大音量の女親分の聞き捨てならない会話
大音量の女親分と刑事ドラマキャラが登場
あなたは喫茶店で何気なく聞こえてきた、となりの会話にぎょっとすることはないだろうか。
今書いていて思ったが、現在の若い世代は「ぎょっとする」という言葉を使わないような気がする。さかなクンくらいか。いや、さかなクンだってもうけっこうな年齢になっているだろう。
それはともかく、これも数年前。季節は8月上旬、場所は東京都のある街としておこう。
ちなみにN氏がかつて住んでいた世田谷区ではない。内容が内容だけに、詳細は書けないのである。
夜8時前後、N氏は残った仕事を片付けようと、駅前にある喫茶店へ入った。
注文したコーヒーを受け取って店内の禁煙席を進むと、ちょうど手前にガヤガヤと話しながら女性3人組が座ったばかりだった。
声の大きな50代後半と見られる、小太りの女性がひとり。仮に「親分」と呼ぼう。
それに、同じく50代後半と見えるやせた神経質そうな女性を「人情家」、20代の新人女性を「新人」として解説していこう。
それにしても、まるで昔の刑事ドラマを代表するようなキャラクターの組み合わせだ。
この3人組はうるさそうだな。新聞や資料に目を通さなければならないN氏は、彼女達を避けていちばん遠いところに座った。
ところが、である。
N氏が座ったとたん、N氏のとなりの男性客が席を立ち、店を出ていった。そのため、となりに広いテーブル席のスペースができてしまったのだ。
イヤな予感!
「あ!あっちあっち!あっち行こ!」
親分がめざとく見つけて、大声をあげた。あのオヤジめ…。
親分は「やっぱり広いほうが××だ!」とか、「あ、こりゃこっちのほうが涼しい!」とか、「なんだか腰が痛いよ!」など、たいした意味もないありったけのワードを大声でまくしたてながら、こちらへ空間移動してくる。
親分の声は店の外にも聞こえそうなほどの大音量で、頭が割れそうだ。くっついてくる人情家と新人は毎日平気なのだろうか。
いったい何の会話が始まるのか
まいったなあ…。今日は仕事がはかどらないだろう。N氏は店を変えることも考えた。親分は席に座りながら、さっそく早口で新人にまくしたてた。
親分「だから昨日、どうしたのよ?!」
新人「それが……××さんが3階から飛び降りちゃったんですよ」
えっー?!
親分・人情家「えっー?!」
N氏は親分と人情家が驚く前に、リアクションしてしまった。
親分・人情家「なによ、それ?!」
思わず、新人の顔を新聞の陰から盗み見た。わりと平気な顔で話しているが、まったく異常な出来事でもないといった様子である。
いったい彼女たちは?飛び降りた人物はどうなったのか?
後編をお楽しみに!こちらです。
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