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おおかみこどもの雨と雪

昨夜の金曜ロードショー。
おおかみこどもの雨と雪を数年ぶりに観た。
前回観たのは、たぶん子どもが中高生だった頃かな。

私にとって、映画とは2種類ある。
完全にエンタメとして物語、映像、音楽を楽しみ、味わえるもの。
物語に自分を投影して感情移入してしまうもの。
おおかみこどもの雨と雪は、完全に後者。



初めて観た時、一人だったから号泣した。
今回はテレビ放送で家族もいたから、泣くのを堪えた。
(泣いたけど)
泣くのを我慢すると喉がひりひり痛くなる。

昨日は、三回目の鑑賞だったから、冷静に観た。
冷静に観ると、突っ込みどころがちょいちょいみつかった。
丁寧な部分と雑な部分があるのは、わざとなんだろうか。
なんかしらの意図があってそうしてるのかな。


余計なことを思いながら観たけど、やはり泣いた。
初めて観たときからそうだったんだけど、雨と雪が、我が子とものすごく被るんだ。
活発で怖いもの知らず、天真爛漫な雪、怖がりで甘えん坊でお母さんのそばを離れない雨。
小さい頃の娘と息子にそっくり過ぎて、あの頃の我が子を投影しながら観てしまう。


娘は、一歳過ぎて歩き始めると、抱っこやベビーカーは嫌い、私の手を振りほどいて一人でずんずん歩いていく子だった。
初めての場所でも物怖じしないで思いっきり楽しむ子だった。
初めて幼稚園バスに乗る日も、私の心配をよそに、ものすごく嬉しそうな笑顔で手を振っていた。
自由にぱっと走っていってしまうから、姿が見えなくなって探したことが何度もある。
買い物中にいなくなり、違う階のマックの子ども椅子に一人で座っていたときは驚いた。3歳児がマックの子ども椅子に一人でよじ登って、満面の笑顔で座っていたのだ。

娘の三つ下の息子は、抱っこが大好きで臆病で、私のそばを離れなかった。
保育園に行きだしたときは、一週間くらい泣いていた。
いやだ、行きたくないとわーわー泣くんじゃなくて、私と繋いだ手を離さずぎゅっとしたまま、しくしく泣いていた。
虫を異常に怖がっていて、外で遊んでいてアリが足に上ってきたら号泣。
ハエが部屋に入ってきたら号泣。
ウルトラマンの怪獣が大好きで集めていたんだけど、欲しいとは言わず、怪獣売り場で欲しい怪獣を見つめては、しくしく泣く子だった。


そんな、まるで雨と雪のようだった我が子が、まるで雨と雪のように成長していった。

毎日が楽しくて仕方ない感じで天真爛漫だった娘は、空気を読むようになり、人に合わせるようになっていった。
怖がりで甘えん坊だった息子は、好きなことを見つけ、友達と過ごす時間が多くなり、無口になっていった。
子どもが成長していくのは当たり前で、手が離れ巣立っていくのも当たり前なんだけれども、実際にその時が来ると、育てた満足感、達成感より、さみしさが勝った。


息子は、5歳までおねしょしてた。夜中、おしっこの匂いがぷーんとしてきて目が覚める。布団に手を入れるとおしっこがまだあったかい。
わたしは全然、聖人君子じゃないんだけど、おねしょにイライラしたことは一度もない。
おねしょすら、愛おしかった。
あたためたタオルで拭いてあげて着替えさせて、私の布団に入れてまた寝かしつけるとき、とても幸せだった。

お腹にいた時から大事に過ごして、夜泣きで寝てくれない日もお熱の日も嘔吐の日も下痢の日も、大切に抱っこして育ててきた我が子は、今、25歳と22歳。
一時は二人とも家からいなくなったけど、二人とも戻ってきた。
二人がいると、ご飯を作るのが全然嫌じゃない。
美味しいものをたくさん食べさせたい。



映画の最後、お母さんが雨の遠吠えに耳をすます。

子育ての黄金期は終わっても、母親業は永遠に終わらないのだ。












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