【臨床日記】大きな気づき〜外来では本当の理学療法は提供できないシステムになっている〜
世界の理学療法士は多くが博士課程まで教育システムがあり、それによって開業権も担保され、PTクリニックがあります。
整形外科のクリニックとは対等な立場であり、理学療法では理学的診断を用いて、科学的な視点でサービスが提供されています。
僕は実際に海外で仕事をしたことはないので、あくまでも日本から知り得た情報ですが、、、。
日本では、基本的に医師からの処方箋に基づいて、薬を調合するように理学療法を提供するシステムです。
診断は医師が行っていますので、理学療法士はしません。
レントゲンなどの画像の読影法も養成校のシラバスにはありません。
臨床的には自分で勉強してもちろん画像もみますが、それは国としては想定していないということです。
診断する必要はないので医師の言う通りに動け!と言うことです。
理学的診断がないわけですから、医師の診断が間違っていれば結果は出ません。
しかし、多くの医師は画像診断に重きを置いていますから、画像に写らない異常は把握できません。
折れてない、変形してない、なら痛いとか本人が言ってるけど大したことないでしょということになります。
ちなみにそう言う画像に映らない異常を明確化するのが理学的検査であり理学的診断です。
この理学的診断の価値が分かっていないので、医師も国も理学療法士は処方箋に書かれたことだけをさせればいいとシステムになります。
外来の理学療法士は20分1単位という時間単位で働きます。
1単位185点ですので、¥1,850です。
この保険点数は150日算定が可能です。
それ以降は基本的には終了にしなければいけません。
新患の方は、医師の診察後に処方箋を持って理学療法士のところへ行きます。
そこで、1単位で治療を受けるわけです。
超音波や電気治療などの物理療法や運動療法などです。
基本的に理学的検査はないわけです。
処方箋がありますので、、、。
でも理学療法士は歩行分析、姿勢分析、各種の徒手検査、神経学的検査もできます。
それによって、痛みの原因を追求することができます。
つまり、画像診断以外の診断能力があります。
この理学的検査によって、原因が追及できれば当然治療効果は格段と高くなります。
しかし、現状のシステムでは、理学療法士による理学的診断の価値はゼロですので、実際提供されていません。
そのため、対症療法のオンパレードです。
整形に痛みや違和感があって受診するけど、画像上問題ない場合、問題ないので、痛み止めの薬と湿布で様子見ましょうといわれます。
対症療法です。
医師は、画像上問題ないものの問題を追求することができないだけなのです。
だけれど、原因は分からないし対処法も分からないけど、何もしないと詐欺みたいだから取り敢えず出しとくね「薬」ということです。
その延長上が、取り敢えず理学療法出しとくねです。
画像上問題はないから、あとは運動指導受けてみてですよね。
当然、そういうところの理学療法士は処方箋通りに動きますから、「では大腿四頭筋の筋トレ指導しますね。」とか、「ストレッチ方法お教えしますね。」になります。
もっと酷いのは、私がほぐしますので横になってくださいです、、、。
おいおい保険使ってマッサージかよ!ですが、そういうところまだあります。
これらの元凶は1単位20分というシステムです。
医師を信用して医師の処方のいう通りにやれ!です。
実際僕の今までの経験でも、処方箋じゃないことを提供して怒られたことがあります。
僕は理学的検査をしようとしたんです、、、。
理学療法士はもっと理学的診断能力を高めて、理学的診断でしか原因を追求できない疾患があるということをアピールすべきです。
僕は今保険外サービスですが、とても真っ当な基本的な理学療法を提供していると自負しています。
なぜなら、理学的検査と理学的診断を1時間かけて行っているからです。
効果はもちろん出ます。
対症療法で永遠と通わせるようなことはしません。
本来の姿は僕のやっている方法です。
今が異例で提供されている方が本来の理学療法ではない、作られたものだと感じます。
本来医療で提供されるべきことは、理学的診断に基づいた理学療法です。
医師の処方ではありません。
医師は、外科的な問題がなければ「理学的検査並びに診断」を依頼すべきなのです。
その上で、医師と理学療法士が話し合って治療法を決定すべきです。
残念ながら、医師は処方箋で理学療法士に取り敢えずリハビリを丸投げします。
理学療法士は思考停止で対症療法のオンパレードになります。
これが日本の外来の現状です。
理学療法士は検査や診断の教育があまりにも少ないので、治療テクニックや特殊技法に邁進してしまいます。
〇〇法というものです。
医師の団体としては、従属な疑いを持たない愚民のような理学療法士の方が楽なのでしょう。
海外のように理学療法士が診断ができるようになり開業などしようものなら、競合としてお客さんの取り合いになると思っているのでしょう。
政治家と一緒ですね。
医療者は患者さん国民のために仕事をすべきであり、患者さん国民の利益を第一に考えるべきです。
現在のシステムは完全に意味をなしていません。
僕にとっての違和感がやっと明確になりました。
システムがおかしい!
そして理学的診断の価値がまるで分かっていないということです。
この問題にどれくらいの医療者が気づいているのでしょう?
国民もこの現状を知っているのでしょうか?
僕はほんのこの前気づきました。
23年間理学療法士として生きてきてです、、、。
でもやっと分かった。
理学療法士がもっと国民の役に立てる方法が。
理学的検査と、理学的診断の価値をとにかく高めます。
そして国民にアピールします!
新しい気づきから、新しい一歩が始まります。
アピール方法として、理学療法とは言いません。
もっと一般の方に分かりやすい形で。
でも僕の中では理学療法です。
予防運動でも手一杯ですが、またやることが増えてしまった、、、。
なかなか人生忙しいです、、、(笑)。
あぁこの問題点に多くの人に気づいて欲しいなぁ、、、。