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ブラタモリ『正倉院回』蘭奢待のひみつ

NHKブラタモリ『正倉院』の回が面白かったのでその続きです。

蘭奢待という香木があり、歴代の権力者が切り取ったという話がありました。

蘭奢待という香木は、黄熟香というのが香木としての名前なんですが、蘭奢待と呼ばれるのは、蘭の中に東の漢字、奢の中に大の漢字、待の中に寺の漢字が入っていることから蘭奢待という雅名(がめい)がつけられています。

続けて読むと東大寺となります(^o^)

歴代の権力者たちのなかで、徳川家康だけが切り取らず、それどころか宝物を保管する箱を寄進していった。

信長なんかとえらいちがいだ! 文化財保護をちゃんとしてる!とすごく株が上がってたんですけど、実は蘭奢待を切り取ると悪いことがおこる…というジングスがあったようなんです。

過去に切り取りをした権力者で、織田信長は本能寺で討たれ、足利義教(よしのり)は嘉吉の乱(かきつのらん)にて殺され、足利義政は京の都をことごとく疲弊させた応仁の乱を引き起こす張本人です。

蘭奢待をもっていったひとはろくなめにあってませんよ…と家康に囁いたひとがいたかどうかはわかりませんけど、そういうこともあって家康は切り取らなかった、とも言われています。

ところで今回のブラタモリで、この蘭奢待の切り取りに口に、切り取った人の名前を書いた紙が貼ってあるのですけど、これが明治の時につけられたと知りました。

確かに筆跡が全部同じですし、切り取った人たちは全員違う時代なのですから、紙だって同一のものであるはずもなし…

どの切り口がどの武将なのか、という記録が別にあったのでしょうけど、あらためてその事実を知って我ながらおかしかったです。



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