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優しい人って、どんな人? @年長さんのことば


月曜の「さんさんぽ」での出来事。年長女児のBちゃんとの会話です。

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優しい人と、自分勝手な人


「あと15分で食べ終えてね」


ある保育園の大人の言葉が遠目から聞こえてきました。
Bちゃんもそれを聞いていて、その後のこと。


B「あと15分で食べてねって、そんなこと決められたくないよね…」
 (ちょっと切ない表情)
さ「そうだね。Bがそう言われたらどうする?」
B「「はい」って答えて、時間かけてゆっくり食べちゃう(笑)」
さ「どうして「はい」って答えるの?」
B「えーだって叱られるから」
さ「そうだね、叱られるだろうからね」 (ん~~?)

B「ああいうこと言う大人は、自分勝手だよ」
さ「そうだね、たしかに自分勝手だね(大人の都合と考えると)。
  う~ん、さんたも自分勝手じゃない?(ほんとにそう思う)」
B「さんたは自分勝手じゃないよ。優しいよ」
さ「優しい…(んん~!?)って、なんだろ。優しい人って、どんな人?」
B「気持ちを聞いてくれる人。気持ちを聞いてくれない人は、自分勝手」
さ「なるほどなぁ… じゃあさ、自分で自分の気持ちが分からない人は、どうすればいいの?僕も、自分の気持ちが分からないことがあるんだけど」
B「そういうときは、、、自分で考えるんだよ!」(真剣な表情)
さ「そっか、自分の気持ちを分かるには、自分で考えるしかないか!」
B「うん!」

・・・

さ「この世界にはさ、優しい人とそうでない人って、どのくらいいるの?」
B「うーん、、、、優しくない人が100人くらいで、優しい人は16、17人くらいかな」(優しくない人が多いってことか…)
さ「じゃあさ、どうすればもっと世界は優しくなれると思う?」
B「それはね、魔法を使うの。手を上にあげて、空に向かって大きなハートを書くんだ。みんなでハートを書けば世界が優しくなるって、魔女の本(だったか)に書いてあった」
さ「なるほど、空に向かってハートを書くんだ~」
B「それで、女神さま(だったか??)が手をパチンとやって、ふわ~~~ってなるの」
さ「なるほど~」
B「心が痛くなることばを言う人は、もっともっとたくさーーーんいるよ!」
さ「心が痛くなること言う人は多いのね」
B「魔法は夜に使うんだ。魔女界にいってやるんだ。Bちゃんも夜に行ってるんだよ」
さ「毎日行ってるの?」
B「そう。それにいい日にちが決まってるんだ。えーっと・・・15日と‪17日の夜。‪9時半くらいかな。朝でもいいんだけど、朝だと100人くらいでやらないといけない。おひさまが(力を)おさえるから。でも夜だと、3人くらいでいい」(どこか不思議なところを見る目でなにかを感じ取っていたように見えました。その状態でゆっくり言葉を選んでました)
さ「月は、おさえないの?」
B「お月様は、寝てるからおさえないんだよ。太陽の光は、人を○○にするパワーを持ってるんだよ」
さ「ん?パワー?(ききとれなかった)」
B「「動くぞー!」って気持ちにさせるパワー!」
さ「なるほど!」


__


「あと15分で・・・」

こういう言い回し、僕も未だに言ってしまいそうになります。
Bちゃんがここを“自分勝手”と言ったのは、この子達はもっとゆっくり過ごしたい。自分のペースで食べたい。きっとそう思っているだろうなと、考えていたからなのでしょうか。大人が気持ちを聞いていなかったからかな。


これが“自分勝手”だとしたら、僕は自分勝手だらけです。もっと考えていかないと!

Bちゃんは、少し前から「魔女になる!」と決めています。
ここで言っている“魔法”というのは、大人が認識している魔法とは、もしかしたら少し違うのかなぁ、同じかもしれないけれど。

みんなで空にハートを描く。
そうしたら世界はもっと優しくなれる。
すぐにでも、そうなれる。

そんな感じでBちゃんは話していました。
ほんと、そうだよなと思いました。
世界中の人が、みんなで一緒に優しい気持ちになって、
みんなで一緒にハートを描いたら・・・


___


自分のことが好きじゃない人は、どうすれば好きになれるの?


さ「じぶんのことがすきじゃないひとは、どうすればすきになれるの?」
  ←手書きで質問してみた
B「おおきいまほうをひとりでつかう」←手書きで回答してくれた

ここからは会話です。

さ「さんたは昔、自分のことが好きじゃなかったんだ」
B「どうして?」
さ「「自分は何をやってもダメなんだ」って思ってたから。
  自分のことが好きじゃない人は、どうすれば好きになれるの?」
B「難しいことも、がんばって乗り越えるんだよ!
  何度も何度も乗り越えるの!」(真剣!)
さ「あー、難しいことを乗り越えると、自分のことが好きになれるんだ」
B「そう。泣きそうになって泣いてもいいから、乗り越えるんだよ!」
さ「泣きたい時は、泣いた方がいい?」
B「うん。うまくいかなくても、何度も何度も乗り越える!そしたら、神様がみてるから。そうしたら次のことがみえるから(たしかこんな感じ)」
さ「そっかぁ…」
B「泣かなくても、乗り越えるの!乗り越えないと、本当の自分がつぶれてっちゃうんだよ(たしかこんな感じ)」
(「本当の自分」を強調し、真剣な眼差しでした)


他にも、

すっごい力を込めて、こうしたいって心に強く願う!
みたいな方法もあるらしいです。

そうすると、自分のことも、だれかのことも
好きになれるとのことでした。


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何度も乗り越える。

これが、「何をやってもダメ」って思っている人にとってのことなのか、
それとも「自分のことが好きじゃない」って思っている人にとってのことか、どちらなのかは分かりません。もしかしたら、両方かな。

いずれにしても、Bちゃんの言う通り、
「難しいな…」と思うことを(自分のやりたいと思うことを)なかなかやらず、ずっと後回しにしていると、本当の自分を見失ってしまうっていう感覚、僕は共感できて、すっと入ってきました。

自分を好きになるには、やってみる!
そうすれば、神様は見てくれていて、道は開ける。

なんか、すごくじ~~~んときたBちゃんとの会話でした。


「自分勝手」についても、「自分を好きになるには?」も、
全く教えていません。ですが、
Bちゃんは、間もあけずそんなにサラサラと答えてくれました。

こういうこと、保育をしてるとほんとによくあります。
これがあってるかどうかとか、
ほんとのことかどうかは置いておいて、
少なくともBちゃんはそう感じているのでしょうね。

子どもは、僕よりずっといろんなことをしっています。
でも、聴こうとしないと話してくれなかったりするんだよね。不思議。


さんさんぽ 天使

この日、お弁当を食べていると
突然「どさっ!」と音が聞こえて、

拾ってみたら羽の生えたかりんの実でした☆




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保育士参加型自主保育「さんさんぽ」
毎週月曜と、たまの土曜日、
横浜市都筑区にて開催していまーす!

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