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売れると分かっていても世界観が壊れるなら手を出さない!

新潟生まれ新潟育ち、ブランディングプロデューサーの亀山です。

Narashika(ナラシカ)という屋号でフリーランスとして活動しています。

今日は、ブランドの世界観について。

業界を超えたあるあるだと思うのですが、「売れるから新商品を取り扱い始めたんだ!」っていうシーン。

「え、なぜあなたのお店が?」「ぜんぜんらしくないけど?」「どした?」っていうやつです。

今回は人づてに聴いたリアルな話があるので、その例をもとにブランドの世界観について一緒に考えていきましょう。

お客さんからの要望があって・・・

先日、知り合いから興味深い話を聴きました。

それは、オーガニック素材にこだわっている美容室が、ドン・キホーテなどでも販売されている安価なシャンプーやトリートメントを取り扱いはじめて、違和感を覚えたというもの。

その知り合いは、「え、なんで?」と思い、直接お店の人に聴いたそうです。

すると、「あくまでウチはオーガニックっていうのを売りにしているけど、それを求めていないお客さんも実際に来てくれていて、要望があるから販売をはじめました」とのこと。

この話を聴いた亀山は「むむむ・・・」と思ってしました。

「お客さんからの要望があって、喜んでもらえるから」という言い方もできますが、つまりは「目の前の売上が欲しい」っていうことじゃないかと感じたからです。

こんな事言うと、「お前に何がわかるんだ!」と叩かれるかもしれませんね。

実際に、人づてに聞いた話なので、その美容室の本当の考えやもともとのコンセプトが分かっているわけじゃないので、偉そうなことを言える立場ではないです。

ですが、少なくとも亀山のその知り合いは、その美容室に対して少しマイナスな印象を受けてしまったことは紛れもない事実です。

そのことを踏まえて率直に感じたことを書いていこうと思います。

売りたい気持ちはすごいわかる!

ちょっと整理すると、今まではお店のコンセプトに合わないから取り扱っていなかったシャンプーやトリートメントを新しく取り扱いめましたと。

その理由は、お客さんからの要望があったから。

で、亀山的には、「売れることが分かっているから、目の前の売上を取りに行ったのでは?」と感じたっていうことです。

もちろん、美容室もコロナの影響で今まで通りの営業ができなかったり、集客に苦戦していたりするという状況はあると思います。

売上は減る、でも従業員には給料を払わなければいけない。

だから、売上をつくるしかないという思考は至極当然の流れです。

けれど、ブランディングプロデューサーとして仕事をしている以上、美容室の世界観は大切にしたいなーって思っちゃいました。。。

今回の場合で言えば、オーガニック。

きっとその美容室に通っているお客さんは、コスパを求めてるのではなく、少し値段が高くても自分のために良いサービスを受けたいと思っている人が多いはず。

お客さんそれぞれにその美容室に対しての良いブランドイメージがあったと思います。

だから、取り扱っているシャンプーやトリートメントも、こだわって選んだオーガニック系の商品が並んでいたわけです。

「そこにドン・キホーテでも販売されているような商品が並んだら」って考えると、少し残念に思えてしまいました。

お店のコンセプトに共感してくれて通ってくれているお客さんと、そうじゃないお客さん。どちらがその美容室にとって大切なお客さんか。

オーガニックとはかけ離れた商品を取り扱うことで、喜んでくれるお客さんはいるかもしれません。

ですが、逆に離れていくお客さんもいるはず。

まさに「二兎を追うものは一兎をも得ず」だと思います。

お客さん全員に喜ばれるサービスを求めたら、気付いたら誰にも喜ばれないお店になっちゃった・・・ていうことだけは避けたい。

その美容室に来る意味をしっかり感じてくれているお客さん、つまりはお店のコンセプトや世界観に共感してくれている本当のお客さんを大切にすることはやっぱりいちばん優先しないといけないことだと思います。

仮に「1000円安くしてよ」と言われたら?

とはいえ、まだまだ「お客さんが喜んでくれるんだからいいじゃん!」と思ってしまう人も多いかもしれません。

もしかしたらあなたも?

ちょっと見方を変えてみましょう。

今回の場合は、「お客さんが喜んでくれるから、お店のコンセプトとは真逆のシャンプーやトリートメントを取り扱い始めた」というわけです。

仮に、「多少カットが雑でも良いし、使ってるタオルももっと安いのでいいし、マッサージもいらないから、料金を1000円安くしてよ」と言われたらどうするでしょうか?

これも紛れもないお客さんのニーズであり、このニーズに応えればお客さんは喜んでくれます。

でも、きっとこの要望には応えません。

「申し訳ありません、ウチのお店はそういうお店じゃないので・・・」ってなるはず。

亀山としては、これと同じぐらいのことをやってしまった気がしたんです。

つまり、世界観が壊れてしまうって。

目指すべき方向がブレるとブランドは崩れる

何が正解かは、誰にもわかりません。

もしかしたら、今回の美容室はお客さんがどんどん増えて、大人気店になるかもしれません。

でもでも、考えてみて欲しいんです。

なぜ、美容室を始めようと思ったのか。

きっと喜んでもらいたいお客さん像があって、何年も掛けて知識と技術を身に着けて、ようやくオープンさせたお店。

そんな自分の想いを伝えたい本当のお客さんとは違うお客さんを喜ばせることがどれだけ大切でしょうか?

「理想と現実は違う」かもしれませんが、せっかくなら理想を追い求めて欲しい!

理想を追い求めて頑張っている人に人は集まるし、お金も集まってくると思います。

「売れるから・・・」っていう気持ちでコンセプトや目指すべき方向からズレてしまうと、没個性に陥ることは目に見せています。

どうかこのnoteを読んでくれているあなたも、理想を追い求めてください。

亀山もがんばります。

一緒にカッコいい大人の姿を子どもたちに示していきましょう!

まとめ

・店のコンセプトとは真逆のシャンプーやトリートメントを販売し始めた美容室があると知り合いから聴いた
・「目の前の売上が欲しいから手を出しちゃった」と感じた
・「売れるから」という理由で手を出した戦略が世界観を壊すことがある
・眼の前の売上よりもブランド価値を大切にしたい

今回の件は、実はいろいろな業界で起こっていることだと思います。

特に、コロナの影響で、今まで通りのビジネスができなくなり、すぐに売上をつくらなければいけない状況の企業も少なくないはず。

ほそぼそとフリーランスで活動している亀山なんぞにはわかり得ない、領域であることも確かです。

ただ、少なくともこれまで積み上げてきたブロンド価値であったり、世界観が歪んでしまったことは事実。

ブランディングプロデューサーとしては、絶対に失ってはいけないお客さん、つまりコアファンは絶対に守りたい。

だから、コンセプトをはっきりさせて、コンセプトと合わずに世界観を壊すものは排除したいんです。

たとえそれが必ず売上につながろうとも。

ブランディングプロデューサー
Narashika
亀山友貴



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