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どうやって仕事を作っていくか。|フリーランスで生きていく #10

仕事をするにあたって、そういえば「営業」のようなものを私はしたことがありません。

ものづくりを仕事にしているので、ものを作って終わりじゃなくて、それが売れないと話にならない。
そのための「売る場所」はどうやって見つけたらいいのか。

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陶芸家としてはまだまだひよっこのワタクシですが、
それでもここ数年は休む暇がないくらいのお仕事をいただいております。
個展だったり、企画展だったり、卸販売だったり。
本当にありがたいご縁をたくさんいただいております。

振り返ってみて。
私が自分の仕事を作っていくにあたって大事だなーと思ったことは

・ターゲットをピンポイントに絞る
・道筋をつくる
・友達をつくる

の三本です。

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まず一つ目。
ターゲットをピンポイントに絞る。

例えば、「持ち込み営業してたよ!」という話なんかも聞くことはあるのですが、なんでもかんでも数撃ちゃ当たるで幅広く攻めればいいってもんじゃないですよね。
お店側からしたって、お店の雰囲気とその作品が合っていなければ「どこでもいいから手当たり次第なんだろうなー」とネガティブに感じてしまうのもおかしくありません。

(ちなみに後にお世話になっているお店の方々に話を聞いてみると、「アポなしで作品持ってこられても困るw」というのが大半。そりゃそうだ。
陶芸家だって、モノを売るということに関してはビジネスマンなのである。
まずはビジネスマナーきちっとしよう。)

数撃ち作戦はつまり「自分の見せ方が分かっていない」ということ。
お洋服だって、ユニクロなのか、ハイブランドなのかでは、大分イメージが変わります。
どっちが良い悪いの話ではなく。
価格帯、お客さんの雰囲気、どういうシーンで使うものを求めているのか、ということが変わってきます。

だからまずは「自分の作っているもの」は何なのかを明確にしておくことが大事。
誰に使って欲しいのか、どんなお店に置いて欲しいのか、どんなシーンで使われるのか。
ざっくり東京!じゃなくて、それは渋谷なの?上野なの?
はたまた銀座なのか表参道なのか代官山なのか。
(セクシーなの?キュートなの?どっちが好きなの?)
そういう細かいところまで具体的に想像してみます。

そうしてターゲットが明確に絞れれば、
SNSでの写真の撮り方だったり色味だったりも自ずと変わってくるはずです。
ロゴやショップカード、webのデザインも統一されてくるはず。
何を伝えたらいいのか、を考える前に、
誰に向かって話すのか、を具体的にするということ。

それがまずは大前提なんじゃないかなと思います。

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そして二つ目。
道筋をつくること。

仕事したい相手に自ら営業する、というのも、仕事の種類によっては必要かもしれません。
でも私のような仕事の場合、やっぱり理想は「向こうから声をかけてもらう」じゃないかなと思うのです。

うわーこのお店好きだなーー!
こういうお店に置いてもらえたら嬉しいなーー!
と思っていたお店から連絡が来た、というハッピーすぎる経験が私も何度かあります。
そのときは冷静に(震える手で)返事を打ちながら、心のなかでヨォオオッシャアァ!のガッツポーズ&友人に速報LINE連打。(こういうときのラリーは爆速。いつも感謝。)
これはねー、ほんとに嬉しいのですよ。

でもやっぱりとても難しい。
ただ「ここに置いてもらえないかしら〜」とぼけーっと待っててもなかなかチャンスは巡ってきません。

「相手」から「自分」までの道筋を丁寧に繋いで、
透明で見えない光のレールをそっと敷くのです(胡散臭い)。

全く何も知らない状態から「私」に辿り着いてもらうまではなかなかの距離があります。

・見つけてもらう
(インスタでたまたま見つける。お店でうつわを見る。)

・興味を持って立ち止まってもらう
(このお皿いいな、と思って私のプロフィールやホームページに飛ぶ。)

・詳しく知ってもらう
(他の作品も好きだなーと思ったり、文章も読んで共感してくれたりする。)

・アクセス方法
(ここで買えるんだ、展示会もあるんだ、ここから問合せできるんだ、どうやらコイツは東京に住んでるらしいぞ、在廊日に行けば直接会えるらしいぞ。)

・アクション!
(お店や展示会に足を運んで作品を手に取ってくれる、私に会いにきてくれる、問合せメールを送ってくれる。)

ざっくりこんなかんじでしょうか。
お客さんにしろ、取引先にしろ、アクションまではなかなかのハードルです。

その途中に小さな「つまずき」が一つでもあれば、相手はあっさり道を諦めてしまうかもしれませんね。
(ホームページがないとか、インスタの投稿が全然ないとか、どこで買えるか分かんないとか、どうやって連絡したらいいか分かんないとか。)

せっかく相手が道を見つけてくれたなら、その先の可能性を自ら潰してしまうのはとってもとってももったいないことです。

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そして最後に
友達をつくること。

長くなってきたのでさっくりいきますけど、
結局これが一番大事なんじゃないかな。

何にせよ「見つけてもらうこと」が第一出発点なんですよ。
そのとっかかりがないと何も始まらない。
超重要であり、超難しい。

そのための「人から人への力」というものを私は強く感じます。
誰かの紹介でお仕事がきたり、知り合いの知り合いみたいなかんじでご縁が繋がっていくことがとても多い。
SNSのアルゴリズムなんかにも関係してるんじゃないかと思う。(たぶん。知らんけど。)

私だって、せっかくなら好きなお店とか、好きな人が作っているものとかを、私の周りの好きな人にも紹介したいし知ってもらいたいと思う。そうやって好きが連鎖していったらとても嬉しい。

結局一緒にいて居心地がいい人って、似たようなものを好きだったりすると思うんですよね。

つくることに集中して内側に籠ってばかりいるんじゃなくて。
自分が外に出ていくこととか、いろんな人と話してみることも大事なことだと思うのです。
仕事を超えて友達になれるような人が増えてきて、私はここ数年とっても成長しました。出会ってくださった皆さん、ありがとうございます。

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というわけで、
参考になったかどうかは分からないのですが、私なりに振り返った「仕事の作り方」です。

自分自身を理解すること。
相手の気持ちを考えること。
素直になんでも楽しんでみること。

そういう単純なことなのかな、という気もします。

読んでいただきありがとうございました! サポートしていただいた資金で美味しいものを食べて制作に励みます。餃子と焼肉とカオマンガイが好きです。