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ナポリタカオの小ネタ劇場

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ナポリタカオの小ネタオリジナル作品をまとめたマガジンです。登場人物のN氏とは著者・ナポリタカオ本人のことです。
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2021年7月の記事一覧

UFO探知機ユータンが原宿でとらえた物体

UFOディレクター登場 おそらく、30代以下の方は知らないと思うが、Y氏というかつて一世を風靡したUFOディレクターが存在した。 現在でも受け継がれるエリア51のUFO疑惑や陰謀論などを、テレビで取り上げ、自ら取材した先駆者である。 N氏はそのUFOディレクター、Y氏と知り合いである。もう10年も前だろうか。そろそろコートが欲しくなる秋の晩だった。 夜9時30分頃、Y氏、N氏をふくめた6人ほどの一行は、千駄ヶ谷から原宿駅にかけての道のりを安居酒屋にむかっていた。 N氏

浮かれてハマる落とし穴

続けて2日、お金を拾うN氏はある真夏の土日に、続けて国民のピンチを救ったことがある。 土曜日は明治神宮の軽食コーナーだった。ニヤけた顔で恋人のためにソフトクリームを買っていた青年がいた。 浮ついた気持ちから重なった3千円ほどの紙幣をポケットから落としたのだ。N氏はネコババしたい衝動を抑えて、声をかけた。 「お金、落としましたよ」 「あ、ありがとうございます!すみません!」 青年は丁寧に頭を下げて、N氏に感謝していた。いいことをすると気持ちがいいものだ。 さらに翌日の

カネを語るおばちゃんたち・青セーター最後の逆襲

※この話は前回から続いています。 なごやかなムードをぶち壊す、ある事実 よそよそしくも、上辺だけはなごやかなおばちゃんたち。 ところが、そのムードが突然、一変する事態が起きた。それは、パーマがなにげなく株江に話しかけたときだった。 パーマ「いいじゃない、アンタ。Aデパートの株主なんだからさぁ」 青セーターがびっくりして、すかさずつっこんだ。 青セーター「あっ、そうなの?!」 パーマ「そうそう、この人ねえ、Aデパートの株主なのよぉ!」 大きな声が、静かな夜のドトール

カネを語るおばちゃんたち・青セーターの強引な割り込み

なにかが起こりそうなおばちゃん3人組の関係数年前、世田谷区内のドトールで19:00。N氏の目撃談である。 おばちゃん2人組が店内に入ってくると、新聞を読んでいたN氏の横にテーブルがふたつ空いているのを見つけた。 殴り込みをかけるような勢いで近づいてきた2人組は、地味な色の大きな布製バックやコートを椅子にドスン!と置いて、さっそく4人分の席を確保した。 それから、「あーあたし、カフェラテ!」「あたしはどうしようかな?」と、大声でやりとりをはじめた。 ひとりは50代中頃(

トイレで通帳せがまれる

洋式じゃないと無理!な小学生 水の流れる音がするトイレに初めて入った時、戸惑いを感じた方も多いだろう。正確には「トイレ擬音装置」と呼ばれるらしい。 ある人によれば、本当か嘘かわからないが「浜松のスズキ自動車が水を節約するために、最初に女子トイレで使い始めたらしい」のだとか。 事実を知る方は教えていただければ幸いである。このトイレ擬音装置、もう随分前に登場したが、どの程度普及したのだろうか。 これはもうずいぶん前に初めてN氏がJR蒲田駅に隣接する「TOKYU PLAZA」

大音量の会話・飛び降り老人の結末と泥沼職場事情

3階の窓から飛び降りた老人の謎、解明される ※この話は前回から続いています。 女性3人組の会話は続く。親分と人情家のふたりに説明する新人。 新人「抑制してたんですけど、夜中に自分でほどいちゃったらしくて、『どうしても家に帰る!』って、3階の窓から飛び降りたらしいです」 抑制。おそらく彼女達は老人ホームや介護施設の介護士か看護師なのだろう。親分がまた大音量で聞いた。 親分「それで、どうなっちゃったのよ?!」 新人「それが両足首の骨折だけで済んだんです」 親分「どうしてま

大音量の女親分の聞き捨てならない会話

大音量の女親分と刑事ドラマキャラが登場あなたは喫茶店で何気なく聞こえてきた、となりの会話にぎょっとすることはないだろうか。 今書いていて思ったが、現在の若い世代は「ぎょっとする」という言葉を使わないような気がする。さかなクンくらいか。いや、さかなクンだってもうけっこうな年齢になっているだろう。 それはともかく、これも数年前。季節は8月上旬、場所は東京都のある街としておこう。 ちなみにN氏がかつて住んでいた世田谷区ではない。内容が内容だけに、詳細は書けないのである。 夜

過酷な楽園・コマ送り爺さんの恐怖!

銭湯とは明日は我が身の「過酷な楽園」「コマ送りとはなんですか?」という若い世代の問いをYahoo!知恵袋で見つけた。 そのままでは見えにくい映像を非常にゆっくり再生して確認する作業のことだが、この言葉で思い出したのが、先日に引き続く東京大田区・蒲田温泉の出来事である。 近年はたまにしか行けないが、初めて来た頃からもう10年にもなるのかなどと思いながら、当時推定60歳前後だった蒲田温泉の受付嬢をしみじみと眺めたりする。 下町の土地柄、この銭湯は高齢者が多い。 「おやじの

熱い銭湯・蒲田温泉を守る説教爺

熱い銭湯で知られる蒲田温泉、その理由と背景N氏は昔、週末には東京都大田区の蒲田温泉に毎週通っていた。ここは東京でも濃い黒湯として知られ、サウナも別料金をとられずに入れる。 最近、テレビ番組「マツコ&有吉の怒り新党」で 「新・3大熱い銭湯」として、燕湯(台東区)、帝国湯(荒川区)と並んで紹介されたとか。 高温湯のほかに低温湯もあるのだが、もともとは同じ黒湯の浴槽であとから仕切り工事がされたものだ。 その理由や背景は番組で放送されただろうか。N氏は長く通っているうちに、常連