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刹那いゆらめき

涙を隠す前髪をかきあげて
ほんの一瞬だけ触れた唇
震える君の温もりを伝えて
寄せ合う肩 言葉にならない

ためらいは少しだけ
静けさが二人を包みこむ

重なり合う二つの影
雨の日の部屋の暗がりに溶けてゆく


最初で最後の夜は
無言の約束を曖昧に包み込んで
終わらない心のゆらめきだけ残して
離れる指先 言葉が出ない

戸惑いは少しだけ
温もりが記憶を繋いでく

手を伸ばしても届かない
雨の日の濡れた心に涙の雫


最初で最後の夜が
無言の約束を連れて来て

最初で最後の夜は「サヨナラ」と呟いた



Words written in 1995.
from "黒歴史ポエム"


過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。