炒めものとベースメイクの共通点⁈ここまで美味しい「豆苗炒め」#46
|炒めるだけでここまで美味しいの!?
セミが鳴く時季が訪れました。
外に出るとムワッとからだに体当たりしてくるような熱風。アジアの国を旅するなら、こんな蒸し暑さも思い出になるのに…。
こういう時は、なるべく短時間で作れる美味しいものを食べたいものですね。
そんなわけで、今回ご紹介するレシピは、野菜だけの炒め物。
原型になったのは、3年前に台湾で食べた空芯菜炒めです。他にも美味しいものはたくさん食べたはずなのに、どんな料理よりもわたしの頭の中に焼き付いています。
蒸し暑い屋台で食べた熱々の空芯菜炒めは、ただ炒めただけとは思えないほど複雑な旨みを放って、スルスルと胃の中におさまっていきました。
食べ終わった後、あまりに感動しちゃったのです。
「あの複雑な旨味は一体どうやって作るんだろう?じぶんでもこんなに美味しい炒め物を作りたい…!」と屋台のおじさんの動きをしばらく観察していました。
その後、家に帰って何度も何度も作ってみてわかったんです。炒めるだけでここまで美味しいヒミツが。
空芯菜だと買える季節が限られるため、日本で季節を問わず作れるように、複雑な旨みを誰でもかんたんに味わえるようにアレンジしました。
では、レシピにまいりましょう!
|材料
豆苗 1袋(または空芯菜)
みょうが 1個
(*なければ豆苗や空芯菜だけでもOK)
ニラ 60g程度
(*なければ豆苗や空芯菜だけでもOK)
酒 大さじ2(またはだし)
油 大さじ2
塩 ふたつまみ
たかのつめ 適量
にんにく 1かけ
|作り方
豆苗1袋(または空芯菜)
ニラ60g程度
それぞれを食べやすい長さに切っておきます。
みょうが1個は、薄くスライスします。
また、あらかじめ盛り付け用のうつわを準備しておいてください。できてから準備すると、余熱でどんどん火が通って色も食感も悪くなってしまうのです…!
フライパンに、
油 大さじ2
包丁の背で潰したにんにく 1かけ
たかのつめ 適量
を入れて、にんにくのまわりに小さな泡がたつまで中火で熱します。
バサッと全ての野菜を入れて、強火で熱します。触らずに、チリチリと底の野菜が焦げるような音がするまで待ちましょう。
お好み焼きをひっくり返すような感覚で菜箸を使って底から一度大きく返します。
ひっくり返したら、また底のほうがチリチリ音を立てるまで待ち、火が通ってなさそうな箇所を中心にもう一度ひっくり返しましょう。ここまでで触るのは2回です。
ふだん、炒め物をする時ってもっと触っちゃうと思うんですが、我慢してください!その方が美味しく作れますから。
たった2回ひっくり返しただけで、ここまで火が通りました。
次に、酒 大さじ2を入れましょう。ジュワッと蒸発して蒸し焼きになり、フライパンにくっついてた野菜旨味もはがれて染みるんです。
ここで酒の代わりにだし大さじ2を入れると、旨みがアップして美味しいです。特にかつおだしや、豚しゃぶなどした時のゆで汁など動物性のだしがおすすめです。
台湾の屋台のおじさんは、おそらくここで豚のゆで汁を加えていました。
塩ふたつまみを入れたら全体を大きく混ぜ、すばやく火を切ります。
すぐにうつわに盛り付けましょう。余熱でどんどん火が通って色も食感も悪くなってしまうので、先にうつわを準備しておくといいですよ!
塩加減は、野菜が引き立つ量にしてあるので、もう少し濃いめがいい方は増やしてくださいね。
|炒めものとベースメイクの共通点
豆苗だけで炒めても十分に美味しいのですが、みょうがの爽やかさとニラのパンチが立体感のある旨みを作り出してくれるんです…!
さらにほんのり薫るニンニクが全体をまとめてくれています。
例えるなら、ファンデーション(豆苗)だけでもキレイな肌になる。
けど、ハイライト(みょうが)とシェーディング(ニラ)をうまく使うと、肌がキレイなだけじゃなく立体感と表情に動きが出て「え!?これわたし?」と見入ってしまうくらい別人級の顔なのですよ。
そして、ちゃんと下地(にんにく)を塗っているから全体の仕上がりが良くなるわけで。
ね?こうやって例えると、ちょっと面倒でも豆苗だけじゃなくみょうがやニラ、そしてにんにくと一緒に炒めてみたいと思えませんか?
|発酵調味料・旬ごはんの食材別レシピ索引
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