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【#ショートショート(410字)note杯】『しゃべるピアノ』

国際的テロ組織の重要人物が日本に潜入した。
その為、ベテラン刑事の俺はある任務に就く事になった。
『オハヨウゴザイマス、スズキサン』
「おはよう。本名で呼ぶな。俺はマイケルだ」

ここは某巨大駅の憩いの広場。
俺は最先端AIを搭載した自動演奏ピアノ兼爆弾処理ロボット【キッド】と共に一日中、見張りについている。
昼の演奏中、インカム越しにキッドが話しかけてきた。
『テロリストガ、チカク二イマス』
「なに?本当か?」
『ハイ。イマ、バクダンガ、シカケラレマシタ』
「何だって!」
俺は爆弾処理班に連絡して、市民の安全を確保するため足を踏み出した。
するとキッドが俺を呼び止めた。
『ジカンガアリマセン。ワタシガ、ショリシマス。スズキサン...サヨナラ』
キッドはそう言うと、二足歩行で歩き出した。
「おい!」
数分後、爆発音が俺の耳に届いた…
「キッド…」

一ヶ月後。
「マイケルだ。よろしく」

『キッド2021デス。ヨロシクオネガイシマス、スズキサン』

【終】

サポートされたいなぁ..