短編ストーリー「新年のねがいごと」
「明けましておめでとうございます」
照れながら、駅前の待ち合わせ場所で挨拶する私たち。
クリスマスに初めてデートをした、まだぎこちない私たち。
「手を繋ごうか。」
彼はあったかそうな毛糸の手袋を付けた右手を差し出した。
私は、こくりとうなずいて左手を差し出す。
同じく毛糸の手袋を身に付けた私の左手はどんどんホカホカして、そこだけ体温があがる。
「お正月何食べた?」
彼がいつも通りのテンションで話しかけてくる。
「お雑煮。今年はお母さんと一緒に作ったんだ。」
「へぇ、食べ