカーを予約した。佐世保は大学生の頃に行って以来。佐世保バーガーを食べたくらいの記憶しかない。
長崎市街地の途中、一生右折できなくない???という道があった。道は狭く、右折先は線路で、線路の向こうからはたくさん車が来る。信号が青になっても踏切が開かなければ当然進めない。信号が3周するまで待って諦めた。
佐世保の海上自衛隊の展示をチラ見。第二次世界大戦で失った戦艦と終戦時に残っていた戦艦の数をまとめた図があり、終戦時の日本が本当にボロボロだったことがよくわかる。
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砕氷船しらせのコーナーもあった。ワーキングホリデーでオーストラリアにいた頃、シドニーに寄港したしらせに取材へ行ったことがある。今思えばとても貴重な経験。いただいた記念の枡もたしかまだうちにあるはず。
佐世保駅の辺りに車を止め、小説の舞台であろう村上龍の出身校まで歩く。「ここがケンとレディ・ジェーンが歩いた坂……」とうきうきしていたら正面から下校中らしい女子高生が2人。共通テストの話をしていて、臨場感があってめちゃくちゃよかった。
学生の部活動の功績を讃える垂れ幕には英語弁論部の文字があり、「今もあるのか……!」とジーンとしたが、よく考えたらレディ・ジェーンが所属していた英語劇部と、マスガキたちが弁論をしていたのを勝手に脳内でがっちゃんこさせていただけで、英語弁論部は作中に出てこなかった。
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ケンたちは佐世保駅の上にある北高全共闘のアジトでバリケード封鎖の作戦会議をする。ここで言う「上」は坂の上。佐世保駅を背にすると本当に坂の上に建物がたくさん。「あの辺りが布団とまくらとティッシュペーパー……」と昨日読みながら笑ったくだりを思い出す。
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西側の海沿いを夕陽を眺めながら帰ろうと思いきや、夕陽は背中側。時々振り返ったりミラーに映る夕陽を眺めたりしながら、雰囲気を満喫。お手軽で融通のきく性格でよかった。
なぜか途中スマホの充電ができなくなり、辺りが真っ暗になった頃にバッテリーが切れる。車のラジオは電波がうまく入らず、暗闇の中で不明瞭な声が時々聞こえるのはめちゃくちゃ怖かった。
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カウンターにおばんざいが並ぶタイプのお店でサクッと飲む。家族経営で、店員の若い子はおそらく娘さん。狭い店内で、家族で仕事して、それでいて和やかなのがすごい。実家に置き換えて考えた結果、そもそも父の姿が店になく、前提が成り立たずに想像は終わった。
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ナスの揚げ浸しはナスの色がとてもきれい。一度揚げて、湯通しして、その後炊いているのだそう。家じゃ絶対やらないひと手間。
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春の味覚だという鯛の白子と卵を炊き合わせをおすすめいただく。いわば精子と卵子の炊き合わせ。この小鉢で何匹の鯛の子が産まれるはずだったのだろうか……と生命に想いを馳せる。
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