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今日の一言 4冊目

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今日の一言 4冊目
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#孟子

「人も水も流れは変幻自在」性猶湍水也

性は猶ほ湍水のごときなり
―性猶湍水也―

[原文](孟子 告子章句上)
性猶湍水也。

[書き下し文]
性は猶(な)ほ湍水(たんすい)のごときなり。

[原文の語訳]
本性は渦巻く水のようなものである。

[解釈]
人の本性は渦を巻く水のようなもので、四方を問わず出口があるとそこへ流れていくようなもので、善悪どの方向へも傾くということです。

渦巻く水は勢いが増すと、中心は窪み外側は高くなります

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「明暗ともに引き寄せている」禍福無不自己求之者

禍福は己よりこれを求めざる者無し
―禍福無不自己求之者―

[原文](孟子 公孫丑 上)
禍福無不自己求之者。

[書き下し文]
禍福は己よりこれを求めざる者無し。

[原文の語訳]
災難も幸福も自分から招かない人はない。

[解釈]
人は幸福も災難も引き寄せているということです。明暗は表裏一体、片方だけを寄せることはできるはずがないのです。

運が向いてきたと調子に乗りすぎると、その先に落とし穴

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「満たしてから次へ」盈科而後進

科に盈ちて後進む
―盈科而後進―

[原文](孟子 離婁下)
盈科而後進。

[書き下し文]
科(か)に盈(み)ちて後(のち)進む。

[原文の語訳]
くぼみを満たした後に先へ流れる。

[解釈]
水は凹みに差し掛かると、そこを満たしてからその先へ流れるということです。

何事も順序立てが必要で、中途半端に先に進まないのが自然の流れです。スポーツにしても勉強にしても然りです。

いきなり海や湖のよ

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「軽い言葉は無責任」人之易其言也、無責耳矣

人の其の言を易えるは、耳に責無し
―人之易其言也、無責耳矣―

[原文](孟子)
人之易其言也、無責耳矣。

[書き下し文]
人の其の言を易(か)えるは、耳に責無し。

[原文の語訳]
人の言葉が変遷するのは、責任を持たないからである。

[解釈]
軽口をたたいたり、ころころと言うことを変えるような人は、発言に責任を持たないからだということです。

自分に責任はないと思っているから安易な言葉を口に

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「保身にも節度を」不以三公易其介

三公を以て其の介を易えず
―不以三公易其介―

[原文](孟子)
不以三公易其介。

[書き下し文]
三公を以て其の介を易(か)えず。

[原文の語訳]
三公の地位に関係なく見識をかえることはなかった。

[解釈]
立場に影響が出ることがあっても、自分の考えや節操を変えることはしないということです。

餌につられて簡単に手のひらを返したり、保身のために寝返ったりはしては信用を失いかねません。

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