直人

はじめまして、地盤と河川分野の技術者です。東大寺学園卒業、東京大学工学部社会基盤学科卒…

直人

はじめまして、地盤と河川分野の技術者です。東大寺学園卒業、東京大学工学部社会基盤学科卒業。東日本大震災以降インフラの重要性を仕事にするため、建設コンサルタントへ入社後、10年以上地盤・土木・建築分野の足掛かりを行ってきました。 趣味はテニス。地域テニス協会の事務局長を兼任。

最近の記事

能登半島災害調査への同行から感じること

この週末に能登半島に災害調査のために訪れた。 結果から話すと、被害は想像以上のものだった。 震度7、気象庁の公開している震度階の最上位の震度を意味する。 能登半島一体、震度6弱〜7程度の強震動が襲った。 災害調査一日目では以下のルートを回った。 内灘町→かほく市→黒島→鹿磯漁港→深見漁港→皆月漁港→穴水町→一ノ瀬町→輪島市。 何も地形地質、地盤条件などから大きな地震動を伴うことで発生した地震災害といえる。具体的には、液状化による建物・道路被害、海岸隆起による漁港の干上が

    • 技術者という仕事

      今日は技術者、特に建設コンサルタント、建設、土木に従事する技術者の気持ちについて語ってみたい。 わたしがこの仕事に入るきっかけになったのは、2011年3月、日本を震わした東日本大震災、であった。 あの時大学4年生頃。どんな仕事をしていくかぼやぼやとイメージしたくて、色々ともがいていた。 根底にあったのは、父の姿だ。父は公務員だったが、毎晩音楽をかけて書籍に目を通していた。少し話を伺ったのは、明日授業で使う話の材料を仕入れている、というのだ。 根底にあったのは、何かを学

      • 僕がおとなに期待したこと

        僕がおとなに期待したこと それは34歳になる今、あまり実感として得られていない。 これは父から得たことかもしれないが 今の社会のおとな、で尊敬ができる人 というのを幼少期はたくさん期待した。 でも今34歳になると、そんな大人はたくさんいない、ということに気がつく。 むしろ「こんなものか」と思う人の方をよく見てきた。 幼少期ながらに期待した「おとな」 小中高と発展してく中で育った真の優秀な「おとな」像に 自分は近づけているだろうか。 諦めたら、おそらくそんな「おとな

        • 液状化対策の難しさ

          一年前くらいから、訳あって戸建て住宅の事前液状化対策に関する施策について検討を開始した。 まず、液状化という事象について 液状化とはその名の通り、液状になることであるから、広範な影響範囲を連想する この液状化というものを戸建て住宅単位で事前対策する、そんなことは可能なのだろうか。 検討の話をもらった最初からその違和感は感じていた。 国土交通省では東日本大震災以降、市街地単位の液状化対策の運用を推進している。 街区単位、戸建ての土地も道路も丸っと対策してしまおうという考え

        能登半島災害調査への同行から感じること

          地盤の仕事

          この仕事に携わって10年になる。数多くの人と関わり、また自分なりに目の前の仕事をこなし、そして、縁の下の力持ちとして、ただ生きてきた。 わたしたちの仕事は気が抜けなかった。 なぜならそのアウトプットが信頼だから。 その信頼が成果。またそれが石となり、新たなものが築かれていく。 我々の測りがそのまま、この国の礎となっていく。 そんな仕事を好き好んでやるなんて、バカだな。 わたしがやらなくても他の技術者がやるのに。 なんだか気が置けない。どうしてなんだろう。 こうやって多くの

          地盤の仕事