(創作詩)好きなもの

わたしの好きなものはなんだろう

わたしの好きなものはなんだろう

『好き』と思ったものは

実は好きだと思わされていた?


わたしの好きなものはなんだろう

わたしの好きなものはなんだろう

子どもの頃は

もっとはっきりとした輪郭で

【好き】がわかっていたような気がする


わたしの好きなものはなんだろう

わたしの好きなものはなんだろう

みんなが持っていたから…

そんな理由で買ったものたち

そのときはとてもお気に入りで

着けていたら、気持ちが強くなれた

でも今、手元にそれらは

残っていない


わたしの好きなものはなんだろう

わたしの好きなものはなんだろう

大人になって

ふと立ち止まったときに

「好き」なものたちは

ちゃんとそばにいてくれてて

なんだかんだ

わたしも手放せなかった


好きな曲

好きな服

好きな小説

好きな食べ物


好きな場所

好きな香り

好きな花

好きな色
 


少しだけ

ほんの少しだけ

気持ちに集中してみると

聞こえてくる本音たち


今日は

今日だけは

好きなものにひたって

また一つ、わたしの本音に気づきたいんだ


(終わり)