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【ハリー・ポッターと賢者の石】魔法界への旅はここから始まった

今日は私の人生のバイブル「ハリー・ポッター」について語らせてください!まずは第1巻「ハリー・ポッターと賢者の石」から。映画も小説もこれだけは見たことがあるという人も多いのではないかと思われる不朽の名作ですよね。

初めて魔法界を知るハリーと同じように、様々な魔法の不思議の数々に触れることができる「ハリー・ポッターと賢者の石」は、シリーズの中最もワクワクする話だと思います。

ここからは「賢者の石」から「死の秘宝」までの小説と映画、「呪いの子」の脚本、「ファンタスティックビースト」シリーズの映画に関するネタバレがあります。未読、未視聴の人はご注意ください!


「死の秘宝」につながる伏線の数々

ハリー・ポッターシリーズのすごいところはシリーズを通して様々な伏線が張り巡らされているところなんですが、なんと第1巻の時点で最終巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」に登場する重要アイテムや情報がすでに出ているんです。

まず冒頭でダンブルドアが赤ん坊のハリーをダーズリー家に預けるシーンでは、ハグリッドが空飛ぶオートバイでハリーを連れてきます。このオートバイ、実はハリーの名付け親のシリウス・ブラックのものなんです!ハグリッドにオートバイとハリーを預けた後、ワームテールを追っていったんでしょうね。この後の彼の人生を思うと、せめて誰かに事情を話してから行ってくれ…という気持ちでいっぱいになります。

そして、ダーズリー家がハリーを頻繁に預けていた近所のフィッグばあさんですが、この人は実はスクイブ(魔法使いの家系に生まれたものの魔法が使えない人)なんです。たまたまなのかダンブルドアの差し金なのかはわかりませんが、ハリーには幼い頃からひっそりと魔法界とのつながりがあったんですね。

さらに初めてグリンゴッツに足を踏み入れた時には、ハグリッドがグリンゴッツを守るドラゴンの話をしています。「ハリー・ポッターと死の秘宝」を読んだ後だとこのドラゴンがあのドラゴンか!ってなるんですよね~。しかもこの時ハリーを金庫に案内してくれたグリップフックというゴブリンもこの先重要キャラとして再登場します。本当にJ・K・ローリングは芸が細かいです。

あと杖職人のオリバンダーも重要人物ですね。これまで売った杖は全て覚えているという記憶力がすごいです。珍しい杖や杖にまつわる不思議な現象を見つけた時にテンションが上がってしまうところが杖オタク感があって好きなんですが、映画はそのオタクっぷりの再現度が高くてよかったですね。

ホグワーツからハリーに届いた必要な物リストの中にも重要な伏線があります。「魔法史」の教科書の著者バチルダ・バグショットはダンブルドアの過去を知る重要人物でしたし、「幻の動物とその生息地」の著者ニュート・スキャマンダーはファンタスティックビーストシリーズの主人公です。

「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」でニュートが書こうとしている本がこの「幻の動物とその生息地」なんですよね。ちなみにこの本はリアルでも出版されています。これからシリーズ内で登場する魔法動物たちもたくさん出てくるので1冊手元に置いておいて損はないです⇩

もちろんハリーが初めて出たクィディッチの試合で取ったスニッチも重要です。ハリーが口でキャッチしたことが後々大事な部分になってくるのでこのシーンはお忘れなく。

ハリーとダーズリー家

ハリーを育ててくれたダーズリー家は、ハリーの母リリーの姉にあたるペチュニアの嫁ぎ先です。映画ではリリーが姉、ペチュニアが妹ということになっていますが、小説ではペチュニアが姉です。リリーのホグワーツ入学が決まった時にペチュニアがダンブルドアに手紙を書いて自分も入学させてもらおうとしたというエピソードがあるので、おそらくペチュニアが姉で正解なはず。英語だとどちらもsisterなのでごっちゃになっちゃったんですかね。わからないけど。

そんなペチュニアは、血のつながった妹のこともその家族のこともそれはそれはこき下ろします。夫のバーノンは魔法なんてわけのわからないものは認めない人で、ペチュニアもその価値観に追随しているため、魔法使いと魔女の子どもであるハリーのことも受け入れることができません。でもペチュニアの態度は妬みの裏返しのような気もします。同じ両親から生まれ一緒に育ってきたのに、魔女の才能があったのはリリーだけでした。長期休暇の度に楽しそうにホグワーツの話をするリリーを見ているうちに羨ましいという気持ちをこじらせていったんじゃないでしょうか。

ペチュニアはバーノンとは違い、ハリーへの愛情が全くないというわけではありません。それは、ハリーを引き取って成人するまで家に置いていたことや、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」で吸魂鬼ディメンターに襲われたハリーを追い出そうとしたバーノンを止めたことからもわかります。ただ、リリーや魔法界への嫉妬をこじらせすぎてもう素直に接することができなくなっているんですよね。そんなペチュニアの不器用な愛は、ダーズリー家に来た時にハリーが包まれていた毛布を死ぬまでずっと持ち続けていたことからもわかります。捨てることもできず、ハリーに渡すこともできず、しまい込んでいたペチュニアの気持ちを思うと何とも言えない気持ちになりますね。ちなみにこの毛布は、ペチュニアの死後、遺品の中から見つけたダドリーの手からハリーに渡ります。

ダドリーとハリーの関係はちょっと複雑で、「ハリー・ポッターと賢者の石」の時点ではダドリーがハリーをいじめているように見えますが、実はハリーも結構やり返しています。私はハリーの中にもいじめっ子の素質はあると思っていて、ダドリーに対してもやられたらやり返す精神でしっかりやり返していますし、ダドリーが痛い目に遭った時なんかそれはそれは楽しそうです。

そんなダドリーとハリーの関係は、時間をかけてちょっとずつ温和になっていきます。「ハリー・ポッターと死の秘宝」ではダドリーがハリーを認めるような発言をしますし、その後もダドリーとだけは交流が続いているようです。

バーノンに関しては、徹底してハリーを邪魔者扱いする嫌な伯父さんとして描かれていますが、ペチュニアのことをとても愛しているところだけはちょっと推せます。

ペチュニアの親戚だから、ペチュニアの頼みだから、なんだかんだ言ってハリーの面倒を見ているわけで、バーノン的には自分の家にハリーを住まわせる理由も、ハリーにお金をかける理由も、ないと言えばないですからね。冷たいのはわかっているけど、バーノンの妹のマージおばさんが言った「きちんとした働き者の親戚におまえのような厄介者を押し付けていったんだ!」というのが血のつながらない親戚の本音なんじゃないかなと思います。最終的にバーノンは仕事も家も放り出して避難しないといけなくなるので、たしかに迷惑以外の何物でもないと言われればその通りです。でも嫌々ながらも、ペチュニアの甥だから面倒をみるんですよ。実は愛妻家なバーノンおじさんです。

ハリーがドラコ・マルフォイと最初に仲良くなっていたら

映画ではハリーが最初に友達になったのはロンでしたが、小説では先にダイアゴン横丁のマダムマルキンの店(制服店)でドラコと会っています。魔法界の知識がゼロだったハリーは、この時はまだドラコが偏った思考の持ち主だとは気づいていません。

そもそもハリーがなぜグリフィンドールに入りたいと思ったかというと、最初に出会ったのがハグリッドで、その後ロンと仲良くなったからだと思うんですよ。魔法使いであれば誰もがホグワーツ出身であるイギリスにおいて、自分が所属していた寮は誰にとっても特別です。実際、闇の魔法使いを多く輩出したスリザリンが悪い寮だと言われているだけでなく、ハッフルパルだって劣等生が多いと噂されていますし、組み分けに関してはどんな家庭で育ったか、どんな思想を持っているかによって善し悪しの判断は変わってきそうです。だからこそ、まっさらな状態だったハリーが最初に仲良くなったのがドラコだったらもしかしたらスリザリンに入りたいと思ったかもしれないし、ハッフルパフ生やレイブンクロー生だったとしたらそっちがいいと思ったかもしれないと思うんです。

ちなみに、ハッフルパフに劣等生が多いと言われているのは、祖先が純血であることを重んじたスリザリン、知性が高い者のみを選ぶべきだと考えていたレイブンクロー、勇気のある者だけを入学させるべきだと考えていたグリフィンドールとは違い、ハッフルパフだけは何も基準を設けずすべての者を分け隔てなく学ばせるべきだと考えていたからではないかと思います。

そして、ハリーはグリフィンドールとスリザリンで迷われていましたが、ハーマイオニーも同じようにレイブンクローに組み分けされる可能性があったようです。100点満点の試験で112点取るほどの頭脳を持っていたらそりゃレイブンクローの素質もバッチリでしょうね。最終的には本人の希望を聞いてくれる組み分け帽子が素敵です。

そんなハーマイオニーが作中で読んでいる「クィディッチ今昔」という本はリアルでも出版されています⇩ 

また、ハリーの同級生全員の組み分けは「ハリー・ポッター魔法ワールド大図鑑」で公開されています⇩

ホグワーツの魅力的な教師陣

魔法がいっぱいのホグワーツには素敵なところがたくさんあるんですが、何より先生たちがすばらしいということは言っておきたいです!

まずグリフィンドールの寮監で変身術担当のマクゴナガル先生。ホグワーツの副校長でもあります。厳格で優秀な先生ですが、クィディッチのことになるとちょっと暴走するところがかわいいです。基本的に教師陣も自分が卒業した寮を贔屓しがちなんですが、マクゴナガル先生はどの寮にも平等なところがいいです。それまで寮に関しては偏った考えばかりが描かれていたので、最初の組み分けの時にマクゴナガル先生が「どの寮にも輝かしい歴史があって偉大な魔法使いや魔女が卒業しました」と紹介しているところには感動しました。自分の寮生からもがっつり減点する厳格さがかっこいいです。

ただ、クィディッチが絡むと話は別です。ハリーのシーカーとしての素質に気付いたときなんて、授業中だったグリフィンドールクィディッチチームのキャプテンを引っ張り出してきますからね。自分の寮を勝たせるためなら規則も曲げるし、ハリーだけ特別扱いで新型の箒をプレゼントするし、クィディッチに関しては熱くなるマクゴナガル先生です。仕事モードの時は同僚のことを名字+先生呼びするのに、気を抜くと愛称や下の名前で呼んでしまうところも好きです。教師としての自分を保つために意識して厳しくしているけど、本当は愛情深くて温かい人だと思います。

スネイプ先生はめちゃくちゃ性格が悪くてスリザリンだけに甘い嫌なやつですが、魔法使いとしてはかなり優秀です。特に魔法薬学の知識がずば抜けていて、生徒が作った魔法薬を見るだけでどの過程でどんなミスをしたのかを言い当てるところはすごいと思います。難しい魔法薬の調合も得意だし、闇の魔術にも強いです。ただ、嫌なやつなんですよね~。スリザリンが6年連続で寮杯を獲得しているのはスネイプ先生のスリザリン贔屓戦略のせいです。絶対そう。

ダンブルドア先生に関しては、ごちそうを目の前にした子供たちの前で長々と話をしないところが好きです。歓迎会の前の「二言、三言、言わせていただきたい。そーれ!わっしょい!こらしょい!どっこらしょい!以上!」はもう名言でしょう。そして生徒と直接かかわることは少ない役職にも関わらず、1人1人の生徒のことをちゃんと見ているところも素敵です。ちなみにダンブルドア先生はちょっとグリフィンドールを贔屓しがちだと思います。「ハリー・ポッターと賢者の石」のラストで賢者の石を守ったことを称えてグリフィンドールに加点をしていましたが、寮杯獲得が決まっていたスリザリンをちょっとだけ上回る点数を与えたのは計画的としか思えません。ダンブルドア先生もグリフィンドール出身だからどうしても肩入れしちゃうんですかね。

あとホグワーツは校歌がいいですよね。歌詞は決まっているけどそれぞれ好きなメロディで歌っていいというところが楽しいです。

賢者の石までの道のり

賢者の石に到達するまでのくだりでは、スネイプ先生が作った魔法薬のパズルをハーマイオニーが解くところが好きです。しかし、残念ながらここは映画ではカットされているんですよね。小説の描写だけでは解けないパズルになっているので(解けませんよね?)、映像で答え合わせをしたかったのに…。映画は小説の内容を120分にギュギュっと詰め込んでいるので、超ハイスピードで1年が過ぎていきます。映画化されていない部分の学生生活もとてもおもしろいので、映画しか観ていないよという人にはぜひ小説も読んでもらいたいです。

「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の感想文は⇩

「ハリー・ポッター」シリーズの小説はサイズ違い、デザイン違いで複数出版されています⇩

最終巻のその後を知りたい人はぜひ「ハリー・ポッターと呪いの子」を読んでください⇩

映画ファンには20周年同窓会企画の動画もおすすめです⇩


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