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【 ADHD治療薬を服用してみて * アトモキセチン(ストラテラ®︎編) 】

私が精神科の薬を飲み始めたのは、19歳のときです。
受診の数か月前に、非常に強いストレスに晒される出来事がありました。
私はもともと不安を感じやすいほうで、今もそれは変わりません。
しかしこのときの不安はいつもと比べて、強さも種類も全く違うものでした。

医療系の勉強をしていた私は、明らかに自分の状態が異常だと判断しました。
「精神科を受診することに、ためらいはなかったのか」と聞かれることがあります。
当時の私は極度の不安感と、それに伴う恐怖感に常時苦しめられていて、精神的な余裕は1ミリもありませんでした。
つまり私には受診しないという選択肢がなかったのです。

それから26年間、私は向精神薬を服用し続けています。
現在主に処方されているのは、うつ症状を改善して気分を安定させる薬です。
それに加えて2021年の9月から、ADHDの治療薬も処方されるようになりました。

「副作用の少ない薬から試してみよう」という主治医からの提案で、最初に処方されたのが『アトモキセチン(ストラテラ®︎)』です。
40mg/日から開始して、最大量の120mg/日まで増やしました。
アトモキセチンは血中濃度を一定に保って、じわじわ効かせるタイプの薬だと、私は認識しています。
服用開始から1か月間は、吸い込まれるような眠気との戦いでした。
しかしその時期を過ぎると、副作用よりも作用(効果)を感じられるようになったのです。

アトモキセチンを飲み始めてから一番初めに感じた効果は、「(自動車の運転時に)意識しなくても、大体の速度が分かる(感じられる)」ということです。
私は運転免許を取得してからの25年間、運転中に速度がどのくらい出ているか 、全然分かりませんでした。
そのため法定速度を超えないように、スピードメーターを頻繁に確認しながら運転していたのです。
それでもうっかりスピードを出し過ぎてしまうことが、少なからずありました。
そんな長きに渡って悩んできたことが、アトモキセチンを数回服薬しただけで、いとも簡単に解消されてしまったのです。
このときの驚きは忘れられません。
速度感覚がつかめるようになってからは、以前と比べものにならないくらい運転が楽になりました。
それまでは運転することに苦手意識が強かった私ですが、今は趣味の一つだといえるほど楽しめるようになっています。

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