3か国の暮らしから学んだ、子育ての最終目標:自分の人生を自分で幸せにする力
私が子どもに望むたった一つのことは、どんな状況にあっても、自分で自分の幸せに責任を持てる人に育つこと。
もちろん、え!こうするか!と歯がゆい気持ちになることもありますが、アドバイスはしても、最終的には子どもが決めたことにあれこれ言いません。その経験全てが成長に繋がると思っているから。なぜなら究極的に自分の幸せの責任は自分でしか取れないから。
今の瞬間、毎日が笑顔いっぱいで楽しくて幸せなら、子どもは自然に幸せ体質になります。その延長線上で将来も自然に幸せになります。
将来のためなどといって親ががみがみ叱っていると、子どもの今の毎日が不幸せになります。それで不幸せ体質になってしまうと、その延長線上で将来も自然に不幸せになってしまいます。
あと、人生では嬉しいこともあれば、避けられない悲しみや困難もそりゃあります。むしろ、そうした辛い経験を通して、人に対する思いやりや、困難を乗り越える力、自分を守る方法、そして逆境をチャンスに変える強さが育まれるのだと思います。だからこそ、いろいろな経験をさせ、できるだけ自分で解決していく体験が、これから生きていく上で大きな強さとなると信じています。
私の教育とは「心」をはぐくみ、その「心」から生まれる自分の人生を豊かにする自分の「心」が喜ぶことを可能にしていく術を学ぶことだと思っています。
今の日本の教育を見ていると、どうしても「これで本当にいいのかな?」という疑問が湧いてきます。私が子供達を連れてバリ島に移住したのもそれ。子どもたちには無限の可能性があるのに、それが十分に活かされていない気がするんです。子どもにとって「遊び」って、「自分」を発見していく貴重なプロセスなんだと思います。
人生楽しんだもの勝ちなのに、それがまるで罪みたいな。
遊びの中で、友達とどう関わるかを学んだり、自分が好きなことに気づいたり、危険を回避する感覚を身につけたり…実は遊びが、彼らの生活の基本を築く場所なんだと思います。しかも、行動に責任を持つことだって遊びの中で自然に学んでいると。
もっと自由な遊びの場があって、子どもたちが心からワクワクするような環境が整えば、きっと彼らの好奇心や探求心はさらに育つはずです。そんな場がもっと増えればいいなと、強く願っています。
家庭でのお手伝いって、実はすごく大切なんです。家族はまるで小さなチームみたいなもので、家という小さな社会を協力して回しているんです。ただのお手伝いが、実は「社会での役割」を学ぶ練習場だったりします。自分のことを自分でやるのはもちろん、家族みんなで思いやりを持って、必要な家事を分担し合うこと。この積み重ねが「家を維持する力」になっていきます。うちの方針は家はホテルじゃない。誰かがやってくれるのではなく、みんなで支え合っているんですよね。
そして勉強についても、土台がしっかりしてこそ意味があると思います。生きる力を身に付けてからの知識こそが、本当に活きてくるんです。なぜなら、基礎ができていなければ、どんなに知識を得ても、それが活かされることは難しいからです。
現在はインターネット革命の時代で、スキルがあれば自分らしい生き方ができる時代になっています。かつての「良い学校に入り、安定した職業に就く」という戦後の経済成長を支えるための企業人材育成に重点を置いた古い学校システムの考え方は、もはや過去のものです。
昔、日本の友人が「今頑張れば、後が楽になる」としたいことを我慢して中学受験に励むお子さんに言っていましたが、必ずしもそうじゃないのはお分かりになるかと思います。
反対にいま、この瞬間にしたいことをしないなんて、もったいないと私は感じてしまいます。
時代は確実に変わりつつあります。ご自分のため、そして家族や子供のためにも、新しい時代に柔軟に目を向けていくべきです。
むしろ、自分の考えや意見をしっかり持ち、自己と他者を尊重しながら、自分の情熱に従って生きるほうが、ずっと豊かで楽しいのではないでしょうか。情熱を追いかけることで、同じような仲間が自然と集まり、そこから新しい繋がりや友情が生まれます。そして、どんな状況でもその繋がりが支えになり、共に成長していけるのだと思います。情熱が道を開き、私たちを活き活きとさせてくれるからこそ、「どうせなら好きなことをして生きていきたい」と思うのです。
うちの末っ子がそのいい例です。彼女は小さい頃からファッションが大好きで、17歳のときには「オランダの専門学校に進む!」と決意。でも、出発前に10ヶ月ほど時間が空くことに。そこで彼女はスケートボード好きだったことを活かし、なんとそのコネクションからインドネシアの急成長中のスケーターブランドでインターンを始めることにしました。
16歳にして、仕入れからパターン作成、裁断、縫製、さらにはマーケティングや経理まで任され、現場のすべてを吸収する貴重な経験を積んだ彼女。このインターンのおかげで、オランダの専門学校でも「これ知ってる」「やったことある」という状態で、すでにスタートラインが違っていました。結局、オランダは楽しかったけど、あまり新しいことを学ぶと感じることが少なく、1年ほどで帰国を決断。
何も一つの道にこだわるのではなく、実は選択肢はいろいろあり、柔軟に状況に応じて自分がよいと思える道に進むのが一番じゃないかと。
今では、自分のブランド立ち上げに向けて、事業計画を作り、投資家へのプレゼン、そして交渉まで自分でこなしています。年齢なんて関係ないんだなと感じさせられます。彼女の一歩一歩が、しっかり未来へとつながっているのを見ていると、私もワクワクします。
さて、うちにはグリーンスクールに通っている17歳の女子がホームステイしています。
グリーンスクールは、「Schoo for Now、 今の学校」で、「環境保護」「社会貢献」「創造的な思考」を重視した実践的な学びです。従来の教室型教育にとらわれず、環境に関するプロジェクトや地域社会への参加を通じて、子どもたちが主体的に学べるように設計されています。
もちろん、やる気次第でアイビーに行きたいと思ったら、本人の選択でその準備ももちろんできますが、本質的な実際に人生に役に立てる勉強、じぶんのやりたいことをいろんな経験をして見つけ、それを形にするのにどのような勉強と経験をすれば良いのかにポイントをおいています。
結局、子供に望むことは「自分の好きな事をやり自立し、満ち足りた人生」を送ることだと感じます。
自分を生きる環境があると子供はどんどんそれに向かって伸びていきます。
あれもこれもこうなったらどうしようと考えるよりも、一歩勇気を出して歩んでいったら、親も子供も違う世界がまた、待っています。
さぁ、いま、なにか違うな?これでいいのかな?と疑問を少しでも感じてるのであれば、親子でその一歩を踏み出しましょう!
案外その道は、険しいと特にはじめ思われますが、それ以上に楽しい道になるはずです。
そして、そこから生まれた親子の絆、思い出は何よりも尊いはずです。
子供にしてあげられる最高のことは、親が人生を楽しんでいる姿です。