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【Permaculture】農的暮らしの永久デザインとその倫理


『パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン』

ビル・モリソン著

パーマカルチャーというのは、人間にとっての恒久的持続可能な環境をつくり出すためのデザイン体系のことである。パーマカルチャーという語そのものは、パーマネント(permanent永久の)とアグリカルチャー(agriculture農業)をつづめたものであるが、同時にパーマネントとカルチャー(文化)の短縮形でもある。文化というものは、永続可能な農業と倫理的な土地利用という基盤なしには長く続きえないものだからである。パーマカルチャーには、植物、動物、建物、および(水、エネルギー、コミュニケーションなどの)生産基盤などを扱う側面もある。しかし、パーマカルチャーはたんにそれらの要素そのものに関わるものではない。むしろ、それらの要素をその場所の中にどのように配置するかによって、各要素間にどのような関係を作り出せるかを扱うのである。

(パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン 序章より引用)

パーマカルチャーはしばしば農法と勘違いされがちですが、著者によればこれは農法にとどまらず、暮らしを取り巻く環境をデザインしていくとです。

自然に逆らうのではなく「自然に従う」という理念があり、徹底した自然システムの観察を基盤とした「デザイン」がパーマカルチャーです。

その目的は、『生態学的に健全で、経済的にも成り立つ一つのシステムをつくり出すこと』であり、搾取や汚染のない持続可能な暮らしを目指します。

生態学的に健全とは、「自然の再生サイクル(リジェネレーション)に配慮し、環境に負荷がない」という意味に解釈できます。

つまり、パーマカルチャーは、リジェネレーションを取り込んだ環境のデザインなのです。

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これまで、地域に根差した食料システムやコモンズについての記事を投稿してきました。

これらの動きも、結局のところ、この『リジェネレーション』に配慮したものでなくては、「環境にやさしい」とか「持続可能」とか声高に言えないのではないかと思っています。

そこでこれからは、パーマカルチャーの理論について、ビルモリソンさんの著書を基に少しずつ投稿していきます。

これは私が、近い将来パーマカルチャーを始めるための準備になります。

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パーマカルチャーの倫理(P.9)


パーマカルチャーの倫理の3つの側面

地球に対する配慮

すべての非人間(土、水、大気、動物、森林などの生物・無生物)に対する思いやりをもつこと。害を及ぼさないだけでなく再生を意識した行動をとること。

人々に対する配慮

人間の基本的欲求を満たすこと。基本的人権を守ること。

余った時間、金、物質をその目的に合わせて使うこと

自身の欲求が満たされたら、残ったエネルギーはほかの人が同じように暮らしをデザインするために与えること。


この倫理は、私たちが現代社会において見直すべき非常に重要なものであるような気がします。特に3番目の贈与の考え方は、これでもかとため込む人間に対して警告を鳴らしているように思えます。

『肝心なことは、「競争」ではなく「協力」なのである。』

パーマカルチャーは、自然と人間のかかわりだけでなく、人間同士のかかわりについても内包する倫理を有しています。

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Wikipedia BIll Molisonより引用)

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この倫理を実現させるための重要な視点がいくつもあります。

例えば、

常に長期的な視点を忘れないこと。

自分の行動が外部環境に対してどのような影響を与えるのか常に考えること。

最小限の広さで事足りるようによりエネルギー集約的なシステムの構築に専念すること。

すべてを最大限に生かし、無駄をなくすこと。

などです。


すべてが循環し再生する環境のデザインというと非常に壮大で困難に思えます。しかし、私たちはできることから始めればよい。そんなポジティブな姿勢もこの本の冒頭から読み取れます。


とりあえず何かやってみようと発信するソーヤー海さん。私がパーマカルチャーを知るきっかけになったのはこの方の著書がきっかけでした。

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以上、パーマカルチャーとその倫理について、『パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン』からの学びでした。

こちらもおすすめの関連書です。

そして、パーマカルチャーを知るのにおすすめの映画。


それではさようなら~

池田夏香

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