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横山成人
2022年2月21日 22:50
それでは「無形」の性質、「無形」による勝利の特徴について説明していきたいと思います。「無形」というものがどういう性質のもであるか、虚実篇では四つを挙げています。それでは本文を見てみましょう。【書き下し文】兵を形(あらわ)す極みは、無形(むけい)に至る。無形ならば、即ち深間(しんかん)も窺(うかが)うこと能ず、智者も謀ること能わず。形に因りて勝を衆に錯(お)くも、衆は知ること能わず。人は皆
2022年2月21日 22:08
虚実篇は、4段論法で理論が展開します。一つ目が、人を致して致されず、つまり「佚」と「労」の関係 二つ目が、「無形」の説明三つ目が、「無形」を使った戦い方四つ目は、勢篇の理論に戻り、「正奇」の戦法の組み合わせによって「虚実」を作り出すこと、つまりそれは、無限の組み合わせがあり、掴みどころがなく、また再現性がないということを述べます。【書き下し文】夫(そ)れ兵の形は水に象(かたど)る。
2022年2月21日 19:28
虚実篇の真骨頂は、多勢の敵を相手に、奇正の兵法を使い分け、敵軍に自軍を秘匿する「無形」によって、局所的に優位性を作り出す方法について述べました。そのポイントはいつどこで戦うのかという情報でした。次からは、実際の強敵を想定して、どうするかについて詳細に説明していきます。孫武が仕えた「呉」の強力なライバルである「越」とどうやって戦うかであります。【書き下し文】以て吾れ之を度(はか)るに、越人
2022年2月21日 11:24
ここからは孫子の兵法の奥義中の奥義「無形」について解説します。「無形」を理解するためには「形」が何なのかを知らなければなりません。「形」を単なる軍の態勢、形としての形と解釈していると「無形」の本質を理解することはできません。「形」は戦力充実、戦力集中の状態であり、攻撃力も防御力もあるが、敵からは状況を把握されてしまう体勢です。「無形」はその反対で、戦力が拡散し、秘匿されるが、その時は攻撃
2022年1月28日 13:35
【現代訳】孫子は言う。「敵よりも早く戦場に到着して敵を待ち構える者は元気であるが、後から戦場に到着して戦闘に向かう者は疲弊する」と。そういう訳では上手に戦う者は、相手を自分の思うように動かすことができるが、反対に相手に動かされることがありません。例えば、敵軍に来て欲しい所に自ら進んで来させることができるのは、その地に来ることによって利益が得られるように仕向けるからです。逆に敵軍が我が方に来な