天然記念物と言えば。 -沖縄自転車旅3日目-
本日のルートは、国頭村奥→金武まで
天然記念物の鳥
朝ごはんを食べていると、見たことのない鳥がやってきた。
とっさにスマホのカメラで写真と動画を撮影した。オーナーさんに撮影した写真を見せると、アカヒゲという天然記念物に指定されている鳥だと教えてくれた。かなり近くまでやってきたため、人懐っこい種類なのかと思っていた。しかし、そのようなことはなく、鳴き声はよく聞いても、姿はなかなか見ることがない、ということだった。
天然記念物に指定されている鳥、ヤンバルクイナは見ることができなかったが、アカヒゲという初めて見る生き物のことをちょっとだけ知ることができて少しだけほっこりした。
東側ってなんかヤバいらしい…
この日、本当は国頭村の東側のほうに抜けるつもりだった。しかし、沖縄県であったほとんどの人に、「東側は坂道が多い」、「自転車で行くのはかなり大変だよ」と言われ、”超”が付くほど自転車初心者であった私はびびって安全に移動できるほうを選んだのだった。
空の間indigoのオーナーさんに朝食時に国道58号線をどのあたりまで戻れば金武町に行きやすいかというルートを教えてもらい、結局前日と同じ道を通り名護市まで戻ることになった。
この奥に見える注意標識に「カメ注意」初めて見る標識だった。カメが道路渡るんだ…と、先日の「カニ注意」同様驚いた。
名護までの道は、一度通った道だからなのか、風向きが追い風だったからなのか、先日よりも速く進むことが出来た。前日は進むことに必死で気が付かなかった地元の球団、日本ハムファイターズのキャンプの旗が立っていたのが見えた。
道中何度か豚が乗ったトラックが自分の横を通り過ぎていくことがあったのだが、磯の香りよりも家畜の匂いのほうがなんとなく落ち着く…ような気がした。幼い頃から、某大学の横を通っていたこともあり、家畜の匂いは嗅ぎなれているためだろう。
名護のどこかで山のほうに向きを変え、しばらく自転車を押して坂を登った。山は写真も撮影していないし、暑かった記憶が強く残っている。1時間ほど歩けば、山頂付近まで進むことが出来た。その先はほとんど下り坂のため、スピードに注意しながら自転車に乗っていた。風を切って、最高に気持ちのいい瞬間である。
またまた海が見えてきた。
本日の宿泊場所とキンタコ
しばらく走り続けると、本日の宿泊先に到着!とその前に、チェックイン時刻よりかなり前に到着しそうだったので、一度場所を確認してから、金武町で有名な「キンタコ」と呼ばれるタコスを購入しに行った。今日の夕飯はタコス!
なんと、このコテージを一人で使う。それでも、金額は3000円しないくらい。沖縄って宿泊場所の価格設定が良心的過ぎて、逆にいいのか!?ってなってしまう。ちなみに、自転車のハンドルについているビニール袋は買いたてほやほやのタコス。
タコス!
ボリューミーで、野菜を大量摂取出来て、美味しかった。当時の味の思い出はすでに消えてしまっているのだが、暑さでやられかけていた時にピッタリである。かなり、がっつり食べられ、十分満足できる。今度行ったら、別の味を頼んでみたい。
近くに砂浜もあり、ちょうど日が沈むタイミングだったので行ってみることにした。
しかし、一人ではしゃいでいるのが寂しくなってきたので、沈みかけで帰ることにした。
なんかいる。
コテージに戻り、2階に行くと寝具が置かれていた。
布団を一式確認したあと、私は何かの気配を感じた。顔を上げた次の瞬間、
トトトッ…
壁を何かが走っていった。あのフォルムは、絶対にトカゲ、またはヤモリ。とにかく爬虫類系のヤツ。
「ギャッ!!!!」
久々に叫んだ。2階で寝ると、この子と一緒に寝ることになるのかもしれない…。悪いことをしてくるわけではないことはわかっているのだが、暗い中音を立てて動かれたら眠れないだろう。私は、2階に置かれていた布団を一階に運び、その作業以降、その日の夜は2階に上がらなかった。
コテージは一人で泊まるものではない。家族や友人と泊まるからこそ、楽しい思い出になるのだということを、思い知ったのである。
別に私になにか危害を加えてくるわけではないし、むしろヤモリのほうからしたら私が侵入者なのだ。ヤモリは悪くない…と思いながらも私は正直なところ彼(彼女?)の気配を感じたくなかった。
誰かがいれば全く問題なく立ち向かえるし捕獲できるのに。一人ってなんて心細いんだ!と、3日目でやっと一人旅の辛さを感じた。
この日は1階のテレビを付けながら寝た。
(公開日時 2020年5月19日)
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