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若手社員の早期退職を防ぐために

近年、「早期退職」という言葉をよく耳にするようになりました。

厚生労働省の調査によると、3年以内離職率は著しく増えている、というわけではないようですが、逆に言えば“減っていない”状況です。

今後少子化の影響で若手の労働人口が減っていくことや、新卒採用には少なくないコストがかけられていることを踏まえると、早期退職というのは減らしていきたい事象です。

厚生労働省|「学歴別就職後3年以内離職率の推移」より作成

私は現在若手スタッフの教育指導をする立場にあるのですが、その中で“早期退職を防ぐためにどのようなことを意識しているか”についてご紹介できればと思います。

私が意識しているのは、大きく分けて次の3つになります。


1.心理的安全性の確保

「心理的安全性」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。

職場でどのような発言をしても、拒絶されることがなく、罰せられる心配もない状態のことを指しています。

例えば、業務の中で「こうしたほうがいいんじゃないか」と思ったことを上司に提案した時、「今までこのやり方で問題なかったんだから」と拒絶されてしまったり、「わからないことはすぐ質問してね」と言われて質問をしに行ったら、「今忙しいんだから後にしてよ」と言われてしまったり…。

このような状態だと、他の従業員や上司に話しかけることが怖くなり、業務効率が悪くなったり、ミスを隠ぺいしてしまったりします。

全員が心理的安全性の確保のために協力できればそれが一番ですが、現実的にはとても難しいと思います。そのため、まずは「教育担当の人には何を聞いても/言っても大丈夫」という安心感を作れるよう、若手スタッフの発言をしっかり尊重して日々指導にあたっています。

2.マニュアルの整備

入社したての時期は覚えることが山のようにあります。私が新人の時は、一生懸命メモを取っても、メモ自体の量がありすぎてどこを参照すべきかわからなくなってしまうことが多々ありました(汗)

さらに、先輩が口頭で説明してくださっているときにメモで待たせてしまうのが申し訳なく、とりあえず単語だけ羅列してしまい、後から読み返して意味が分からないなどなど…メモに関する失敗やストレスは相当なものでした。

このような自分の経験から、若手スタッフにかかるストレスを少しでも軽減すべく、現在はマニュアルの整備を進めています。

マニュアルがあると、いざメモが使えない!となっても大丈夫だという安心感がありますし、上司や先輩の時間を割かなくても業務がある程度進められるようになりますので、会社全体の業務効率の向上にもつながります。

3.初回は直接の指導

若手スタッフが初めて取り組む業務は、マニュアルを渡すだけでなく、なるべく直接指導するようにしています。

ここで皆さんは、「あれ?さっき言ってた”上司や先輩の時間を割かない利点”と矛盾してない?」と思ったのではないでしょうか。

その通りです。ですが、これには時間を割くだけの重要な価値があります。

私が入社してから何人かの先輩がご退職されていきました。その方たちの退職理由を直接聞く機会があったのですが、どの方も「ちゃんと教えてくれないのに、知っているのが当たり前のような態度で接されるのが嫌だった」「ほったらかされたから、結局自分で調べて身につけた」ということを共通しておっしゃっていました。(弊社の課題ですね!)

このことから私は、“ちゃんと教えてくれた、親身になってくれた”という恩こそが、“会社への愛着”となり、退職を防ぐ要因になるのではないかと考えました。

自分で調べて知識が身につくのであれば、「自分のこのスキルをもっと高く買ってくれる会社があるのでは?」と思ってしまうのも無理のないことですしね。

さすがに学生の頃のように1から10まで手取り足取り教えるというのは現実的ではないですが、初回だけでもしっかり教えるというのはできる範囲の改善だと思っていますので、実行するようにしています。

以上が、私の意識する早期退職防止のための3つの手段でした。

皆様のご参考になれば幸いです。

執筆担当
医療・福祉事業部 望月絵美理