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ボクシング初心者女子が上達するコツ。超入門編

ボクシングを始めたとして、どうすれば上達できるのだろうか?
空手や合気道など、他の武術系スポーツをやっていれば、実は上達は早い。
が、何もスポーツをしてなかった女子が、ボクシングでどのように上達をするかを考えるのは、難しいかもしれない。
そこで、今回は超私見で、初心者女子に向けて、ボクシングが上達するコツについて、書いてみた。


1.目標を設定しよう

・まずは、目標を設定しよう。


ボクシング自体がうまくなりたいのであれば、目標を設定しよう。
ボクシングは地味なトレーニングの積み重ねなので、目標を設定した方が体感を得やすい。つまり、自分が今どの程度上達しているか客観的に理解しやすくなる。
また、会長やコーチにあらかじめ目標を伝えておくことで、自分ではわかりにくいわずかな成長を指摘してもらえたりするため、モチベーションアップにもつながる。

きれいなフォームを習得するまでにするのか? 
2R続けてのミット打ちに耐えられる位の体力がつくことを目指すのか?
マスボクシングや、軽度のスパーリングなど、試合ができる位まで目指すのか?
ちなみに、難易度は上から下にむけて困難になる。
スパーリングまで行くには、人によって、半年~1年、それもジムに週2~3回は通うことが必要となるので(場合によってはもっとかかる)、ある程度の地味な忍耐力が必要となってくることは、心に留めておいた方が良い。

もちろん、ダイエットやボディメイク、体力アップなども立派な目標だ

・目標を設定するにあたって大切なこと

一番大事なことは、人と比べないこと。
試合に向けてハードなトレーニングしている横で、ダイエット目的で動くことに引け目を感じる必要はない。
上達の早い人も遅い人もいるが、遅いからといって、焦る必要はない。
後述するが、動きの仕組みを理解さえすれば、あとは身体が動いてくれるのを待つだけなので、単純にトレーニングをしていれば、フォームを覚えるまでは誰でもできるようになるのがボクシングなのだから。

次に大事なことは、目標達成に向けてトレーニング毎に現状確認をし、周囲に理解を求めること。
入会時に、目的を書くことがあると思う。
もし、試合形式まで望むのであれば、そこにはっきり、マスボクシング、スパーリングなどに印をつけるべきだ。
そうしないと、女子というだけで、ダイエット目的だ、と勝手に判断されて、練習メニューが変わってくることがある。

もし、ダイエット目的として入会したものの、ジムの空気などにより、試合に向けて気持ちが傾いてきた場合は、会長や責任あるポジションのコーチに「ライセンス取得は目指さないが、試合に向けてトレーニングをしたい」という希望を伝えよう。
試合を希望しなくても、「ダイエット目的ではなく、ボクシングをスポーツとして楽しみたい」という旨がある場合についても、私は伝えた方がいいと思う。

ライセンスが取れる取れないで遠慮することは、私は必要ないと思う。
というのも、ボクシングは個人練習がメインなので、練習量は自分で調整できるから。シャドーイングを何度もやるも、やらないも、練習生の自由だ。
どのような目標にせよ、自分の素直な気持ちでトレーニングした方が、きつくても地味でも楽しいはずだ

また、試合を目指すのであれば、自分の今行っている練習内容や、達成した部分、未達成な部分を客観的に見つめることが必要だ。
練習する際、どこを直してどこを強化したいのか? 考えて取り組もう。

2.フォームの上達に向けてチェックするポイント

・ボクシングは全身運動

ボクシングは全身運動だ。
パンチをする時は、腕だけを出すのではない。
足先、膝、太もも、腰、腹斜筋、背筋…身体の全てを使い、ジャブなりストレートなり、フックなりを出してゆく
ここは、絶対に覚えておいてほしい。

詳しい打ち方については、このページより、ジムにいるコーチに聞いた方が良い。
コーチによって、考え方が違うものだし、外で得てきた知識(しかも薄っぺらい)を嫌がる場合もあるだろう。

コーチにもらったアドバイスを元に、自分の理想のフォームや試合での動きをイメージしながらシャドーイングを何回も重ねるのが、上達のコツだ。
基本的なボクシングのフォームの作り方は、体系的だ。一定のメカニズムのようなものがある。
メカニズムのようなものを理解しないで練習をすると、コーチが説明をしてくれても、お手本となるフォームを見ても、自分のフォームに落とし込みにくい。

そこで今回は、初心者がどこを注意して練習したらいいのかイメージが沸くよう、チェックした方が良い身体の場所について、ざっくりと私見を入れて説明してゆきたいと思う。コーチにアドバイスをもらったり、手本となるフォームを見せてもらう時のチェックポイントとして参考にしてほしい。

・踵をわずかに浮かせて足の指の腹で身体を支え、母指球重心で力の移動ができているか?

前回の記事でも述べたが、ボクシングにまず大切なのはフットワークだ。

なぜ、足の指の腹(つまり中足骨)を使って立たなければならないかというと、速い移動と素早いパンチを打つためである。

足の裏全体をべったりとつけて、ド正面を向いて力強いパンチが打てないかといえば、打てる。これは空手で証明されている。
が、ボクシングは12ラウンドを戦い抜かなくてはならない。
パンチを打ったあと、身体をずらして防御したり、次のパンチへの連打、コンビネーションを行わなくてはならない。そうしないと、相手のパンチが飛んでくるからだ。
速いパンチを打ち、素早く身体をずらして次の動きに移るには、足の裏全体をべったりつけたままでいると、速度が落ちるのだ。

また、中足骨で身体を支えつつ、下に重心を落とすことも忘れてはならない
初心者あるあるで、ミット打ち中に、腰を浮かせて腕だけを横に振るようにして連打することがあるが、これはミット打ちでしか通用しない。マスなりスパーなりの試合で前傾姿勢を取れば、相手は攻撃を交わして、前傾姿勢で崩れたバランスに強烈なパンチを打ち返してくる。
ミット打ちの時は、相手が支えてくれるから、前傾姿勢でも連打ができるだけだ。力強いパンチが打ちたいからといって、腕に重心をかけるあまり、腰が浮くことはあってはならない。
ワン・ツーのフォームで打ち込む際、恥骨や肛門は基本的には下を向いている。
踵を浮かせながら、必要以上に浮かせすぎず、重心は下方向で、アキレス腱含める脚の後ろの筋肉にも力が伝わっている状態が、打ち込む際の基本的なフットワークだと思う。

フットワークは、スポーツが苦手なタイプの女子にとって、残念ながら少々練習したところで身につくわけではない。ある程度楽にできるまで、私は四か月かかった。
何度も何度も練習を重ねていると、踵を浮かせて前後に体重移動させているのが楽になる瞬間が、急にやってくる。かなり感覚的な領域で、練習を繰り返すことで体感をつかんでいく、としか言いようがない。
コーチに時折チェックをしてもらいつつ、時間をかけて身につけよう。

・つま先と膝は手の先と同じ方向に動いているか?

つま先と膝で方向を変えて、腰が動き、肩甲骨から腕、手の先に力が伝わり、ジャブなりストレートなりフックを決めるのがボクシングだ。
つま先と膝は、船の舵のようなもの。
ジャブならまっすぐ前に出る、フックなら曲がる(あまり動かないフォームもあるかもしれないが)。
膝は特に大事な部分で、いかに位置を固定しながら、やわらかくバウンスし、腰の動きを支えられるかが求められる。攻撃を避けたり、早く打ち込むのがうまいボクサーの多くが、膝を上手に使えている。
フックを身に着ける際、足先を微動だにせず、腕だけ回している人がいるが、動かした方が良い。
どの程度動くかは、自分の身体と、コーチに聞いてほしい。
コーチや上手い選手のフォームなども参考になるので、ジムで直接観察するなり、動画なりでチェックするのも良いだろう。
そして、片足は腕と同じ方向に動くが、もう片足は次の攻撃や防御など、重心が移動した分の身体を支えたり、次の動きに備えることも大切だ。
とりあえず、左腕が動く時は左足先と、右腕が動くときは右足先が同じ方向に動く。
ちなみに、ジャブやフックをする時は、踏み込んだ足(つまり攻撃する時に伸ばす腕の下にある足)に、体重がのる。
足については、腕以上に、動かすタイミングと身体を支えるためにとどまる所を見極めることが必要になってくる。
ぜひ、選手やコーチの手本をしっかりと見てほしい。

・腰の回転、腹斜筋が使えているか?

足も動くが、腰も動く。
伸びるパンチ、というのがある。
腰がきれいに回ると、それに合わせてお腹の脇の腹斜筋から背筋の力が腕に伝わりやすくなり、自然とリーチが伸びる。
平均身長が男性より低い女子にとって、リーチの長いパンチを出せることは重要だ。
骨盤を倒したりのけぞったりさせず、直立させたまま腰を回すのもポイント。直立した姿勢で、太ももの付け根にテニスボールを挟んだまま、グイっと腰を回すようなイメージだ。
腕だけをぶん回すようにパンチするのではなく、太ももの付け根から骨盤を捻じり、腹斜筋を回すことで、背筋の力を腕に伝えて、強いパンチを出す。井上尚弥選手が「背筋も喜んでるわ」とコメントを残したように、背筋が強く上手に使えている選手は、パンチも強い。また、背筋の移動する力を支えているのは丹田、腹筋になるので、背筋が強い選手は、腹筋さえも強い。

ワン・ツーは、ジャブで足を踏み込むと同時に伸ばした腕を、腰の力で戻し、腰の力でXの字を描くように反対側に戻してやり、背筋の力を腹斜筋をきちんと捻じって腕に伝えれば、素早く強く打てる。そして、この時ジャブで伸ばした腕は戻してから、ストレートを打つこと。

ちなみに、腹斜筋を捻じる動きは、確実にウエストを絞るので、ウエストが細くなる。きれいにワン・ツーができるようになった頃には、サイズダウンができているはずだ。ボディメイクやダイエット目的でボクシングを始めた人も、せめてワン・ツーだけは、シャドーでもサンドバック打ちでもミット打ちでも、常に正しいフォームで打てるようにしておいた方がいい。

ワン・ツーが全ての動きの基本になる。ワン・ツーはコーチに丁寧に指導してもらいながら、ゆっくりきっちり覚えよう。

・まっすぐに腕が伸びているか?

強いストレートパンチを打とうとジャブの後にストレートを出す際に、上から肩を回すように出すのは、初心者にとっては良いフォームではない(オーバーハンド系のパンチやフックなどをするのなら別)。
まずはジャブを出した位置に向かって、ストレートをまっすぐに出すこと。この際、腰の力を利用して、腹斜筋を捻じり、そのまま背筋から腕を伸ばすようにストレートを出す。私は背筋の力を腕に流すイメージで、ストレートを打っている。
この時、腰がジャブの時と逆方向に十分に回転できていれば、腹斜筋がジャブの時より遠い位置から早く動かせるので、背筋も使いやすくなり、ジャブより強いパンチが早く出るはずだ。
この時、必要以上に肩が入ってしまうと、肩を回す分遅くなるので、相手がよけやすくなってしまう。また、背中が力んでしまうと、スムーズに次の動きに移りにくくなったり、疲れやすくなってしまうのも良くない。
を入れずに、まっすぐにストレートを打てるようにしよう。

お手本のフォームをコーチなどから見せてもらう時、腕の動きばかりを見て、全身をチェックしないのは、とてももったいない。
足先から肩まで、全身を見れる位置まで下がって、下半身の動きと腕の動きがどのように連動するか、観察しよう。

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