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“具”って男と結婚してしまった。

現在の日本の法律では、夫婦は同じ姓を名乗る必要があり、別姓は認められていない。

しかし私は物心ついた頃から、
「結婚するなら、どんな苗字がいいかな~」
なんて事を呑気に考えていた。

初めて好きになったアイドルとなら「松本夏子」
甘々ボイスの歌手となら「堂珍夏子」
2メートル越えのバレー選手となら「山本夏子」

どれもあまり気に入らない。というか、普通すぎる。つまらないのである。

どうせなら珍しくて素敵な苗字が良いな!と
道明寺早乙女など三文字の苗字を考えてみたけど、そんな苗字の人に出会った事は一度もない。(沖縄出身なので喜屋武や具志堅はあるのだけど、これではない)

2018年、私はついに結婚することになる。

私の夫となる男の苗字はなんと、"具”だ。
彼は韓国に住んでいる韓国人で、私は彼と結婚して韓国に嫁ぐことになったのだ。

私は当時既に韓国に住んでいたので、まず韓国で婚姻届を提出。そして次に韓国にある日本大使館で日本の婚姻届を提出して、大使館が日本へ郵送してくれることになった。

引越し、ビザの変更なども同時に準備していた為、かなりバタバタしていた私。
そんな時に、あの選択をしなければならなかったのだ。

苗字をどうするのか。

韓国では夫婦別姓である。韓国人は血の繋がりを重んじている…などの理由がるそうなのだが、別性が普通の普通なんだそうだ。
しかし私たちは国際結婚なので、どちらか選択することが出来るらしい。

…具夏子になるの…?私…?

「結婚したんだ!苗字何になったの?」
私「具だよ」


「苗字の漢字はどういう漢字でしょうか?」

私「味噌汁の具の、具です」

私は”幼い頃の憧れ”を諦め、これからも今までの苗字で生きることになった。








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