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【AquaAge創業ヒストリー】ビューティーテック事業に懸ける想いと未来の展望

前回は私の詳しい生い立ちから、起業に至るまでの経緯についてお話しさせていただきました。

今回は、私がなぜ、AquaAgeを創業したのか、そしてどのような思いを持ってスキンケア分野にたどり着きどのように課題解決を図ろうとしているのか、今後の会社の展望も踏まえてお伝えしていきたいと思います。


紆余曲折を経て積み上げてきた創業までのキャリア

来日後、結婚・出産を経て起業を目指し大学院でリスキリング
私は昔から「いつか起業したい」と強く思っていましたが、まずは企業というものを知るために大学卒業後は就職を選びました。その就職先でたまたま日本に出向する機会があったのが、来日のきっかけです。
組み込み系のソフトウェア開発を行いながら、中小企業で働くためのベースとマネジメントまでを一通り経験しました。その後、派遣業務なども経て結婚・出産にまで至ったのは前回記事にも書いた通りです。

1年半ほどキャリアの空白期間を経てから、私は今一度自分のエンジニアリングスキルを高めるために大学院を受験しました。最終的に起業を目指すのであればほかの分野を学ぶ道もありましたが、やはり自分自身の強みとして活かせるのは、エンジニアリングだという思いがあったからです。それにテックベンチャーであれば10年、20年先もスケールできるだろうという見込みもあったため、さらなる技術スキルの向上を図りました。
名古屋大学大学院情報学研究科に合格した後、幸運にもデータサイエンスを基軸にした起業支援を行っている実世界データ循環リーディングプログラム(RWDC)に採択され、経済的な支援を受けながら起業活動がスタートしました。

RWDCに採択された時の集合写真

自分の経験や興味のあることから見えた課題

わざわざ苦労して起業をせずとも、どこかの企業に就職するのももちろん人生の選択肢の一つだったとは思います。しかし実際のところ、私は日本国内で女性エンジニアとして働くことに大きなハンデを感じていました。
まだまだこうした状況の中で自分のやりたいことをやるなら、起業するしかない。大学院での経験によって、起業への思いが一層強くなったのです。

スキンケアに関する課題に気付き、ビューティーテック分野へ進出
起業してから最初の3年ほどは、主に自動運転系のシステム開発に関わる業務を手掛けました。自動運転のシミュレーション環境の構築や、実験のためのデータアノテーション業務などです。
ここからビューティーテック企業へと舵を切ろうと決意したのは、30代を迎えた頃です。今後の事業展開を考えたときに、ふと「自分はスキンケアが好きだ」と思い至りました。もっと理解を深めてみようと大手化粧品メーカーのビューティーアドバイザー研修を受け、改めて気付いたのがスキンケアに関する課題です。

RWDCで独創研究として肌画像解析プロジェクトを立ち上げた。

スキンケアは女性なら誰しもが当たり前のように行っているにもかかわらず、実はどんなケアをすればいいのか明確にはわかっていないし、肌悩みを抱えている女性も非常に多い。しかも、自分以外にこの課題を根本的に解決しようとしている人には、出会ったことがありませんでした。
自分たちなら、スキンケアに関する「客観的なデータを元に、ユーザーに寄り添った」ITソリューションを提供できるのではないか。そう思い、ビューティーテック分野へ進出すると決めました。

肌解析結果の精度を検証するために美容施設に訪問調査

肌測定を起点に「その人に最適なスキンケア」を提案したい

スキンケアに関する根本的なニーズにフォーカス
当社が今提供しているのは、「HADABON」というAI肌測定アプリです。自分の肌の状態を、キメ、毛穴、ニキビ、黒ずみ、くま、シワ、シミ、水分量の8項目から測定可能になっています。

今までの肌測定は、どちらかというとエンターテイメント的な占いや特定のブランド商品の販促、あるいは集客ツールの側面が強いものでした。しかし実際のところ女性が求めているのは自分の「肌年齢」を知ることではなく、「先月の肌の状態はどうだったのか」という変化の履歴や、「肌測定の結果、自分はどんなスキンケアをしたらいいのか」という指針です。
私たちが目指すのは、こうしたスキンケアの根本的なニーズと悩みにフォーカスしたサービスです。

特定のブランドはレコメンドせず、商品選びの指標を作る
そこで当社が現在急ピッチで開発しているのが、肌測定の結果と利用しているスキンケア商品・化粧品との関係性のモデル化技術です。HADABONでは自分の肌状態をデータとして記録できるので、そこに対して自分が使いたい、あるいは使っている商品が本当に合っているのかどうかを確認できるようにしたいと思っています。あくまで自分に合っている商品を選ぶための指標を示すものですから、特定のブランドのレコメンドは考えていません。
テクノロジーを利用して、誰もが無駄な試行錯誤を減らせる、より簡単に自分にとって正しいものを選べるような世界観を作りたいというのが、私の願いです。

HADABONの浸透に向けてソーシャル性にフォーカスした機能開発を検討中以上のような未来に向けて、直近で取り組むべきはHADABONの浸透です。傾向として、HADABONは「誰かが使っているから自分も使ってみる」というソーシャル的な面があるため、ここをキーにしながらSNSや友人同士での共有機能を強化していく予定です。
認知拡大を行った結果、C向けとB向け、どちらに注力するのか判断していこうと思います。実際に今はB向けのサービスをローンチもしていて、患者さんとしてアプリを使うユーザー数が増えたときにどんなアプローチができるのかもさまざま実験中です。

スピード感を持ってAquaAgeの未来を描くために

バイオテック観点でのアプローチ方法を探り続け
AquaAgeの最終的なミッションは、「テクノロジーで人間の可能性を拡張する」です。そういう意味では、上記で述べたような事業展開のほか、バイオテック的な視点でさまざまなスキンケアのアプローチを探っていきたいと考えています。例えば肌の老化現象も要素の一つです。バイオテックによって肌の老化を抑える、常に最適な状態を保つような仕組みを作れるかもしれません。
こうした取り組みが、いずれは大量生産・大量消費によって破壊される環境の改善にまでつなげられたらうれしいです。

弊社の顧問の大山先生、野田院長と一緒に共同研究中

採用では学歴や経歴、ライフスタイルを問わず人間の「本質」を評価
新しいテクノロジーに挑戦する以上、開発にはやはりスピード感が重要ですし、データを基にしながら論理的に物事を判断していく必要があります。その上でグローバル視点を持って探索的なチャレンジができる方がいれば、ぜひジョインしていただきたいです。
私はどちらかというとクリエイティブ寄りの人間なので、地道に計画を立てて実行する力がある方も大歓迎です。お互いの強みを補完し合いながら、目指す理想を具現化してくれる人と一緒に働きたいですね。

採用基準に関しては、学歴や経歴はあまり重視していません。すでにAquaAgeは多様性に溢れたメンバーが集まる組織であることも踏まえて、人間の本質的なところを見ながら採用を進めていきたいと考えています。
特に支援したいのは、子育て中の方ですね。私自身、就労経験・就労予定がないために保育園申請ができませんでしたし、保育園に入れないから余計に仕事も探せないという、矛盾した状況にかなり困った経験があります。もし同じ状況の方がいれば、一緒に働けるような職場環境を作りたいです。

最後に:ビューティーテック事業の魅力と会社が目指すべきもの

スケーラビリティのある事業によって「チャレンジできる会社」へと成長する

スキンケア領域はレッドオーシャンですが、肌状態の数値化をはじめとしたデータサイエンスやテクノロジーによる「自分の肌をきれいにして、大切にする」という行為は、誰にとっても必要な健康維持の方法の一つです。このテーマは日本だけではなく世界中の人に該当するため、非常にスケールの大きいビジネスになるでしょう。
しかもスキンケアは今日、明日やっただけで終わるのではなく、一生やり続ける必要があります。影響度の深さも、この事業の魅力です。

事業をスケールさせるのとともに、私はAquaAgeを「頑張っている人が報われる会社」に成長させていきたいと考えています。会社にコミットしたらリターンを得られるような仕組みは、必ず保証します。
また、私自身が子育てをしながら起業しているからこそ、私と同様に子育て中でブランクのある方はもちろん、まだ大学生で何かにチャレンジしたい人まで、ぜひジョインしてほしいです。ぜひ興味を持っていただけたら、お気軽にお声がけください。






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