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歳を取っても上達できる、ということ

 歳をとると身体に様々な影響があります。特に「老化」によって体力や柔軟性して身体がだんだん動かなくなると言われます。
 ただ、私個人の感想で言うと、若い頃(20歳とか)より今の方が身体が動くという実感があります。それは、私が日頃肉体労働をしているのが影響していると思います。

 私が最初に就職したのは大学の事務職員だったので、仕事で身体を使うことはほとんどありませんでした。休日に運動することもありましたが、せいぜい週に1度、1時間程度の運動です。仕事の昼休みに走っていた時もありましたが、それも日に2,30分なものです。
 それに比べて、今は最低でも日に8時間、冬でも汗をかく程度の強度の運動をしています。運動って言うか仕事なのですが、それくらいの強度で身体を動かしているので、事務職員の時より遥かに多い運動量です。

 また、毎日肉体労働で疲れているので、事務職員の時より身体のケアをするようになりました。
 日々の疲れを次の日に残さないためにストレッチをしたり、身体の負荷を軽減する動き方を学ぶために身体操法を調べたり、トランポリン買って跳んだり。トランポリンはただ私が飛んだり跳ねたりしたかっただけだから関係ないかもしれないですが笑
 少なくとも、事務職員の時より身体の様子や状態を気に掛けることが増えたので、身体の調子は20代のときよりもずっと良いです。

 そういう私の経験から、よく言われる「歳をとると身体が動かなくなる」というのは工夫次第で変わるのではないかと思います。
 確かに、基礎的な体力や睡眠による疲労回復力などは衰えます。夜更かしもできなくなりました。しかし、日々の身体の動きについては、工夫次第で伸びると思います。

 そう思うもう一つの理由は、甲野善紀先生という実例がいるからです。
 甲野先生は今、70歳を超える年齢になりましたが、未だに新しい武術の技を開発されています。「今が一番身体が動く」という言葉はもう数十年前からずっと甲野先生の口から聞いています。
 以下の動画でも語られていますが、20代30代がピークで後は下り坂、という考え方が一般的ですが、それを超越する方々というのが確かにいます。


 私が甲野先生ほどの動きをできるわけではないので、甲野先生と同じことを言うのは僭越ですが、私自身の実感からも身体の動きには歳を重ねることで熟達するものはあると思います。

 歳を重ねることで身体の動きが熟達する理由の一つに、まさに「老化」というものが影響すると思います。
 例えば重い荷物を持つことでも、若いうちは力に任せて持ち上げることができますが、筋力の衰えた歳を重ねた時では力任せに持ち上げることができません。そのため、力に頼らず身体の使い方を工夫して荷物を持ち上げないといけません。それは例えば、力みを無くすことで大きな働きができるようになる工夫かも知れません。
 そういう意味では、若い時より筋力が衰えた中年以降の方が身体をより合理的に動かす探究をするための機会が得られるとも言えます。

 たしかに、多くの人にとっては歳をとったら身体が動かなくなる実体験として感じていることなので、こういう話を聞いても「それは特殊な例でしょ」と思われると思います。
 しかし私は甲野先生という実例を実際に見て、実際に技を受けることで「あ、歳を取っても動きを上達させることはできるんだ」と実体験として感じたので、私も歳を重ねることで上達できると信じられるのです。
 そして私自身も日々の工夫によって身体の動きを向上させられている実感があるので、「歳を重ねても身体の動きを上達させることができる」ということが一部の人だけの特殊な事例とは思えないのです。

 
 
 「歳を取ったら衰えるしかない」という考えで生きるのと「歳を重ねるごとに上達できる」という考えで生きるのとでは、歳を重ねることに対する印象は大きく変わるでしょう。そして、後者の考えの方がよりワクワクする生き方ができると思います。誰であれ「これからは衰える一方」と思うと心も委縮してしまいがちになるからです。
 これはどちらの考えが「正しいか」という話では無くて、どちらの考えの方が「生きていて居心地が良いか」という話です。どうせなら、生き生きとして生きられる考えで生きた方が良いと思います。
 歳と共に上達できるという考えで生きるには、歳を重ねる毎に上達している人に実際に会って「こういう生き方ができるんだ!」と体感するのが一番だと思います。実際にそれを体現している人に会うことで、自分自身の身体の可能性を信じることができると思います。
 甲野先生ほどの上達ではないにしろ、私も歳を重ねる毎に上達していくことで、その証明をしたいと思っています。


 本日は以上です。スキやコメントいただけると嬉しいです。
 最後まで読んでくださりありがとうございました!