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今日の一言

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#老子

「全体を観る」致數輿無輿

數輿を致さんとすれば輿無し
―致數輿無輿―

[原文](老子)
致數輿無輿。

[書き下し文]
數輿(すうよ)を致さんとすれば輿無し。

[原文の語訳]
車の各部分を詳しく調べても、車全体は見えてこない。

[解釈]
「木を見て森を見ず」です。細かいところばかり気にしてばかりでは全体像は見えてこないということです。

個々の能力が高くても意思疎通がしっかりしていないとチームワークがバラバラとなり組

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「締め付けすぎない」天下多忌諱、而民彌貧

天下に忌諱多くして、民いよいよ貧し
―天下多忌諱、而民彌貧―

[原文](老子 第五十七章)
天下多忌諱、而民彌貧。民多利器、國家滋昏。

[書き下し文]
天下に忌諱(きき)多くして、民いよいよ貧し。民に利器多くして、國家ますます昏し。

[原文の語訳]
国の禁令が多くなると、民衆はますます貧しくなる。民衆が鋭利な兵器(または便利な道具)が多用されるようになると、国家はますます混乱する。

[解釈

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「出しゃばらない」和其光、同其塵

その光を和らげ、その塵に同じす
―和其光、同其塵―

[原文](老子 第四章)
挫其鋭、解其紛、和其光、同其塵。

[書き下し文]
其の鋭を挫き、其の紛を解き、其の光を和らげ、其の塵に同ず。

[原文の語訳]
その鋭さを弱め、そのおしろいを外し、その光を和らげ、世俗と同化する。

[解釈]
「才能を包み隠して俗世間と同化するという」という意味の四字熟語「和光同塵(わこうどうじん)」の由来です。

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「軽い気持ちには注意」軽諾必寡信

軽諾は必ず信寡し
―軽諾必寡信―

[原文](老子 徳経 恩始第六十三)
軽諾必寡信。多易必多難。

[書き下し文]
軽諾(けいだく)は必ず信寡(しんすくな)く、易きこと多ければ必ず難きこと多し。

[原文の語訳]
安請け合いは信用しづらい、容易とされることの多くは実は難儀なことが多い。

[解釈]
「軽諾寡信(けいだくかしん)」の由来です。

なんでも安請け合いしてしまって、後からできなかったで

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「恨み返さず寛容に」報怨以徳

怨みに報いるに徳を以ってす
―報怨以徳―

[原文](老子)
報怨以徳。

[書き下し文]
怨みに報いるに徳を以ってす。

[原文の語訳]
怨みに対し仕返しではなくあたたかく接するべきである。

[解釈]
「恨んでいても徳で向き合う」と寛容な心で対応せよということです。確かに「目には目を、歯に歯を」では復讐の繰り返しになってしまうだけです。

野球でも味方の選手が死球を受けると、ぶつけ返して乱闘騒

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「全部を知っていることはない」知不知、尚矣

知りて知らずとするは尚なり
―知不知、尚矣―

[原文](老子)
知不知、尚矣。不知知、病也。

[書き下し文]
知りて知らずとするは尚なり。知らずして知るとするは病(へい)なり。

[原文の語訳]
知っていても知らないふりをするのがよい。知らないのに知っているように振舞うのは病的欠点である。

[解釈]
「分かりきってること」でも再確認することで、実は勘違いしていたことに気付けることもあるのです

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「自分のことを知ることから」知人者智、自知者明

人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり
―知人者智、自知者明―

[原文](老子)
知人者智、自知者明。

[書き下し文]
人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり。

[原文の語訳]
他人のことが分かるのは智者、自分を知る者は明智の人である。

[解釈]
自分のことは案外わかっていないものです。まだ先にある限界を知らずに「これでいいや」と妥協してしまうのはもったいないですよね。相手に勝つこと以

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