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消えたいくらいのコンプレックスを大好きと言ってくれる恋人。

10代後半から拒食症で30キロ以下になり、次には反動の過食症がなかなか治らずここまできた。

過食への考え方やその後の行動を学んだことで精神的負担や頻度が改善されたものの、過食そのものは繰り返していた。

原因はわかっていた。ストレスと寂しさ、生理前のホルモンバランス。そして食事が偏っている栄養不足。

数週間何事もなく過ごして「もう大丈夫。」と思いきやなにかの反動で過食。具体的には4週目を過ぎると食べたい欲に襲われ、1か月持たないうえに酷いときは過食が止まらず4日間続くこともあった。

そう簡単に治るものでもないのもわかっていたこの症状が今の彼と付き合いはじめてピタリと止まった。

付き合ったのはGWでも、それ以前に彼と会うことを決めたときから治まっているためもう1か月半以上が経つ。

恋人ができて精神的に落ち着いた。愛されている安心感。次に会う目標がある。もっともな理由だと思う。

ただ、彼以前の恋人だってたくさん愛してくれたのにここまで安定はしなかった。

他の違いを考えたときに、今の恋人Aさんは、最大のコンプレックスをお世辞抜きで「大好き」と言ってくれることに気づいた。

痩せに囚われ、好きなひとができたときに考えるのはいつだって容姿と食事のことだった。ラインの内容とか、他の女の子の存在とか、デートの誘いなんて二の次でありきたりな悩み方ができなかった。

Aさんとだって、会う前に彼がムチムチした女性が好きだとか、「むちっとしていたほうが抱き心地がいい!」なんて性癖の話しを聞いていなければ,
被害妄想の果てに会わない選択をした可能性が高かったし、彼自身がスラッとした人が好きだったら会っても進展しなかったはず。

1か月後に会うとか、何週間後にデートのようなタイムリミットがあると勝手に焦り、結果にこだわる。そして思ったペースで痩せていない自己嫌悪でこの世の終わりのような気持ちになり、自暴自棄になることがとても多かった。

それがAさんの場合、「痩せないといけない」という前提が弱いおかげで強迫観念に襲われなかった。

あくまで”勝手に”ダイエットしているというスタンスでいたため、ダイエットにおいて最も需要な”淡々と”積み重ねて過ごすことができた。

いざ彼に会ってからも関係は終わることなく「太もも気持いいから好き」「むちむちしてて可愛い」と溺愛され、こんな自分でも受け入れてもらえたという意識がさらに強まり、自己肯定感をあげてくれる。

人間「だめ」と言われるとしたくなるもので、「もっと痩せてよ」とか「太ったね」と言われようものなら、痩せる過酷さを知っている分「次に好きなものを食べられるのはいつなんだろう」「また家族や友達と食事ができない」とマイナス感情でいっぱいになる。

今の自分を肯定されていると「食べたくなったら食べばいい。今は自分が痩せたくて楽しくダイエットをしている。」という感覚で心の負担がとても少ない。

自分を低く評価する癖が抜けないだけで、自分は太ってもいないし、友達にも「また痩せたね。」と言われた。自他共に認める顔に肉が付きにくい体質なので一般的に見ても過度に気にすることはない。

確かに下半身が重たい骨格ではあるけれどぱっちり二重だし、顔は小さい。いけめんな彼からも「顔好き。」「目がぱっちりして鼻が小さくて。」と言ってもらえた。もっと自分を愛してあげたい。

たくさん無理させてきた心と身体だから。



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