【物語#3】町に雨が降る日の夢

【 物語 #3 】 町に雨が降る日の夢


5年以上前に作って
ある大手さんが
一部を舞台化してくださった作品。

の、冒頭です(^ー^)


感動。優しさ。人間性。思いやり。

って、大事だよね。

という内容のお話です。

文章を保存していた
携帯本体が使えないため
また書き直します。



◇◇◇◇◇◇【町に雨が降る日の夢】◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇◇◇ ふじおひろみ ◇◇◇◇◇◇◇◇

▼黒の街


その街には色彩がない。

物にも、ヒトの心にも。

表向きに着飾った張り付けた笑顔と、おつきあい、プレゼント。
うすい言葉。

町の人々は常に喪服のような黒の衣服で身を着飾る。
雨も降らない。朝陽や夕陽を眺める者もいない。
花も飾らない。植物は枝から切りおられていた。

世界から、この異色の町は【黒の町】と呼ばれ【禁断の森の呪いに惑わされた異徒の隠れ家】とすら ささやかれた。黒の町の人間は、それを恥じていたが、プライドが高かった。あごが上がり、薄い瞳を向けていた。

【我々は特別なんだよ。きみらとは違うんだ。我々が異端を裁いてみせよう。示さなくてはならないからね。正義が我らであることを】

黒の町から少し離れた場所に
『よろず屋カシュカシュ』はあった。

禁断の森の巨木『カシュカシュ』に呑み込まれて建つ。
【森からきた】といわれる老人が店主の雑貨屋だ。シャッターも入口の扉も、泥やススで"汚されて"いる。扉にいたっては、繊細な彫り物が すっかり土で埋まっていた。

(バシャッ

(ぁぁ、手についた。とか小さく言っている)

『やあやあ!じいさん!今日はどうだい!』


張り付けた笑顔のスーツの男が
よろず屋カシュカシュの入口を盛大に開けた。

『またかい』


『この町でいちばんの雑貨屋だよ。なあ?』


光る歯を見せながら、扉をアゴで指す。


『そろそろシャッターも塗り替えじゃないかい?せっかくだ。わたしが手配しよう。安いもんだよ。この店には、みーんな、世話になってるんだ』

カラン

『もう開いているかしら。プレゼントの包み紙を戴きたいの。』

『黒だよ!じいちゃん!』

『その棚だよ』

『まあ。ほんとね。ありがとう』


着飾った女が息子をつれてやってくる。毎週この日のこの時間だ。前週に世話になったすべての人間へプレゼントを贈るのだそうだ。

『黒で、ね』


『さて、じいさん。いや、◯◯さん。わたしも何かもらおうかね。この奥はなんだい。』


(街の者達は名前で呼びあわない。名を呼ばれる意味。)


ガンッ


『開かないよ。オブジェクトだ。部屋はこちらだよ』


『それは失礼。おかしいな。』


『探し物かい』


『,,,,いや』


手を擦り合わせながら、また、歯を見せる。
笑ってなどいない。笑えるような男ではないのだ。

『おっと。こんな時間だ。次の予定さ。いい1日を。Mr.◯◯』


帽子を少し持ち上げて男は店を去った。


『こちらは素敵なものばかりで...選びがいがあるわね』


気を使ったような素振りをして、マダムが目配せをする。


『観光なんて、なくなればいいんだわ。あんな品のないものを持ち込んで。このお店みたいに、場をわきまえたら宜しいのよ。ねえ、ぼうや』


『観光屋は儲かっているようだがね』


『彼は、優しすぎるのよ。馬鹿に教養なんて無理なんですわ。禁断の森だの、水の都だの、くだらない。そんなものよりも大切なことが、世界にはあってよ?』


『◯◯(いくら)だよ』


『だってお聞きになって?先日だって、◯◯からきた観光客が何をしたか。町のど真ん中でイーゼルを拡げて、絵画を描き出したかと思ったら、なんてこと!ああ、口に出すのも穢らわしい!"黒でないモノ"を使ってキャンバスを染めるのよ。わたしたち、もう、恐ろしくて、慌てて審問所に駆け込んだの!』

『おつりだよ』


『ねえ、じいちゃん、聞いてよ。今日学校で、ぼく表彰されるんだ。』


『あら、わたしがまだ話しているのに』


『いいじゃない。ママ、その話、先週もしてた』


『あら,,,あら、そうだったかしら』


『ねえ、聞いてよ、じいちゃん。ぼく、みんなの代表さ!傷ついた友達を助けた絵を描いたんだ。血の表現が歴史的で、伝承的で、素晴らしいって!』


魚のように口を動かしながら、少年は鼻を膨らませる。


『血の絵を』


『もちろん!ぼくらは、世界中のどんな種族もよりも高尚で素晴らしいんだ。だからこそ、赤い血の業を背負い、世界の頂点に立っているんだ。』


少年は声を潜めた。


『じいちゃん。だけど、ぼくらの血は、ほんとうは、黒なんだよ!』


腕に抱えた分厚い本に目配せをしながら
少年は得意げに胸を張った。


『そうかい。きをつけてな』


少年は顔を真っ赤にしながら 手を引かれていった。


『血も、黒。か』


老人は、女が忘れていった控えを グシャリと握りつぶした。


『黒なもんか。人間が』

◇◇◇

▲じいちゃんは
異端審問所に目をつけられています。

▲【あの2人】を助けるじいちゃんは、このじいちゃん。

▲巨大な庭も持っています。

▲技工士。噴水を自作した。

▲このあたりには雨が降らないから。

▲少年のほんとうの夢は【町に雨が降ること】。かっこつけて、かっこつけたことばっかり言っているが、やがて、じいちゃんと仲良くなる。(べつの少年にするかも。でもそのときには、今出てきた少年の絵は、森へ入ったことでいじめられた、じいちゃんと仲良くなるほうの少年が怪我した絵を描いたことにする)

▲郵便屋さんも友達


▲サンタ村からの取り寄せもある。


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