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漢語・和語・外来語 & 意外なカタカナのメゾット


「上司へのメールだし、お堅く改まって……」
「SNSのメッセージだしフランクに……」

文調を考えて時間が過ぎていく……
文章を書くのは難しいですよね。
文章の意図・目的によって伝え方は本当にさまざま。

どのようにすれば上手な文章を書けるのか……!

今回は石黒圭氏 編著 東京堂出版『日本語文章チェック事典』を読みました。

わかりやすく読みやすい文章を書くための参考になればと、

・「漢語・和語・外来語の使い分け」
・「カタカナの使い方」

に関する内容を皆さんにご紹介したいと思います。

本のご紹介

国語辞典の編集にたずさわった石黒氏(国立国語研究所教授)が手がけた350ページ以上におよぶ大著。

チャーミングな装丁画があしらわれた本書では、文法や語彙だけでなく、日本語の美しさ・やわらかさを生かした文章の書き方も紹介されています。

文章チェックを想定して制作された事典でありながら、
日本語表現の「かん所」を幅広く網羅しており、翻訳・執筆・コピーライティングに従事している方におすすめしたい一冊です。

『日本語文章チェック事典』東京堂出版


漢語・和語・外来語の使い分け

いつも何気なく使っている日本語ですが、
なんと日本語のなかに3つの異なる「語」があります。

・中国から伝来した「漢語」
・日本独自のやわらかさをもつ「和語」
・斬新でキレのある「外来語」

これらの3つを使い分けると

適切な文調でわかりやすい文章を書くことができます。

まずは3つの語がもつ特徴をみていきましょう。

漢語(漢字):
中国から伝わった書き言葉、一字に複数の意味が込められている(一読で多くの情報を伝えられる表意文字)、ややお堅い印象、文の重要なところ(名詞、動詞など)が漢語で表されることが多い。

和語(ひらがな):
日本で古くから使われていた話し言葉(表音文字)、やわらかい印象、文の補助的なところ(助詞、助動詞、副詞など)は和語で表されることが多い。

外来語(カタカナ):
西洋から伝わった新しい言葉(表音文字)、お茶らけた印象、音を表わすことが多い(オノマトペ)、使い方によってはやわらかさを演出する。

いろいろありますね……。
簡単にまとめると、以下のとおりです。

1.漢字を使うと堅い印象を与えるが、多くの情報を伝えられる
2.ひらがなは、やわらかい印象でとても親しみやすい
3.カタカナは、新しい言葉やオノマトペを表す

ビジネスには漢字を多く使い、
友だちとのカジュアルなやり取りの中にはひらがなを用いる、といった使い分けができそうです。

ではカタカナはどうでしょうか。

オシャレなカタカナのメゾット

カタカナにフォーカスします。

なんといっても、カタカナは文章を書く際の鬼門。

できるだけカタカナを使わず、
漢字とひらがなで文章を書くようにする「カタカナ煩い」が多くいるのが事実です……。

とはいえ、
使い方によっては文章にハリを与え、
文章をオシャレにわかりやすく演出することができるのです。

カタカナは漢字にくらべて情報量が少なく、
新しい単語が多いため読み当たりがぼやけます(専門用語の場合を除く)。

読み手の好奇心をそそる、この「曖昧さ」を
所々に使うことで、文章全体をオシャレに仕立て上げることができのです。

たとえば、

健康的な食品をご提供します」

ヘルシーな食品をご提供します」

というのとでは印象が違いますよね。

「健康的」が医学領域などの専門性を感じさせ、
どことなく病院食を彷ふつとさせる一方、
「ヘルシー」は爽やかで美味しそうな印象です(画像参照)。

「ヘルシー」のGoogle画像検索結果の一例
「健康的」のGoogle画像検索結果の一例

とくにカタカナの「曖昧さ」が最大の魅力を発揮するのは、タイトルです。

見出し・小見出しにカタカナを用いると、
読み手の興味をそそることができます。

たとえば、新聞の小見出し
「人材管理に関する新施策」というのを

「人材マネジメントに関するニューアクション」

とすれば、どことなく親しみやすさがあり、
その曖昧さが好奇心をそそり、読み手を惹きつけます。

わかりやすい文章を書くには?


これらの特徴を踏まえたうえで、
漢字:ひらがな:カタカナ=3:6:1」を目安に文章を構成するとわかりやすくオシャレな文章を書くことができます。

おなじみのMicrosoft Wordにも
漢字とひらがなの割合を計算してくれる機能があるので、
ぜひ試してみてください!

文書中の文の長さや総文字数、漢字やカタカナの使用率をチェックする

ざっくりした感想

日本に住む外国人向けの「やさしいにほんご」、「障害」の表記が「障がい」に改められるなど日本語のあり方が多様化するいま、日本語の書き方を学ぶことは大切だと感じました。

このほかにも日本語に関する情報が盛りだくさん!皆さんも機会があれば『日本語文章チェック事典』読んでみてください (^^)/

出版社:東京堂出版
著者(編著):石黒圭
定価:¥1,980(本体 ¥1,800 + 税10%)
日本語文章チェック事典 - 株式会社 東京堂出版 限りなく広がる知識の世界 ―創業135年― (tokyodoshuppan.com)

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