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今日はなんの日? 藤ノ木古墳の日

住んでいるマンションのレベーターが秀逸で
「今日は◯◯の日」
と出してくれるのを欠かさず見ているのですが。

きょうはおったまげた。
だって「藤ノ木古墳の日」と出るんだもの。

本日9月25日は藤ノ木古墳の日です。

ウチのエレベーターと気が合いそうだ…

1985年9月25日に、藤ノ木古墳から横穴式石室なんかが発掘されたそうです。


藤ノ木古墳があるのは、生駒郡斑鳩(いかるが)町。
法隆寺のすぐそばなんです。

でも、法隆寺拝観のついでに行ーこうっというのはあまり聞かない…。


直径約50mの円墳で、埋葬施設は刳抜(くりぬき)式家形石棺を安置する横穴式石室ということです。

古墳も色々あるのですけど、横穴式はファミリータイプ。

石棺を置くお部屋に続く道があって、ドアがある。

誰かを埋葬したあとに、続いて誰かを入れることができる。

これに対して縦穴は、上から蓋をしちゃうので、完全なワンルームになります。

そして何がすごいって、この石棺が未盗掘だったことです!

金銅製の馬具や、履(くつ)、冠などが発見されました。

とりわけすごいのは、鞍金具。
大刀と斧をもった鬼神。
透かし彫りされた象。
パルメット文と呼ばれる模様が縁取りされた洗練されたデザイン。
とんでもない傑作が眠っていたのです!

藤ノ木古墳の石室内・石棺内の遺物は、2004年に国宝に指定されました。

藤ノ木古墳のロマンが止まらないのは、被葬者が2人だったこと。

ひとつの石棺の中にです。

これだけ財力のある副葬品に守られた人が、なぜひとつの石棺を分け合っていたのか…

ふたりはひとつでいなければならない理由があったのか?

謎に満ちているのです。

藤ノ木古墳の造営は6世紀後半と考えられ、それは聖徳太子様が生きた時代です。

藤ノ木古墳は法隆寺のすぐそばにあると書きましたが、法隆寺を作った聖徳太子さまなら、被葬者が誰か知っていたのでしょうか?

そして、なぜひとつの石棺に眠っているのかも。

ぜひ法隆寺参拝とともに藤ノ木古墳へも足を伸ばしてみて下さいね。



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