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【ハリー・ポッターと秘密の部屋】ドラコ・マルフォイは小物だからこそいい

引き続きハリー・ポッターシリーズについて語らせてほしい!の記事です。「ハリー・ポッターと秘密の部屋」では、ハリーがロンの家に泊まりに行くことで魔法使いがどんな暮らしをしているのかが明らかになるところが好きです。

「ハリー・ポッターと賢者の石」の感想文は⇩

ここからは「賢者の石」から「死の秘宝」までの小説と映画、「呪いの子」の脚本、「ファンタスティックビースト」シリーズの映画に関するネタバレがあります。未読、未視聴の人はご注意ください!


ウィーズリー家との交流

「ハリー・ポッターと秘密の部屋」では、ハリーがロンの実家である隠れ穴に泊まりに行きます。ここで初めてウィーズリー家のことがしっかり描かれるんですが、最終的にハリーもハーマイオニーも親族になることを考えるとなんだか感慨深くなりますね。

ロンの両親のアーサーとモリーはめちゃくちゃ仲の良い夫婦で、モリーがアーサーを尻に敷いているように見えて、実際はアーサーが家族の主柱なところが素敵です。7人も子供がいて上の子はもう大きいのにいつまでもラブラブなところもかわいくて、お互いがお互いをとても大事にしているところは理想の夫婦だなと思います。

モリーは母親としてはちょっと過保護で、教育ママ的なところもありますが、その分アーサーが遊び心があって寛大な父親なのでバランスが取れているんですよね。

アーサーは一見気のいいおじさんですが、ルシウス・マルフォイに売られた喧嘩をしっかり買っちゃうところや、魔法省で閑職に追いやられても自分の信念を突き通すところなんかはやっぱりグリフィンドール。フレッドやジョージの気質は父親譲りだろうなと思います。ジニーの正義感が強くて怒らせたら怖いところもアーサーに似ているかも。

ちなみにアーサーもモリーもホグワーツではグリフィンドール寮生で、深夜にこっそり寮を抜け出してデートなんかもしていたそうです。何そのかわいいエピソード。いつまでもラブラブしていてくれって感じですね。

父親から喧嘩っ早さと正義感を受け継いだフレッドとジョージは、ハーマイオニーがドラコに「穢れた血」と言われた時も真っ先にドラコを殴り飛ばしに行きました。ロンはまだしも、双子はそこまでハーマイオニーと仲がいいイメージはなかったので、ここまで怒ってくれるのは正直意外でした。「穢れた血」という言葉がどんなに酷い言葉なのかがわかるエピソードです。

空飛ぶ車でホグワーツへ

「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の見どころといえば空飛ぶ車でしょう!ドビーの魔法で9と3/4番線に入れなかったロンとハリーは、恐ろしいことに空飛ぶ車でホグワーツへと向かいます。どうしてそんな発想に…。ホグワーツは電車で行っても何時間もかかる場所にあったはず。そんなところまで車を飛ばして行こうだなんて正気じゃありません。子どもって怖いですね~。

でもこの時連れて行った空飛ぶ車が禁じられた森で2人を救うことになるので、結果オーライ…と、言えなくも…ない…かも?でも親目線で見ると本当にやめてほしいです。怖すぎます。

女子人気抜群のロックハート先生

新しく闇の魔術に対する防衛術を担当することになったロックハート先生は、ポンコツなのにハンサムなので女子からの人気はぶっちぎりです。

ロンのママも夢中になっていましたし、ハーマイオニーもロックハート信者でした。でも先生としてはポンコツ中のポンコツ。こんな男に闇の魔術に対する防衛術の教師という席を取られてスネイプはさぞ悔しかったでしょうね~。

最終的に自分で放った忘却術が跳ね返って記憶を失くしてしまうロックハート先生は「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」で再登場しますが、2年経ってもまだ記憶は戻っていません。さすが忘却術だけは得意というだけありありますね。強力すぎます。その後、彼が記憶を取り戻すことができたのか…その真相は闇の中です。

ゴーストの死後の生活

ハリーが「ほとんど首なしニック」ことサー・ニコラスと仲良くなったことで、ゴーストがどんな生活を送っているのかがわかるのもおもしろいところです。

首を斬られて死んだゴーストたちは「首投げ騎馬戦」や「首ポロ」、「首無し狩」といったスポーツを楽しんでいるんですが、これがめちゃくちゃ不謹慎でおもしろいです。ホグワーツのゴーストたちはいつも楽しそうなので悲壮感がなくていいですよね。

定期的に絶命日にパーティーを開いているのも楽しそうでいいです。このパーティーは腐った食べ物が出てきたり異臭がしたりするので人間が参加して楽しいものではなさそうですが…。

ドラコ・マルフォイは小物なところがいい

私はドラコ・マルフォイというキャラが結構好きなんですが、何がいいってその小物感ですよね。ハリーやハーマイオニーにちょっかいを出してはちょっと反撃されるとすぐ泣いちゃうところとか、一生懸命虚勢を張っているけど実はいつも孤独を抱えているところとか、父親からのプレッシャーに必死で応えようとしているところとか、なんとなく憎めないところがたくさんあります。

「ハリー・ポッターと呪いの子」で、40歳になったドラコは自分の学生時代を振り返って、いつも孤独だった、ホグワーツが好きじゃなかったと言っています。ドラコにとって強い絆で結ばれたハリー達は嫉妬の対象だったようで、だからこそ執拗に絡んでいたのではないかと思います。本当は仲間に入れてほしいけど、素直にそうとは言えないジレンマがドラコを嫌なやつに見せていました。

どうしてドラコがそんな子供になってしまったのかというと、それはもちろん父親のルシウス・マルフォイのせいなんですが、ルシウスはルシウスで見事な小物キャラなんですよ。何度勝手なことをしてヴォルデモートに怒られたか。何より死喰い人デス・イーターなのにその秘密を知る屋敷しもべ妖精のドビーをうっかり自由にしちゃってますからね。ハリーにハメられたとはいえ、大失態です。

純血至上主義のルシウスに育てられたドラコは、自分がマルフォイ家に生まれたこと、スリザリンに入ったことが何よりの誇りで、それだけを心の支えにしているようなところがあります。本当は監督生に選ばれるくらい優秀で(特に魔法薬学の知識はピカイチ)、いいところもたくさんあるはずなのに、お金と父親の力を使って自分をクィディッチチームにねじ込んだりしちゃうんですよ。

本当は友達が欲しいけど友達の作り方なんてわからないから、高圧的になってしまってハリーには初っ端から嫌われるし、クラッブとゴイルは友達というよりは取り巻きみたいな感じで話が合わないし、実は誰にも心を開けなくて苦しんでいました。

ウィーズリー家の子ども達にしきりに絡んでいたのも、ルシウスが家でウィーズリー家の悪口を言っていたのはもちろんあるにせよ、兄弟が多くていつも仲のいいロンたちが羨ましかったのもあると思います。ひとりっ子のドラコにとって、ロンには味方がたくさんいるように見えたのではないでしょうか。

ちなみにルシウスは超日和見主義なので、ヴォルデモートが復活するまではドラコにハリーとは仲良くしておけと言っていました。最初にドラコがハリーに話しかけたのも純粋に友達になりたかったからかもしれません。でも父親がハリーのことをよく思っていないのはわかっているので、表立ってそれを見せることが出来なかったのではないかと思います。あとシンプルにルシウスは友達いなさそうですよね。利害でしか人と繋がれないタイプなので、ドラコに友達の作り方も教えてあげられなかったんだろうなと思います。

ちょっと愛し方が歪とはいえルシウスは息子溺愛パパなので、ドラコの言う事ならなんでも聞いてあげるしクィディッチの試合だって見に来ちゃいます。映画のルシウスは小説以上に迂闊でポンコツな人物として描かれているのがちょっと不憫といえば不憫。死喰い人デス・イーターであることを隠しているはずなのに、ダンブルドアのお膝元でハリーにアバダケダブラしようとしますからね。でもステッキに杖を仕込んでるところはなんかかわいくて好きです。

40歳になったドラコは随分丸くなっていて、ハリーはまだしもジニーやハーマイオニーとはうまくやっています。「ハリー・ポッターと呪いの子」でハーマイオニーが指揮をとり、ハリーやロンたちととある作戦を実行している時のドラコの楽しそうなことといったら!ずっと仲間に入りたかったんだなと思える一幕です。ほとんどのハリポタファンがドラコのいいところを知らないままなのは悲しいので、ぜひ「ハリー・ポッターと呪いの子」も読んでほしいです。ちなみに未来のドラコの髪型はポニーテールです。

「ハリー・ポッターと呪いの子」でドラコの息子のスコーピウスとハリーの息子のアルバスが親友になっていく様子を見ていると、ドラコの夢が時を超えて叶ったようで嬉しくなります。あと父親としてはハリーよりもドラコの方が優秀なところもおもしろいです。

「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の感想文は⇩

「ハリー・ポッター」シリーズの小説はサイズ違い、デザイン違いで複数出版されています⇩

最終巻のその後を知りたい人はぜひ「ハリー・ポッターと呪いの子」を読んでください⇩

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