vol.3 はかない僕の恋


僕が君に付き合って欲しいと伝えたのは9月下旬だったと思う。10月3日は君の誕生日。お祝いメールをしたけれどその日は返信もなく。次の日の夜連絡きたけれど家族と出かけてたって。。。もうないのかなって思ってた。

10月17日、僕の誕生日に君が家まできてくれた。返事もくれた。一番の誕生日プレゼントだった。

ぼくたちの交際がスタートした。

お互い惹かれあっての恋の始まり。たくさんキスをした。たくさん抱きしめあった。愛を確かめあった。このひと時だけが君からの愛を感じる事ができた。君の全てが愛おしかった。誰にも渡したくなかった。

君には僕の全てを知って欲しかった。言えないこともあったけど。けど君は僕に君の事を話してくれなかった。色々相談して欲しかった。もっと頼って欲しかった。仕事を辞める事、引越しする事、君の家庭の事。なんでも話して欲しかった。嘘つかれたり。だからなんだか寂しかった。

君を知れば知るほど、愛せば愛すほど、苦しくなっていた。君の過去も全てを僕のものにしたかった。そんな事は無理とは分かっていたけれど。

君も君なりに僕をたくさん愛してくれていたと思う。けど心が満たされることはなかった。正解はなかったのかもしれない。

全て僕の弱さだった。
どうしたら満たされるのだろう。

君は美しかった。他の誰とも比べ物にならないくらい。君のことばかり考えていた。出会ってから君は僕の全てだった。

あんなに惹かれあっていたのに。

2010年4月。

僕は君から距離を置いた。たった半年の出来事だった。


続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?