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ブラックペッパーの物語|アロマテラピー検定1級「精油のプロフィール」の勉強法


ブラックペッパーと聞いて食べることしか思い浮かばない皆様こんにちは。今回は、精油としてのブラックペッパー(コショウ科)について勉強したいと思います。

ぼくはアロマテラピー検定を勉強するまでブラックペッパーの精油があるなんて想像もしていませんでした。アロマテラピー検定1級では香りテストの対象精油になっています。そんなの鼻から吸い込んだらくしゃみが止まらんくなりそうでごじゃるよ(ハクション大魔王風)

ブラックペッパーとは何か。S&Bテーブルコショーとなにが違うのか。


そもそもブラックペッパーが何なのかという問いから始めましょう。

ブラックペッパーもホワイトペッパーも(グリーンペッパーも)、もとは同じコショウの実です。ただ、作り方が異なります。熟す前の緑色のコショウの実を、皮付きのままで乾燥させたものが香辛料のブラックペッパーです。

グリーンペッパー(緑)
未熟果の実を機械乾燥させたもの
フレッシュ感でさわやかな香りと辛み

ブラックペッパー(黒)
熟す前の実を天日乾燥させたもの
・ホワイトペッパーと比べ辛味が強く野生的な香り

ホワイトペッパー(白)
完熟した実を水に浸して皮をとり天日乾燥させたもの
・ブラックペッパーほどの辛味がなく上品な香り


ちなみに、摘み取る前の緑色のコショウの実の写真はこちら。胡椒の実ってこんな感じでできるんですね。胡椒の木は最大5mくらいに成長する「つる性植物」です。


胡椒は、作り方の違いにより「ブラックペッパー」と「ホワイトペッパー」と「グリーンペッパー」に分かれることが分かりました。

では、ぼくたちが普段一般的に食卓やラーメン屋で使っている「S&Bテーブルコショー」は何ペッパーなのでしょうか。

これは、ブラックペッパーとホワイトペッパーを細かく粉末状にしてブレンドしたものだそうです。

おなじみS&Bさんのテーブルコショー。ちゃんと「原材料:ブラックペッパー、ホワイトペッパー」と書いてありました。チェックしてみて(↓)

このブラックペッパーとホワイトペッパーを混ぜたいわゆる「コショー」はS&Bテーブルコショーに限らず日本の食卓だけで見られる独自のものらしい。欧米ではこのタイプ(ブラックペッパーとホワイトペッパーの粉末を混ぜた)の「コショー」は売っていないそうです。


スーパーには「コショー」とか「xxペッパー」とかなどと表記された商品が並んでいますが、これを単なる日本語と英語の違いだと思いこんでいる日本人のなんと多いことか。アロマテラピー検定って勉強になりますね。

参考文献:https://tg-uchi.jp/topics/3681


さて、食べるコショーについて語り過ぎました。精油のプロフィールの話に戻りましょう。ブラックペッパーは胡椒の一種です。


超高級品だったコショウは薬として重用されていた

コショウはインド原産。元々、薬用として利用されていました。そう考えるとブラックペッパーってすごくアロマテラピーっぽい感じがしますね。

インドの伝統医療「アーユルヴェーダ」では、体の老廃物や脂肪を燃焼させ、血管を浄化する薬として胡椒が用いられていました。
▼古代ギリシャの医学の祖として知られるヒポクラテスは「コショウとはちみつと酢を混ぜたものは婦人病によく効く」として重用していました。


その後、冷蔵庫がなかった中世ヨーロッパでコショウが用いられるようになります。ブラックペッパーの辛み成分である「ピペリン」には優れた抗菌・防腐・防虫作用があり、肉料理の保存や調理には欠かすことのできない香辛料だったからです。

そういえばコロンブスも元々は胡椒を求めてインドを目指したのでした。社会科で習ったような記憶があります。とても秀逸な解説がYahoo!知恵袋にあったのでマルっと引用(申し訳ありません)させていただきます。

Q.コロンブスは、何故インドの胡椒を求めたのですか?
A.まず、ヨーロッパには胡椒が無かった。次に胡椒はヨーロッパ人の重要な主食であった肉を加工して保存食品にするのに最適で、しかもスパイスとして最高だった。その次に、最初のうちは胡椒はインドから陸路でヨーロッパに運ばれていたが、その陸路の途中にはオスマントルコ帝国があった。
キリスト教のヨーロッパとイスラム教のオスマントルコでは仲が悪く、しかもインドから陸路でオスマントルコを通って運ばれるため胡椒は、今から考えたら凄く高価で貴重なスパイスだった。当時のヨーロッパはこんな感じだったから、コロンブスはオスマントルコを避けるために地球を西回りしてインドに行く道を見つけようとした。西回りでインドから直接ヨーロッパに胡椒を運ぶ事を考えていた。そして西回りを試したらインドには着かず途中にあるアメリカ大陸にたどり着いてしまった。でも、コロンブスは死ぬまで自分は西回りでインドに着いたと思ってた。(以下略)
引用元:Yahoo! 知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10167781525

インドからヨーロッパの間にあるオスマントルコで高い関税がかけられ、仲介するアラブ商人とベネチア商人によって値段が高くなりました。当時のヨーロッパでは、コショウは超高級品だったのです。(マスクの転売みたいなものですかね、、)

なお、インドが原産とされますが、現在では香辛料としての需要が高いので各国で広く栽培されています。熱帯地方であるマレーシア、マダガスカルや中国などで広く栽培されています。


ブラックペッパー「精油のプロフィール」まとめ

乾燥果実500kgから採れるエッセンシャルオイル(精油)の量は約1kg。500分の1ですから今でも貴重ですよね。

・胡椒は、コショウ科・コショウ目
・熱帯常緑・ツル性の植物・多年生植物
・他の植物に巻きつきながら5m以上の高さに成長
・ブドウのような房・濃い緑色の葉・白い花
・果実:最初は赤色→成熟すると緑色→黒色に
・食欲を活性化させるスパイシーな香り
・4000年以上の昔からインド・中国で利用
・古代インドやギリシャで薬として重用された
・食肉の保存や調理に不可欠のスパイス


ブラックペッパーの精油(エッセンシャルオイル)は刺激性のある香りです。おなじみのコショウ独特の香りがしますが、普通は「くしゃみが止まらないでごじゃるよ」ということにはなりません笑


香りの表現としては、

・スパイシーで刺激的/野性的
・心に優しい温かみを感じさせる

気持ちがふさいだり弱気になっているとき、また情熱が冷めてしまった時などはブラックペッパーを使ってみましょう。情熱とエネルギーを回復させてくれます。

また、ブラックペッパーの香りは、お年寄りの食事を暖かく見守る香り、応援する香りとしても注目されています。ステイホームでコミュニケーションが減少している今、あらためて注目したい精油のひとつです。


ブラックペッパーは、生活の木の「エッセンシャルオイル入門セット」アロマテラピー検定1級対応Bセットの中に含まれています。ぜひ日常生活の中で使いながら学習してみてください。

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アロマテラピー検定1級に合格する学習法3選


執筆:なおぞう Twitter(@naozo703)


監修:Tomoe Okajima
五感リラクゼーションサロン Natural state主宰
アロマセラピスト・アロマ講師
Natural state|大阪・箕面の五感アロマセラピーサロン


見出し写真に使用させてもらったペッパーくんは、記事内容となにも関係ありませんでした。ペッパーくん大好きです。

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