見出し画像

ADHDと共生する

こんにちは。ぱるむです。
今日は発達障害の人と一緒に生活することについて考えます。
ここでは、ADHDにフォーカスして話します。


発達障害とは
広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など、脳機能の波多津に関係する障害です。
他人との関係づくりやコミュニケーションがとても苦手です。
しかし、優れた能力が発揮される場合もあります。
発達障害の3つの特徴として、「社会性の障害」「コミュニケーションの障害」「想像力の障害」があげられます。
最近よく聞くようになった、社会不適合者、社不、といった言葉の多くは発達障害を持った人が使用している傾向にあると思います。

発達障害は一見、その人の努力不足で社会になじめていないように見えます。しかし、脳の機能が他の人と違うというだけで、決してその人を中傷していい理由にはなりません。

逆に言うと、発達障害とはグラデーションのようなもので、その症状の強さは人それぞれです。
そのため、少し努力すれば改善できるのに発達障害の名前を引用して自分を擁護しようとする人が増えている印象もあります。
これは、本当に発達障害で悩んで苦しんでいる人への印象を下げる行為になります。
障害を理由に向き合うべきことから逃げる行為を問題視しています。


発達障害の二次障害
多くの発達障碍者は二次障害を発症します。自分の持っている障害に悩み、鬱、反抗挑戦性障害、素行障害、不安障害、適応障害などを併発します。
そのため、相手を非難したり、原因追及したりするのは、彼/彼女らにとって悪い影響を与えます。


カサンドラ症候群
カサンドラ症候群を知っていますか。
身近に自閉スペクトラム症(ASD)の人がいることで、適切な意思疎通や関係性を築けない心的ストレスから、不安障害や抑うつといった状態になることを指します。
ASDの方を支援している中での苦しみを周囲の人に理解されず、孤立した状態に置かれることが大きな原因であると考えられています。


ここからは、カサンドラ症候群という言葉をASDに限定せず、あらゆる発達障害に当てはまる言葉として使用します。

元恋人とは約1年半お付き合いをしました。そのうち、断片的ではありますが1年ほど同棲していました。
彼は本当に深刻なADHDでした。
高校は慶応志木高校。高校受験では適当に勉強したのに入学できたそうです。自頭は本当に良かった。口論では巧みに論点をすり替えられたり、私の無知さを馬鹿にしたり、勝てませんでした。
しかしそこで2留。ついにはその高校を卒業できず、二週間勉強して私と同じ大学に入学しました。

その日は一緒に旅行に行く日でした。
ADHDの人は、集中が途切れやすかったり、興奮しやすかったりするらめ、夜間に脳が過度な活動をしてしまいます。そのため、適切な時間に眠ることが難しくなったり、深い眠りに入りにくい可能性があります。

案の定彼は寝坊をし、私は先に駅に着きました。
LINEで「俺の財布知らない?」
と言われたので、
「知らないよ、かばんかポッケじゃないの?」
と送信すると、無事発見したと連絡がありました。
20分後、駅で合流し改札をと通ろうとすると、
「財布が無い」
と言い出しました。
財布を無くし、それを見つけたのですが、かばんに入れるのを忘れたのです。
さすがADHD。

1時間以上待ったけれど、彼を責める気は起きず、ただただ彼の機嫌が悪いまま旅行をしたくないと願うばかりでした。


彼の精神的な状態は「財布を取りに帰るのがめんどくさい」「どうして忘れ物をしてしまうのだろう」「なんで毎回うまくいかないのだろう」と自分を責める気持ちと、旅行に対するネガティブな気持ちでいっぱいだと思います。
私の精神的な状態は、「なんで一時間も待たせられるんだろう」「彼を責めたいけど、それは良くないことだよな」「じゃあこのモヤモヤどこにぶつければよいのだろう」「このまま彼の機嫌が悪いままだったらどうしよう」と彼に振り回されている悲しい気持ちを堪えなければいけない気持ちと、彼のメンタルケアをしなければいけないという気持ちがありました。


発達障碍者の方、とくにADHDの人と関わっていく中で、一番つらいことは自分がぞんざいに扱われているような感覚になることです。
遅刻、忘れ物、一緒に話していてそわそわしている態度、目先の利益や欲望に目移りしてしまうことなど、どうしてもADHDの人では制御できない部分で、周囲の人を雑に扱ってしまうことがあります。
そして、ADHDの人は鬱になりやすく、さらに周囲の人の支援を必要として負のスパイラルに陥ります。

私は彼が好きだったので、ADHDが原因で失敗をしてしまう、大学では特に単位が取れない、私とのデートを当日リスケする、などをすべて許容していました。そしてやんわり改善案などを提案していました。
また、病院に行くことを勧めました。
やはり、服用することである程度症状が緩和される場合があるそうです。

ADHDは極度のめんどくさがり屋です。
私の助言や通院の勧めも、全て「めんどくさい」で一蹴されました。
そして、私が彼のすべてを受け入れてしまったからこそ、私に甘えるようになったのです。
家事、掃除、洗濯、料理、大学の代理出席、課題など様々なことを頼んできました。

やっかいなことに、彼はモラハラだったので私はよく暴言をあびていました。
「お前みたいな女と付き合ってやれる男は、俺くらいしかいないよ。俺と別れたらお前後悔するよ。」
私はもともと自己肯定感が低く、日ごろ彼が私の欠点を言っていたため、上記の言葉を信じ込んでいました。
そのため、彼が私にお願いすることを頑張ってこなしていました。
彼のお願いをやらなければ、彼に振られると思っていました。
振られなくとも、機嫌が悪くなってしまい八つ当たりされるのが怖かったのです。

今思うと、彼はすこしASDも入っていたのかもしれません。
彼が選ぶ言葉は、本当に人に対して投げかけるようなことが出来ない言葉ばかりでした。

理解してくれない、会話ができない。
私はあなたのADHDも言動も全て許容しているのに。

そのため、大学2年生は慢性的な鬱状態でした。
会話ができないことの恐怖。
彼に振られたら後悔する、一生恋人ができないという洗脳。


もちろん、この例は一人の人物を取り上げているため、ADHDの人すべてに当てはまるわけではありません。
そして彼は勉強せずともとても頭がよい人でした。
発達障害の方がいなければ、現代社会においてイノベーションは起きません。


カサンドラ症候群になってしまったら、すみやかに発達障害の方から離れましょう。離れることが出来ない場合、接する時間を減らしましょう。
彼/彼女らはまともに話して会話が通じる相手ではありません。これは差別的な発言ではありません。
彼/彼女らにも苦悩があります。どうしようもない苦しみを理解してもらえないと日々思っているのです。
カサンドラ症候群になってしまったら、すみやかに第三者に相談してください。一人で抱え込むことのできる問題ではありません。


どうか自分の尊厳を大切にしてください。
過去の自分に言ってあげたい。
ADHD本人も自分のADHDと共生しなければいけないし、
ADHDの周囲にいるひとも、彼/彼女らと共生しなければいけないのです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?