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【本】「土とワイン」(2) 2章:堆積岩~3章:変成岩

【目次】

土とワイン

【本の内容】

序章

1章:火成岩

2章:堆積岩 ← ★今回はここ★

・堆積岩は、小川から海まで、あらゆる水域とその背後の地域から生じた土砂が時間をかけて堆積し、岩になったもの。
・ワイン造りに適した土壌として興味深いのは、
 ・黒みがかった頁岩
 ・鮮やかな白さの石灰岩
 ・砂漠を思わせる砂岩
 ・特徴的な粒子を含む土砂
 ・シャトーヌフデュパプやリオハにみられるギャレ(galet)と呼ばれる丸い小石
 ・ボルドーやCAの黄土

◇砂岩
・砂岩は石英、もしくは石英と長石を主体とする
・ワイン山地の砂岩質土壌は、アルザスの一部、ピエモンテやキアンティ、ジョージア東部

◇シレックス(火打石)
・石英と同質の二酸化ケイ素が白亜の層に含まれて化学変化すると、シレックスと呼ばれる
・ロワールのサンセール、トゥーレーヌ

○頁岩(けつがん)
・頁岩は、粘板岩と同様に、黒っぽくて層状になっている
・トスカーナ州のモンテルチーノ(現地ではガレストロ)
・南アのスワートランド
・NW州のフェンガーレイクス
・CA州のサンタバーバラ

◇珪藻岩(けいそうがん)
・珪藻土
・CA州サンタバーバラとロンポク均衡のサンタリタヒルズに若干みられる

◇石灰岩
・太古の海底堆積物とサンゴ礁が積み重なった岩石が、人々の羨望の的となる重要なワイン産地を生んだ

■石灰岩質土壌
・石灰岩といえば偉大なワインという図式が定着
・石灰岩は、硬質な堆積岩の一種で、主として炭酸カルシウムすなわち白雲石からできている
・よく知られた石灰質土壌
 ・アルバリサ(アンダルシア地方ヘレス)
 ・テュフォー(ロワール)
 ・シャンパーニュの白亜質土壌
 ・ブルゴーニュ

・石灰岩のより重要な効果は土壌の保水力
 ・ぶどうは水浸しにならずに、必要な水分を吸収できる

・コートドボーヌ:ベルナール
 ・エシャラ仕立て

◇シャブリ
・硬質なミネラル感、細身で厳しい味わい。火打石、鉱物的。
・ポートランディアン
 ・組成が単純で粘土質が少ない
 ・果実味が豊かなワインを生む
・キンメリジャン
 ・火打石

◇オートコート
・コートドールより標高が高く、より冷涼で乾燥
・泥灰土が多く、土壌が薄く、石灰岩が少ない ⇒ 将来有望

◇コートシャロネーズ
・西側は風にさらされがちで、かつ標高がより高いため冷涼
・ワインはややシャープな味わいになることが多い

◇マコネ
・花崗岩の基盤岩をおおう知り感お混ざった土壌も見られる(サントーバン)が、ぶどうが最初に植えられたのは石灰岩質土壌
・ドメーヌヴァレット

◇ジュラ地方
・ピエール・オヴェルノワ
 ・ピエールの方家は、石灰岩と片岩の岩片が若干混ざった泥灰土。ウミユリの化石も。
・石灰岩と泥灰岩
 ・三畳紀とジュラ紀に形成された
・ブルゴーニュと同様、ジュラもかつては海底にあった
・トゥルソー(ポルトガルでは、「バスタルド」)

◇シャンパーニュ
・白亜質(岩石粒子の一種)土壌はチョーク
 ・やわらかくて穴の多い未固結の石灰岩で、炭酸カルシウムを主体としてわずかに粘土も含む
・シャンパーニュには2種類の白亜
 1)ベレムナイト:イカの骨
 2)ミクラスター:ウニやヒトデの化石
・フランシス・ブラール(モンターニュドランス)

◇ロワール地方 トゥーレーヌ
・コーは、マルベックの地元名
・テュフォー
 ・白亜紀後期のチューロニアン期に白亜質の地層を形成
・モンルイシュールロワール
 ・粘土質とシレックスの岩片と砂質を多く含むテュフォー土壌
・ヴーヴレは貴腐菌(ボトリティスシネレア)というカビ菌が発生しやすい条件が整っている
 ・Domaine Huet
・AOCペットナット
 ・フランソワ・シデーヌ
 ・ジャッキープロ
 ⇒ ペティヤン・オリジネル
・シノン
 ・石灰質土壌のぶどうから造るワインは一年以上熟成される
 ・一方、砂質土壌さんのワインは短時間発酵された後、短期間エレヴァージュさせる
・ブルグイユ
 ・シノン同様、傾斜地の中腹の畑から最も良質なワインが算出される
・サンニコラスドブルグイユ
 ・砂質の沖積土が石灰岩質土壌よりも優勢

◇ロワール地方 アンジューブラン
・この地方の土壌は、片岩質(ノワール)と石灰岩質(アンジューブラン)の1つに分かれる

◇イタリア ピエモンテ地方
・ピエモンテには4つの主要産地
 1)モンフェッラート
 2)アスティ
 3)ロエーロ 砂質
 4)ランゲ 泥灰土

・バローロ
 ・アルバとバローロを結ぶ道路を境に2酒の主要な土壌
  1)トートニアン期:石灰質が豊富な泥灰質土壌
    たおやかで女性的なワイン
  2)サーラバリアン期:砂岩質土壌
    長期熟成向き

・ネッビオーロ(ヴァッレダオスタでは「ピクトゥネール」)
 ・粘土質の泥灰岩質土壌と傾斜を好む

・バルバレスコとバローロ
 ・土壌はトートニアン期に形成されバローロ村の西側と同じ
 ・砂礫質が優勢な土壌のコムーネ
  ・ラモッラ
  ・バローロ
  ・カスティリオーネ・ファッレット
  ・セッラルンガダルバ
  ・モンフォルテダルバ
 ・石灰岩質が優勢な土壌のコムーネ
  ・ヴェルドゥーノ
  ・ロッディ
  ・グリンツァーネ・カヴール
  ・ディアーノ・ダルバ
  ・ノヴェッロ
  ・ケラスコ
 ・ラモッラのロレンツォ・アッコマッソ

◇リオハ
・フィロキセラでボルドーがやられて、リオハにやってきた。
 ・フィロキセラは砂質では生きられないので、砂質土壌のブドウ樹は被害を免れたが、石灰岩質と石英質の岩盤からなる地域の土壌は犠牲に。
・3つの地区
 ・リオハアルタ:土壌はほぼ石灰岩質で、粘土と沖積砂が混じっている
 ・リオハアラベサ:標高が高く、石灰質の粘土が集中
 ・リオハバハ:鉄分が多く混ざった粘土と沖積土

■重粘土質土壌
・アブルッツォ州:土壌は石灰岩質粘土

■砂利質土壌
・ボルドー
 ・砂利は雨が多く湿度の高いこの地域の水はけをよくしてくれる
 ・熱を吸収して地面を温め、ぶどうの成熟を促してくれる
 ・メルロは粘土質さえ含まれていればほぼどんな土地でも育つ
 ・右岸:ポムロール:石灰岩質土壌と砂質ローム土壌の上に粘土質土壌があり、ところどころに鉄分の多い堆積物がある
  ・シュヴァルブラン、フィジャックは、石灰岩質土壌がぶどうに好影響を与えており、CFが多く栽培
 ・CSは熟すのに時間がかかるので、収穫を遅めにする必要があり、左岸のやせた砂利質土壌が適している
 ・メルロは成熟するのが遅くも早くもないが、温暖な右岸の方がよく育つ

■珪藻岩質土壌
・この土壌は世界的にあまり例がない
・スペインのアンダルシア地方

3章:変成岩 ← ★今回はここ★

・一般に、変成岩由来の土壌から生まれたワインは、豊かで力強く、はっきりとした風味が感じられる

◇粘板岩質土壌と片岩質土壌
・粘板岩は黒っぽく、PH値は中性
・プリオラートではリコレリャと呼ばれる特別な種類の粘板岩の岩片がある
・ドイツのモーゼルの粘板岩は、岩辺の一片が長大で、さまざまな色があり、シーファーと呼ばれている
 ・モーゼルでは、粘板岩と片岩の区別はない
・片岩は、粘板岩よりもPH値が高く、密度も高い
・スペインのリベイラサクラには、ロウサスと呼ばれる片岩質土壌がある
・フランスのルーションには、壊れた石板のようなダルズと石片が細いフレットという二種類の片岩質土壌が見られる

◇ロワール地方 アンジューノワール
・シュナンブランに顕著に表れる。肉付きがよくなり味わい深くなる
・片岩のシュナンブランは、深みがあり、スミレやかりんのような複雑さが感じられ、まろやかさとふくよかさ、ほどよいざらつき感、みずみずしさを備えている
 ・雨が少ない年には、スポンジのようなテュフォー土壌の方が威力を発揮する
 ・逆に、冷涼で雨の多い年に効果的なのは片岩質土壌で保温性に秀でているだけでなく、雨水を流してくれる

◇ロワール地方 サヴニエール
・ロワール川の北岸には、川に対して南西向きに開けた片岩質土壌の丘陵地がある。AOCサヴニエール

◇ラングドックルーション地方
・石灰岩質土壌が豊富で、ピクサンルー、サンジャンドミネルヴォワ、コルビエールといった有名な産地の一部にみられる
・この地方の片岩質土壌の成り立ちはアンジューノワールと似ている。

◇フォジェール
・片岩質土壌。3つのタイプ。
 1)ダルズ
 2)シスト・グルソー
 3)フリット:ぶどうに一番よい

◇バニュルスとコリウール
・片岩質土壌に覆われた多数の段丘がある

◇ガリシアの粘板岩質土壌
・ガリシア州のリベイラサクラは、海岸部は花崗岩質土壌に覆われている
 ・内陸に進んでいくと、花崗岩質土壌をもつ飛び地もまだあるものの、片岩質と粘板岩室の土壌が優勢になる

◇ドイツモーゼル地方
・粘板岩質土壌と片麻岩質土壌で知られる産地としては、ドイツ唯一の地域

■片麻岩質土壌
・さまざまな堆積物が鮮やかな縞模様をなしている

◇オーストリア カンプタール
・花崗岩質土壌と同様に、片麻岩土壌は保水力がよわい

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